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2019年10月

2019年10月20日 (日)

ドイツのtolinoの新モデルはkobo化

ドイツtolinoの新モデル発表。
Kobo Libra H2OとKobo Formaがそのままラインナップされている感じ。

Tolino_2019_20191020214901

端末を作っているのは今ではkoboなので、不思議な話ではない。ハードウェアを一本化したほうがコストがかからないのだろうし。
去年まではドイツ・テレコムの遺産が引き継がれていたが、今年はあきらかにkobo化している。
tolino vision 5はLibra H2Oだし、tolino epos 2はFormaにしか見えない。

ただしソフトウェアは従来通りのandroidベース。
誤解がないように言っておくが、あくまでもandroidをベースに作ったソフトウェアであって、androidアプリを好きにインストールできるようなものではない。中国のandroidを使ったE Ink端末みたいなものを想像するのはまちがい。

以前もどこかに書いたが、日本では楽天がtolinoを買収したみたいに言われたりもするが、tolinoからドイツ・テレコムが抜けて、koboがその後釜におさまっただけのこと。買い取ったのはドイツ・テレコムの持ち分であって、tolino全体を買収したわけではない。

tolinoはHagendubelやThaliaなど複数の書店と、端末やクラウドやらネットワークやらの技術開発・維持を担当するドイツ・テレコムの連合体だったが、数年前にドイツ・テレコムがtolinoから抜けて、代わりにkoboが技術開発部門の担当になった。

それを機に、以前からドイツで展開していた自社のkoboストアは店じまい。
元々amazonやtolinoの足元にも及ばなかったkoboストアを捨ててtolinoに参加、つまりは、名を捨てて実を取ったのかもしれないが、koboブランドとしてはドイツでは敗北したと言ってもいい。

koboは言ってみればインフラ担当で、電子書籍を売っているわけではない。koboはドイツで電子書籍を売るのをあきらめたということ。
書籍の売り上げはtolinoに加盟しているそれぞれの書店のもの。tolinoが書店の連合体なのでそうなるほかはない。

日本人にわかりにくいのは、tolinoというストアは存在しないというところか。書店の連合体がtolinoという一つの電子書籍書店を立ち上げたのではない
tolino加盟の書店がそれぞれ自分のストアで電子書籍を売っている。だから、端末も買ったそれぞれの書店に紐付けられる。ただし、クラウドは共通なので、別の書店から買った本でも読めるという仕組み。こういうふうに書店同士で手を組めるのは、ドイツでは電子書籍も固定価格制になっているからだろう。このあたりは日本の電子書籍と事情が違う。

紙の本の売り上げが減る覚悟をしてでも、書店が電子書籍を売る決断をし、連合を組んだというところが、tolinoの強みだろう。そうしないとamazonに食われるという危機感があったらしい。本屋で電子書籍端末が紙の本といっしょに売られているというのは、日本ではちょっと考えられないが、読書をする側としてはそれがむしろ自然。本を読むための道具なんだから。

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2019年10月 5日 (土)

Kobo: FW4.18.13737 アップデート

FW4.16.xxxとFW4.17.xxxでの和書のフォントのまわりのバグは直ったようだ。あと大きなポイントとしては、forma限定でDropboxサポート。

と嬉しいニュースなのだが、今のところ日本では配布されていない。待っていても自動アップデートは来ないかもしれない。
kobo本社がせっかくバグを直しても、楽天は日本のユーザーに提供しない。いつものことだが、さすがは楽天。
-- 追記 --
日本にもアップデートが来たようだ。
日本にはFWのアップデートが提供されない時期があっただけに(たとえばpocketサポートのFWはずっと日本には来なかった)、一安心。
-- 追記おしまい --

和書のフォント・バグ修正、forma限定Dropboxサポートの他に、地味に嬉しいのが、隠しフォルダが再び使えるようになったこと。koreaderやらの隠しフォルダの中身がライブラリに出現したりしなくなった。あと、ランチャーも動いた。

というわけで、FW4.17.xxxはちょっと使えないが、最新FW4.18は使えそう。


◎FWダウンロード
いつものKobo Firmware Downloadsから。

Libra H2Oで和書のフォント・バグをなんとかしたい人やformaでDropboxを使いたい人は手動でアップデート。あとは4.16以降の新インターフェースを試してみたい人も。

アップデート方法:
・自分のモデルにあったFW(kobo-update-4.18.13737.zip)をダウンロード
・kobo-update-4.18.13737.zipをPCの適当な場所で解凍
・その中の、KoboRoot.tgz、manifest.md5sum、upgradeを、kobo端末の.koboフォルダにコピー
・USB接続解除、ケーブルを抜く
これでおしまい。

手動アップデートはどうしてもいやだというなら、affiliateを書き換えてもいけるはず。
kobo端末の、.kobo/affiliate.conf を書き換える。
 affiliate=RakutenBooks
になっているので、RakutenBooksをbetaとかwalmartcaとかに書き換える。そうすれば、RakutenBooksとは別のサーバーからFWがいずれ降ってくる(はず。いつも手動でアップデートしてしまうので、試したことはない)
上記ダウンロードページの"Other Affiliates"をクリックしてみれば、何に書き換えたらいいかわかる。ついでに、rakutenbooksつまり日本だけ最新FWになっていないことがわかるだろう。


◎リリースノート
4.16.xxxと4.17.xxxから変わっていないので繰り返さない。以前の記事参照。

ただ、formaのリリースノートにだけ、

Dropbox
Kobo Forma では、電子書籍などのファイルをDropbox 経由で簡単に追加して読めるようになりました。
・Dropbox でRakuten Kobo フォルダにファイルを追加し、Wi-Fiに接続したKobo Forma上で同期を行います。
・メニューアイコン [≡]をタップし、[Dropbox]を選択します。
・詳しくはKobo ヘルプページをご確認ください。 

という記述がある。
日本に4.18.13737が来るのかどうかわからないので、楽天にヘルプページがあるのかはわからない。
Dropboxの設定の仕方は本家kobo.comのヘルプページ参照。
formaは持っていないので、あとはformaユーザーにまかせる。とはいっても、FWを手動でアップデートする人もいないだろうけど・・・。


ランチャー
FW4.17.xxxでは起動しなかったが、今回のFWでは動いた。glo、aura、gloHD、claraHDでは確認した。
もちろん、Libra H2Oは本家ランチャーが対応するまでは動かない。


◎パッチ
Instructions for patching firmware 4.18.13737
名前が変わったパッチもあるので注意を。

今回のパッチでおもしろいのは、Kobo eReader.confで設定していたものもパッチでできるようになったこと。ファイルをエディタで書き換えるのとパッチをあてるのと、どっちが楽かは人それぞれかも。
具体的には、libnickel.so.1.0.0.yaml内の、FeatureSettings - 、PowerSettings - 、DeveloperSetting - で始まる各パッチ。

あと、Dropboxサポートをforma以外でも使えるようにするパッチは出ないと思われる。パッチ作者本人が出さないと言っているので。


koreader
大丈夫だろう。が、KFMonは最新版にアップデートしたほうがいいかもしれない。あるいは、One-Click Install PackageでKFMonもkoreaderも最新版に。
Libra H2Oはnightly buildsならひょっとしたら。mobilereadのProblem installing Koreader on Kobo Libra H2O のスレッド参照。そのうち正式にサポートされそう。


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