カテゴリー「Kindle」の記事

2022年4月29日 (金)

Kindle Paperwhite 第11世代を jailbreak して昔のUIを復活させる

やっとKindle Paperwhiteの電源スイッチを入れた。予告通りにjailbreak方法が公開されたので。

やり方は、

WatchThis - Software Jailbreak for any Kindle <= 5.14.1

にかかれている通り。

電源を入れてバージョンを調べたら、5.14.0.1だったので、5.14.1.1をダウンロードしてインストール。その後、jailbreakの作業に入った。

 

上記の作業が終わったら、WiFiの設定をやり直し、Kindleをアマゾンに登録。そして、

Snapshots of NiLuJe's hacks

からMRPIやらKUALやら、スクリーンセーバーハックその他をダウンロードしてインストール。とくに、自動アップデート回避ツール(renameotabin)はすぐにインストールして有効にしておく。

 

とりあえず、第11世代でファームウェアが5.14.1.1であるにもかかわらず、5.13.7よりも古いUIになっている証拠。ホーム画面をオフにする設定がある。

Jb_11th_setting

 

Paperwhite第10世代(5.14.2)と、この第11世代を並べてみると、

Jb_11th_ui

新しい6.8インチのPaperwhiteのほうが昔のホーム画面になっているのが、おわかりだろうか?

 

旧UI復活の方法はこちらから。

Reverting to previous UI versions on 5.14.2

あるファイルをエディタで開いて、何文字か変更するだけ。

USBNetかsshの設定してやってもよかったが、手っ取り早くkindleにターミナルをインストールして、viで編集・保存。Kindleを再起動。

ターミナルはこちらのktermを使った。

端末のバージョンが5.14.2なら、復活させられるのは、5.13.7以降のUI。
端末のバージョンが5.4.1(11世代は5.14.1.1)なら、5.13.7よりも前のUIになる(上の画像のUI)。


お約束でスクリーンセーバー変更。

Jb_11th_ss

 

 

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2022年4月26日 (火)

Kindle: jailbreakする気なら、5.14.3にアップデートしないこと

ひさしぶりにKindleの記事。

アップデート5.14.3が来ているが、jailbreakしたいなら、とりあえず機内モードをオンのままにしておくこと。勝手にアップグレードされないように注意。

というのは、jailbreakの予告が出ているから。

mobileradeの"WatchThis - Software Jailbreak for any Kindle <= 5.14.1"スレッドを参照。

やはり新PaperwhiteのcpuはMT8110。上記ページの画像参照。cpuinfoが表示されている。

 

スレッドを見ていくと、5.14.2でも行けるとのこと。

でも、5.14.3はわからない。だから、WiFiはオンにしないのが賢明。アップデートはいつでもできるし。

とりあえず、4月28日までは待つ。

 

とはいえ、今どきjailbreakする人もいないだろう。

昔のKindleはフォントの追加なんかできなかったから、jailbreakしてフォントを差し替えたりしたけど、今ではその必要もなくなったし。

まあ、スクリーンセーバー変えたいという需要はあるかもしれない。たまに表示されているページをそのままスクリーンセーバーにしたい、なんて人もいるが、それもできるようになる。

あとはepubやcbz読みたいなら、koreaderインストールできるようになる。あとはCalibreとの連携とか?

昔は、マウスでページめくりとか、ゲームをインストールしてSudokuとかできたが、最近はほとんどフォローしてないのだ・・・。

 

 

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2021年11月 7日 (日)

Kobo LIbra 2 か Kindle Paperwhiteか? あまり表に出ていない情報も

ディスプレイ・サイズとストレージが同等のKoboとAmazonの新モデルを比較。

Kobo Libra 2 vs. Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション

それぞれのスペックなどは製品ページで。

大きな違いは、Libra 2がページ送りボタンがあるのに対して、PWシグニチャーエディションにはない。逆にPWシグニチャーエディションはワイヤレス充電が可能で、フロントライトの自動調光機能がある、という点。

 

◯価格

海外での価格と合わせて比べると・・・

Kobo Libra 2: 23,980円 / $179.99

PWシグニチャーエディション: 19,800円  / $189,99

海外ではLibra 2のほうが10ドル安いのに、日本では4,000円以上高い。

電子書籍専用端末はごく一部のファン向けの製品。だから、売れないし儲けにもならないのはわかる。でも、これが楽天koboユーザーが納得できる価格設定だろうか?

ページめくりボタンという付加価値があるから、値段も高くて仕方がない、なんて話は通用しない。kobo本社(楽天の子会社)は海外ではまともな価格設定をしているのに、日本に来ると楽天が・・・。

 

◯ディスプレイ

Kobo Libra 2は、公式サイトがE Ink Carta 1200採用と言っている。E Ink社によれば、従来より反応速度20%、コントラスト15%向上したというもの。

PWがこの新しいCarta 1200を使っているのかどうか、公式のスペック表を見てもよくわからない。

ただ、新PW(第11世代)と旧PWとの比較レビューを見るかぎりでは、旧PWよりも文字が黒くくっきりとして、コントラストが上がったという評がほとんど。なので、ディスプレイに変更があった可能性はある。

個人的にはあまり信用していないgoodereader.comが最近の記事で、新PWはCarta1200だと主張している。アマゾンからそういうメールを受け取ったのだとか・・・。というわけで、

Kobo Libra 2: E Ink Carta1200

PWシグニチャーエディション: E Ink Carta1200(たぶん)

ディスプレイはハード的には同じものと考えていいのかもしれない。

新PWとLibra 2との比較レビューでは、ほぼ同等か、Libra 2のほうが若干きれいである、という評価が多い感じ。

 

◯CPU

Kindle、KoboともにこれまでCPUは基本同じで、ずっとNXPのi.MX6シリーズ。ほぼ優劣はなかった。ただKindle Oasisだけはデュアルコアのi.MX7で頭一つ飛び抜けていた。

Kobo SageはAllWinnerのB300に変更になったが、Libra 2と新PWは?

結論から言うと、

Kobo Libra 2: NXPの i.MX6SLL(前モデルから変わりなし。アップグレードなし)

PWシグニチャーエディション: MediaTekのMT8110(スタンダードモデルの情報だがシグニチャーエディションも同じだろう)

Wikipediaの"Amazon Kindle"のページ(英語版)に、新PWはOasisと同じi.MX7という記載があったのだが・・・

これは嘘くさいなと思ったので、調べた。ファームウェア(アップデート用のファイル)をダウンロードして中身を見ると、あたりがつく。(中身を見るにはKindleToolというやつを使う)

ブートイメージなどが入っているディレクトリの名前が、たとえばOasisなら"imx7d_zelda"、前PWなら"imx6sll_rex"のようになっている。

imx7dはi.MX7Dualだし、imx6sllはi.MX6SLLと予想がつく。(zeldaやrexは開発ネームみたいなもの)

で、新PWはというと、"mt8110_bellatrix"。

したがって、Oasisとは別のチップ。このmt8110ってのは何だ?とさらに検索してみると、KindleToolのソース(400行目)にコメントが見つかった。

Kindle PW5 (First Bellatrix board. No longer an i.MX SoC, but a MediaTek one: MT8110)

"PW5"は5番目のPaperwhiteの意味で、今回の新モデル第11世代のPaperwhiteを指す。

台湾のMediaTekのチップにになったわけだが、このMT8110の詳細はよくわからない。

ただ、旧モデルのPWより反応速度が上がったというレビューがほとんどで、Oasisと同等か少し上回るという評もある。性能的にはアップしていると考えていいかもしれない。

参考までに新PW(第11世代)とKindle Oasisの比較レビュー動画

Kindle Paperwhite 5 vs Kindle Oasis Comparison Review より

というわけで、CPUに関しては、チップを変えたPWが、旧モデルから変更がなかったLibra 2よりも性能は上だろう。

 

Koboはマンガで毎ページリフレッシュ(白黒反転フラッシュ)するのでページめくりが遅くて目障り、と何度も書いているが、Libra 2と新PWとの比較動画もあげておく。(文字本はマンガと違って毎ページリフレッシュはしないので安心を)

pcwatchの「フルモデルチェンジで画面が6.8型に大型化、ページめくりも爆速に!「Amazon Kindle Paperwhite(第11世代)」より

 

◯まとめ(個人的な感想)

ここ何年もディスプレイとプロセッサの進化がないまま続いていた。変化といえば、防水にするとかライトに暖色を追加するとか、ボタンをつけるとか、周辺的な部分の変更ばかりだった。

今年はようやく読書端末としての本質的な部分がアップグレードされた。つまり、Carta1200による表示クオリティのアップ。

E Inkディスプレイの質の向上は、2013年にE Ink Cartaが登場して以来と言っていいかもしれない。実を言えば、ディスプレイの表示クオリティは劣化していた。嘘だと思うかもしれないが、2018年のPWの表示はE Ink Carta採用の歴代PWの中で最悪(全部持っているので知っている。一番きれいなのはKindle Voyage。Oasisは知らない)。

それだけにディスプレイがよくなったのはうれしいかぎり。

で、Kobo Libra 2でアップグレードされたのは、このディスプレイのみ。新モデルとしてアピールできるポイントはほぼない。それに楽天がつけるあの値段・・・。

対して、Kindle PWはディスプレイだけでなく、プロセッサの変更で処理速度も向上。ディスプレイも動作速度もOasisに匹敵、あるいはそれ以上というレビューもあるほどで、新モデルとしての訴求力はKobo Libra 2よりも確実に上。

現段階ではこんな感じの感想。

バッテリーの持ちなど少し使ってみないとわからない点は、これから指摘が出てくるかもしれない。Kobo Sageはバッテリー消費が速いというスレッドがmobilereadに立っていたりするので、もう少し様子を見ようか・・・。

 

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2020年4月24日 (金)

BooxもカラーE Ink端末発売

また中国のメーカー、OnyxからカラーE Ink端末発売の予告。
Onyx Booxは日本のアマゾンでも、どこかの輸入業者(?)がマーケットプレイスで売っていたりするから、ひょっとしたら入手可能になるのかもしれない。

白黒のPoke2というやつが新発売で、カラーのPoke2 Colorが予告されたということらしい。

"Onyx Releasing New 6″ Poke2 and “Poke2 Color” eReaders" 参照。


詳細は不明だが、白黒のPoke2に準じたスペック? ディスプレイは例のPrint Color ePaperなのだろう。Androidが欲しい人にはいいのかもしれない。
個人的には文字が読めればいいので、カラーである必要もAndroidでなければならない理由もない。

が、Print Color ePaperがどんなものなのか興味はあるので、BooxのYouTube公式チャンネルにアップされた動画はチェック。
Print Color ePaperが動いているのを見るのはこれがはじめてみたいなもの。



E Ink端末としてはこの程度の描画、反応速度なら、使えないこともなさそう。
グレイスケールは300ppiだが、カラーはその半分だという話もあるようだ。色はおそらくあんなパステルがかったというか、褪せた色味なんだろう。それがむしろ好みだという人もいるのかもしれない。

-- 追記 --
カラーは100ppiだ、と同じくカラーE Ink端末発売予定のPocketbookが言っているらしい。
"All You Need to Know About the E-ink Kaleido Screen Tech" 参照。
カラーを1ピクセル表示にするために、白黒グレースケールのE Inkが複数ピクセル必要なのだそうだ。

もしそうなら、今のPrint Color ePaperは300ppiの白黒E Ink Cartaを使っているわけだから、単純計算でカラーをたとえば200ppiに上げるためには、白黒E Inkは600ppiにピクセル密度を上げなければならない? カラーのクオリティー向上は期待できるのか・・・?
-- 追記おしまい --

 

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2020年4月17日 (金)

ヨーロッパでもカラーE Inkの電子書籍端末販売

カラーのE Ink端末を販売予定しているのはPocketbook。今年後半に販売開始するらしい。

Pocketbookcolor0 Pocketbookcolor1 Pocketbookcolor2
Pocketbook633color

以下の記事参照。
The Digital Reader: "Pocketbook to Launch Color eReader Later This Year – Will Amazon Turn Green With Envy?"
また、この記事が参照している、
heise online: "Pocketbook kündigt eBook-Reader mit Farbdisplay an" (ドイツ語)
allesebook.de: "PocketBook Color: eReader mit E-Ink Kaleido Farbdisplay"(ドイツ語)

6インチでカラー4096色、300ppiというスペック。
発売は今年後半、値段はheise onlineによると200ユーロで、現在は「開発の最終段階」だとか。それ以外の詳細は不明。

Pocketbookは元はロシア周辺をメインの市場にしていた会社で、実は7、8年前にカラーのE Ink端末を出したことがある。
Pocketbook Color Lux
週刊アスキーの昔の記事: "次世代カラー電子ペーパーを搭載したColor Luxが展示:IFA2013"

 

やはり気になるのは、ディスプレイに関する記述。"E Ink Kaleido"なる技術を使っているという。
The Digital Reader、heise online、allesebook.deともに、説明がはっきりせず、もしくはあきらかな事実誤認がある・・・。

heise onlineの記事には、「電子ペーパーを支配しているメーカーE Ink社のこれまで知られていないディスプレイタイプ」とあり、それを「E Ink Kaleidoと呼ばれる技術」と書いている。でも、説明はそれだけ。詳しいことはわからない。

The Digital Readerは、heise onlineの記事を引いて、Kaleidoという技術は聞いたことがないが、そういう名前の会社は存在していて、E Ink社の新しい技術パートナーなのかも?みたいなことを言っている。これは単なる憶測?

この2つの記事では、"E Ink Kaleido"という名称がどこから出てきたのかはっきりしないが、allesebook.deでは、Pocketbookの経営陣の発言として伝えている。「・・・われわれは6インチE–Ink Kaleido™カラーディスプレイを搭載した革新的な電子書籍リーダーの開発最終段階に近づいている。新PocketBook Colorは、最新のE-Ink Print Color ePaper技術に基づく最初のカラー電子書籍リーダーになるだろう」という具合。

だが、allesebook.deの記事にはあきらかな事実誤認がある。
E-Ink Print Color ePaperを、以前の表示不明瞭なE Ink Tritonとは別物で、ACePのバリエーションだとしている点。これはあきらかに間違っている。Print-Color ePaperを使っているなら、それはACePではない(前の記事を参照)。

ともあれ、E Ink Kaleidoがまったく新しいE Inkディスプレイではないことは確か。Print-Color ePaperとの違いは不明だが、あくまでも今年1月に発表されていたPrint-Color ePaperを元にしたもので、前の記事で書いた中国のカラーE Ink端末と大きな違いはないものと思われる。

実際、Pocketbook Colorのイメージ画像に表記されているのは、E Ink Kaleidoではなく、Print-Color ePaperの名前。
Pocketbookcolor

ともあれ、中国のメーカーだけでなく、ヨーロッパで展開してるメーカーもカラーE Ink化に乗り出したとは言える。日本のE Ink端末ユーザーにとって気になるのは、amazonやkoboの動向。ただ、Print-Color ePaperのクオリティーはどうなんだろうという気はする。


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2020年4月16日 (木)

Kindle:アップデート 5.12.4、更新内容が反映され始めたらしい

以前の「アップデート 5.12.4は期待できるかも??」で書いたKindleのアップデート内容が判明し始めた。

FWのアップデート後、数週間でAaメニューなどの更新が行われる、というのがアメリカamazon.comの告知だった。FWがアップデートされた直後では変更は見られず、数週間待つ必要があるという話。それがどうやら始まった模様。

Aa_menu

大きな画像は、mobilereadのこちらのポストから。
もしくは、
こちらの"This is What the Kindle’s New Aa Menu Looks Like"の記事に画像がある。


本の表紙をスクリーンセーバーにする、コントラスの変更を可能にする機能がFWの内部にあるぞ、という指摘に期待していたが、残念ながら、実現していないようだ。変更はアメリカのリリースノートの通りか。FW内部にそういう痕跡があったということで、将来に期待をつないでおくか・・・。

ただ、日本のamazonはAaメニュー変更の告知を出していなかった(リリースノート)。さてどうなる?
とはいえ、UIの変更だけで追加機能がないなら、どうでもいいというのが本音。




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2020年3月25日 (水)

E Inkの新カラーディスプレイ搭載の電子書籍端末が中国で発売ということで・・・

いつも見ているthe-ebook-reader.comやthe-digital-reader.comが話題にしていたので、新型のカラーE Inkディスプレイについてちょっと調べた。

Ireaderc6

"New Color E Ink eReaders Getting Released in China Soon"
"Color eReaders Are Being Announced in China"
を参照。

両記事ともcnTechPostの"Chinese reading app iReader launches color e-ink reader that can display 4,096 colors" を元にしているとのこと。

発売されるのは、中国のiReader C6。6インチでカラー4096色、プロセッサはクアッドコア、ストレージ16G。
もう一社発売するところがあって、iFlytekという会社。こちらはフラットなデザインで、同じ6インチ。重さは150g、厚さ6.9mm。ライトは24個、ということらしい。
どちらも値段は不明。

ついでに言っておくと、E Ink搭載の白黒スマートフォンを出しているHisenseが、このカラーE Inkのスマートフォンも発売するらしい。デモ機の映像。



で、これらの端末が搭載しているカラーのE inkディスプレイだが、去年発表された"Print-Color ePaper"と言われるもの。

これは数年前からあるE Ink社のACeP(Advanced Color ePaper)とは別物。
ACePは今のところデジタルサイネージ(看板)用途だが、Print-Color ePaperは電子書籍端末、教育用途に作られたものらしい。

ワコム社主催のConnected Ink 2019で、E Ink社による「デジタルライティングにおけるePaperの開発トレンド」という発表があり、その時に使用されたスライドをPDFで見ることができる(こちらのページにリンクがある)。以下の画像はそのPDFから。
Eink09

ACePはイエロー、シアン、マゼンタと白の粒子を動かすことでフルカラー(32万色)を実現。

売りはなんと言っても、カラーフィルター(CFA,Color Filter Array)を使っていないこと。それで「表示ピクセルそれぞれが色を表現するため、隣接する複数ピクセルで色を表すCFA方式のディスプレイよりも、表示品位が高いとしている」(CNET Japanの記事)。

対して、Print-Color ePaperだが、こちらは4096色。
PDF画像を見ればわかるように、仕組みはACePとはまったく違う。白黒のE Inkのカプセルを使っていて、その上に赤・緑・青の層がある。つまり、カラーフィルター(CFA)を使っている。E Ink社のプレスリリース(E Ink Announces Color Portfolio for Smart Retail, Education and Consumer Electronics)ではっきりそう言っている。
"This new ePaper platform utilizes a new printed Color Filter Array (CFA) technology in conjunction with E Ink’s second generation, faster and brighter, Carta 1100 ink."

技術的なことはよくわからないが、カラーフィルターというのは液晶ディスプレイでも使われているもので、RGB(赤緑青)のフィルターに当てる光の量を変えることで様々な色を作り出す、という話。その光の量を変える役割を果たしているのが液晶(電圧によって透過率が変わる)。

そこで、Print-Color ePaperに戻ると、この液晶に相当する層に白黒の顔料が入ったカプセルの層(プレスリリースの言い方ではCarta 1100 ink)が来ている。もちろん液晶ディスプレイはバックライトなので、内側の液晶層からカラーフィルターに向かって光が進むが、こちらは外から来る光かフロントライトを利用することになる。それを白黒カプセルにあてて反射させ、カラーフィルターを通すということになるのだろうか。それで様々な色が出るのだとすると、白黒カプセルを動かして光の量を変える? ふたたびPDFの画像。
Eink12
フロントライトは必須だが、ほんの少しだけ、という表記(Required FL on, but...)。10%と書かれている。
"300dpi B/W text"というのは白黒テキストは300ppiということだろう。ということは、カラーにすると300にならないということかもしれない。

そして、このカラーフィルター方式のE InKディスプレイというのは、実はすでに10年ぐらい前に作られている・・・。それがE Ink Triton。E Ink社のホームページにも名前は挙がっている。Engadget 日本版の記事はこちら。数年後にTriton2も出ている(ITmediaの記事)。採用して商品化するメーカーもあったらしいが、もうどこにも姿は見えない。
E Ink TritonのYouTube動画:


Print-Color ePaperは昔のTritonの改良版といった感じなのではなかろうか。

Connected Ink 2019の発表資料のPDF画像をもう一枚。
E Inkカラーディスプレイの今後の目標を説明しているが、そこに初のカラーディスプレイだったはずのTritonの名前はない。Eink10 

ACePの"G1 10 Sec"というのは、「第1世代、10秒」か。10秒というのは描画速度? それが「2.8秒」になり、今後の「第2世代では、1秒以内」を目標にする、ということだろう。
Print-Color ePaperのほうは、描画は現時点で「0.35秒、6インチ300dpi、10.3インチ226dpi」だが、これからは「0.3秒以内、発色を改良するのが目標」という感じか。

というわけで、カラーの電子書籍端末といっても、クオリティーにはあまり期待しないほうがいいかも・・・?
現行のモノクロ電子インクに光を当てて反射させるわけだから、発色はよくなさそう・・・これはもちろん素人の感想。KindleやKoboで使われているCartaディスプレイはどう見ても灰色で、紙のように白くはない。反射光もくすむのではなかろうか・・・? カラーフィルターが新しくなっているというが、どの程度のものなのだろうか。

では、ACePがあるのに、なぜまた(成功しなかったTritonみたいな)カラーフィルター式のカラーディスプレイが出てきたのか?
参考になるのは、今年1月のICCE 2020(IEEE International Conference on Consumer Electronics )での E Inkの Johnson Leeのスピーチ。YouTubeに動画がある。
ACePは新聞レベルで、カラー雑誌のレベルにはまだ達していないので、努力中だみたいなことを簡単に言って、Print-Color ePaperの話に移っていくあたりから再生。


ACePは読書やノート用の端末としては遅すぎて使えない。そこでPrint-Color ePaperの登場だ、という話らしい。中国では教科書のデジタル化を進めて、今後10年で生徒に紙の教科書ではなく、端末を持たせる計画があって、表示のクオリティーを落としても、動画も見られる端末が欲しいという要望があるのだ・・・というようなことをたぶん言っている。(さらに補足すると、Print-Color ePaperではペン入力が可能。学校で使うならノートを取れるほうがいいはず)


というわけで、今後の注目点はamazonやkoboの動きだろう。カラー化を目指すのかどうか。Booxみたいな小さなところは何か動きがある?

the-digital-reader.comあたりは、amazonがPrint-Color ePaperを気に入っていたら、金に物を言わせて独占使用権でも得ていたはずだ、みたいな想像をしている。天下のamazonが中国の弱小企業に遅れを取るわけがない、と。それにカラーにはClearInkという別の選択肢もあるし、amazonがずっと前に買収したLiquavistaだってこっそりと開発を続けているかもしれない、とも言っている。

いずれにせよ、これから発売される端末の実際の出来次第か。中国で評判がよく、売れるようだったら、amazonやkoboもカラー化に向かう?


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2020年3月 7日 (土)

Kindle: 5.12.4に暗雲が・・・アメリカでは5.12.3に巻き戻されている

前回話題にしたKindleのアップデート5.12.4だが、問題が発生したのか、アメリカのamazon.comでは引っ込められている。

amazon.comのアップデートダウンロードページでは、5.12.3に戻っている。

ライブラリが見えなくなる問題が発生しているらしい。そのせいで巻き戻されたのではないかと言われている模様。
amazon.comのforumのスレッド"Kindle Paperwhite 7th Gen will not display my library or my home screen. Any ideas?" やmobilereadの"Help! Paperwhite library suddenly invisible"で話題になっている。

日本のダウンロードページではまだ5.12.4のまま。ダウンロードできるようになっている(2020/03/07現在)。
さて、今後どうなる?

-- 追記((2020/03/18) --
5.12.4が復活している。
新たにダウンロードして確認してみたが、前にダウンロードしたものとMD5チェックサムが同じだった(第10世代のPWで確認)。というわけで、中身に変更はない。けっきょく元の5.12.4そのままで行くってことにしたわけか。
-- 追記おしまい --

第10世代のPaperwhiteは5.12.4に手動でアップデートしたが、とくに問題は出ていない。古い世代のKindleで問題が発生しているという話もあるらしい。

すでに対処法も出ているようだ。
Kindleの登録を解除して、再登録するとよいらしい。
上記リンクのamazon.comのforumに、アマゾンのサポートから対処法を教えてもらったというポストがある。それをそのままmobilereadのスレッドが引用してる(こちらを参照)。

簡単に言うと、以下の手順で。
・「設定」画面の「マイアカウント」から「端末の登録を解除」。
・Kindleを再起動
・Kindleを登録し直す
本はダウンロードし直し。

Kindleはファームウェアのダウングレードができない作りになっているので、5.12.3を手動でダウンロードしたところで、インストールできないし、WiFi経由での自動アップデートで5.12.3に勝手に戻ることもないと思う。

5.12.4で問題が出ている場合は参考までに。



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2020年2月21日 (金)

Kindle:アップデート 5.12.4は期待できるかも??

ひさしぶりにKindleでおもしろい話がでているので、書いておく。

FWのアップデート5.12.4はすでに日本でもダウンロードできる状態になっている。
アマゾンのソフトウェアアップデートのページはこちら

◎更新内容
日本のリリースノートを見ると、

バージョン5.12.4 – 2020年2月
変更点:
パフォーマンスの改善、バグ修正、その他の機能強化。

ところが、アメリカamazon.comのリリースノートでは、

Version 5.12.4 – February 2020
Here’s what's new:
Aa Menu: Over the next couple of weeks, you will see an
updated Aa menu that makes it easier to access all font, layout and reading options without leaving your book.

Performance improvements, bug fixes, and other general enhancements.

と、より詳しく書かれていて、なにやらAaメニュー(フォント)の改善がある模様。
本を閉じなくても、Aaメニューでフォントやレイアウト、読書オプションへのアクセスができるようになるとか・・・。(数週間後には、と書かれているので、手動でアップデート後すぐに変更されるのではなく、ネットに繋いでいればそのうち変更される、ということだろう)


Aaメニューの変更だけなら大きな話題でもないが、mobileread界隈でちょっと話題になっているのはこのリリースノートにも書かれていないこと。

5.12.4のFWの中身を覗いてみた人がいて、その発見に注目が集まっている。
the-ebook-reader.comthe-digital-reader.comでも記事になっている。この2つのサイトはソースがmobileradだと明示しているが、あいかわらずgoodereader.comはソースを示さないという横暴ぶり。

mobilereadのこのポストを参照。

・Options to control features like "Popular Highlights", "Word Wise", and "PinYin" moved to the Aa menu.
・Contrast setting with 5 choices: -2, -1, 0, 1, 2
・"Set the cover of the title you are reading to appear on your lock screen" (It's about time!)

最初の「ポピュラー・ハイライト」などがAaメニューに入る、というのはいいとして、あと2つが目を引く。

ひとつめはコントラストの調整。
5段階に調節可能。これはフォントのウェイト(太さ)とは別物だろう。ガンマ値の調節か。たぶん濃淡の変化をつけられる。KindleやKobo上で動くKoreaderにはすでに実装されているので、あってもおかしくはない。

もうひとつは、読んでいる本のカバーをスクリーンセーバーにする、というもの。
Kindleのスクリーンセーバーは評判があまりよくないので、選択肢が増えるのはいい。これまではjailbreakしなければできなかった。とはいえ、Koboでははじめから本の表紙はスクリーンセーバーにできたし、隠しオプションだが、好きな画像をスクリーンセーバーにすることもできるようになっている。

これらの変更を実際に目にした人はまだいないが、コントラストの調整ができるようになるとしたら、嬉しい機能追加になる。Blutetoothまわりの機能は日本語環境ではブロックされて使えなかったりするが、そんなことがないように願うのみ。日本のリリースノートに言及がないのがちょっと気がかり・・・。

◎jailbreak関連
5.12.4でもjailbreakは生き残る。Kindle Paperwhite(第10世代)で確認した。
ただし、5.12.以降は自動アップデートのブロックが有効かどうか不明なので、jailbreakをどうしても保持したい場合には5.11.xにとどめておいたほうがいいとのこと。

5.12.4用のhotfixもアップされているが、KUALが起動してくれなかったので、こちらの対処法を適用した。KUALが起動しなかったら試してみることをおすすめする。もちろん、KUALを含め、すべての*.binファイルは再インストールの必要あり。

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2019年6月20日 (木)

Kindle: Oasis新モデル第10世代発売

新しいKindle Oasisの発売だそうだが、ぱっと見た感じではマイナーアップデート。

◎スペックなどはアマゾンの製品ページでどうぞ。
すでに予約は開始している。
発売日:7月24日
価格:旧モデルと変わらず?(アメリカやイギリス、ドイツなどでは旧モデルと同じ値段と言われているので、たぶん日本も?)

プレスリリース
「新しいKindle Oasisは、7インチの大画面ディスプレイや防水機能といった、多くのお客様から大変好評である仕様を前世代から引き継ぎながらも、さらに良い製品へと進化しています。今回のモデルから新たに追加された色調調節ライトを利用することで、お客様はお好みに合わせて、表示画面を暖かみのある色調に調整でき、昼夜問わず読書をお楽しみいただけます。・・・」(以下略)

◎新モデルのポイント
色温度の調節ができるようになったこと。旧モデルとの最大の違いがこれ。画面を黄色っぽく(アマゾンは何やらカッコつけて「アンバー」と言っているが)できるというもの。
これはアマゾンでは初登場だが、新しい技術でも何でもない。むしろ何をいまさら、というのが正直なところ。色温度調節はkoboが世界に先駆けて端末に追加した機能だし、今ではtolinoだろうがPocketBookだろうが、Barnes & Nobleだろうが、どこのメーカーでもつけている。数年遅れでアマゾンが追従しただけ。koboでは現ラインナップの一番安いClara HDにもついているものにすぎない。もちろん、一日の時間帯に応じて色を変えるなんてのも、当たり前。

アマゾンは頑固なところがあって、他社がディプレイを大きくしてもずっと6インチにこだわったり、防水もなかなかつけなかったりしていたが、今回の色温度も同じ。

というわけで、ただのマイナーアップデートという印象。色温度調節なんて他社が何年も前から使っている技術だし。

◎もう細かくスペックを見ると、
・ディスプレイ:7インチ、300ppi(旧モデル第9世代と同じ)
・外形:フラットベゼル、左右で厚さが違う形状で、ページ送りボタン付き
・ストレージ:8GB/32GB(旧モデルと同じ)
・防水:IPX8(旧モデルと同じ)
・サイズ:159 x 141 x 3.4-8.4 mm(たぶん旧モデルと同じ)
・重さ:188g(旧モデルは194g)
・バッテリー:最大6週間利用可能 (明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合)
 (旧モデル:数週間。明るさ設定10、ワイヤレス接続オフ、1日30分使用時)
・フロントライト(LEDの数):25 (旧モデルは12)

見た目は旧モデルと変わらないので、たぶん筐体は使い回しか?
LEDの数が倍以上に増えているが、これは色温度調節のためだろう。koboなどは白のLEDの間に色付きLEDを配置することで、色を調節している。旧モデルの12個から約2倍の25個に増えたのはそのためと考えれば不思議ではない。

◎アマゾンのスペック表にない情報
・ディスプレイ
上記プレスリリースにある「新しいKindle Oasisは最新のe-ink技術を採用し、より速いページめくりにも対応しています」についてだが、techcrunch.comによれば、
"There’s also a new generation of E Ink tech, which maintains the same resolution as before, but should offer an increased refresh rate, resulting in faster page turns."
techcrunchの日本語ページでは「またEインク技術も次世代へと移行しており、解像度は変わらないがリフレッシュレートが向上し、より素早いページめくりが可能となっている」とのこと。

この「新しい世代のE Ink技術」、「次世代に移行」した「Eインク技術」なるものの詳細は不明。現行はE Ink Cartaだが、それとは違う新しいものなのか、あるいはCartaをチューンアップしたとかそういうことなのか?

・バッテリー少し増量?
こちらはtechrader.comの情報。
"Amazon has now clarified that the new Kindle Oasis features an upgraded E Ink technology that can help the page load quicker and the battery is slightly bigger too at 1130mAh compared to the last-gen device's 1000mAh."

旧世代の1000mAhから若干増えて、1130mAhになった、と言っている。アマゾンのスペック表でバッテリー持続時間が「最大6週間」に増えたのはそのせい? ここでも「アップグレードされたE Ink技術」云々がある。

・プロセッサ
旧モデルと同じだという返答をアマゾン担当者からもらった、と言っているのが、cnet.com
"An Amazon rep confirmed that the processor in the new Oasis is unchanged, but the company is pledging that the new model offers somewhat faster performance. "The new Kindle Oasis introduces the next and improved generation of e-ink, which is faster in common customer scenarios such as getting back into your favorite book from Home or Library, looking up a word, and launching Settings, among others.""
プロセッサは変わらないが、処理速度は上がっている。それは「次世代の改良されたe-ink」を導入したからだ」、みたいな内容。
プロセッサは旧モデルと同じなら、i.MX7 Dualのはず。


いくつか記事を読んで、目に止まったのはこんなところ。もちろん買う予定はない。
色温度はkoboで知っているのでもはやどうでもいいが、「新しい」E Inkのパネルの正体が気になる・・・。

 

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