koreaderはDropboxをサポートしている。せっかくの機能なので説明を。それから、直接kobo端末からNAS、ネットワークハードディスクに置いた本をダウンロードする方法も。
koreaderのインストールについては、こちらの記事を参照。koreaderの起動にはKFMonを。koreaderとKFMonは最新バージョンに読み替えてインストールを。
ダウンロード:koreader最新版
ダウンロード:KFMon最新版
zipファイルを場所を指定して解凍する、フォルダを指定の位置にコピーする、インストールといってもそれで終わる。
◎Dropboxを利用する
koboの体験版アプリのブラウザでDropboxのサイトにアクセスしてダウンロード、というのが一般に知られているやり方だが、最近はできなくなっているかもしれない。いつだったかのFWで直ったという話もあったが、ブラウザは体験版アプリで、正式サポートされているわけではない。koreaderのほうが確実だろう。
では、設定手順。
1. Dropboxのサイトで、koreaderからアクセスできるようにするためのトークンを作成する
1) https://www.dropbox.com/developers/apps に行って、Dropboxのアカウントでログイン。
"Create app"ボタンをクリック
1. Choose an API
-> "Dropbox API"を選択
2. Choose the type of access you need
-> "App Folder" を選択。("Full Dropbox"でもいいのかどうかはわからない)
3. Name your app
-> App nameを入力。koreaderでも何でも。
そして、利用条件を受け入れるかみたいなところのacceptにチェックを入れて、
"Create app"をクリック。
2) 画面が遷移したら、"Generate access token"の下の"Generate"ボタンをクリック
できあがったアルファベットと数字の長い羅列がトークン。これを控えておく。
以上は、設定メニューの「クラウドストレージ」 > 「新しいクラウドストレージを追加」 > 「クラウドストレージの種類を選択」 > 「Dropbox」 > 「Dropboxアカウントを追加」画面に進み、「情報」をタップすると出てくるもの(英語)。
2. koreaderでの設定
koreaderアイコンをタップして起動。メニューのツールアイコン(スパナとドライバーがX字に交差しているやつ)から、「クラウドストレージ」を選択。
そして、「新しいクラウドストレージを追加」 > 「クラウドストレージの種類を選択」で 「Dropbox」 を選択すると、「Dropbox アカウントを追加」の画面が出る。
ここで「あなたのDropbox名」にDropboxのアカウント名を、トークン入力欄にさっきのトークンを入力。そして、「追加」をタップ。
これで、"Cloud Strage"画面に、入力したDropboxのアカウント名が項目として追加されたはず。
3. 使い方
WiFi接続をオンにする(しなくても、操作途中でWiFi接続をオンにするかいうポップアップが出る)。
メニューから「クラウドストレージ」を選択、Dropboxのアカウント名をタップすると、Dropboxのサイトで設定したフォルダの中身が見える。ダウンロードしたいファイルをタップ。
すると、「ファイルをダウンロード」か「長押ししてダウンロードディレクトリを選択」のポップアップが出る。
「ファイルをダウンロード」を選択すると、koreaderのホームディレクトリにダウンロードされる。
「長押ししてダウンロードディレクトリを選択」をタップすると、ファイルマネージャーの画面に戻るので、ダウンロード先にしたいフォルダを探して、長押しする。するとまたポップアップが出るので今度は「ダウンロード」を選択。以後はそこがダウンロード先になる。
ダウンロードが終わると、すぐ読むか?というポップアップが出る。
説明おしまい。
koreaderではもちろんepubの日本語縦書表示はできない(横書表示になる)が、それ以外のファイルは快適に読める。koboはkepub以外のファイル形式についてはいい加減で、txtファイルすら日本語は文字化けする。koreaderならtxtファイルの日本語も文字化けしないし、pdfなどはkobo本来のソフトウェアと使うよりずっと快適。ページめくりは速いし、余白の自動カットもある。
◎Dropboxからダウンロードしたファイルをnickel(kobo本来のソフトウェア)で読むには?
Dropboxからダウンロードしたらkoreaderで読んでしまえば問題ないが、koreaderを終了させて、nickel(ホーム画面)に戻ると、ダウンロードしたファイルはどこにも見あたらない。もちろん、そのままではkobo本来のリーダーでは読めない。
どうすればいいかというと、USBケーブルでPCと接続、ポップアップウィンドウの「接続」ボタンをタップ、そして、USB接続を解除/ケーブルを抜く。そうすると、例の「コンテンツを処理しています・・・」の黒い画面になり、ファイルがライブラリに登録される。それでようやく読めるようになる。
これがkoboの面倒くさいところ。Dropboxからダウンロードしたファイルにかぎらず、たとえば、Calibreの無線接続で本を転送したり、kobo端末のftpサーバーを有効にして本を転送したりすると、koreaderでは何もせずに読めるが、kobo本体のほうはUSBケーブルを一度つながないと本が読めない仕組み。だったら、はじめから有線のUSB接続でPCから送るよ、ということになる。
だが、USB接続をシミュレートする方法は昔から知られている。それをスクリプトにしてKFMonで実行すれば、USBケーブルなしで、ファイルをライブラリに登録できる。が、その前にNASの設定を。
上の画像でもわかるが、koreaderはクラウドストレージとして"Dropbox"の他に"FTP"も利用できる。ftpサーバーを使う人がそんなにいるのだろうかと思ったが、NAS、ネットワークハードディスクで使えるのかと思いあたって、納得。
◎kobo端末でNAS(ネットワークHDD、ただしFTP対応機種)にある本をダウンロードする
誤解のないように言っておくと、これはftpによるファイルの転送であって、NASにある本をダウンロードなしで直接読むものではない(smb/cifs、マイクロソフトのファイル共有ではない)。ftpに対応していないNASにはアクセスできない。対応しているなら、ちょっとNASから直接端末にダウンロードしたいな、という時には使えるだろう。
1. NASでの設定
製品によって設定方法が違うので、NASにアクセスして各自で設定を。ftpの設定項目がないならサポートされていないのかもしれない。製品仕様、マニュアルなどで確認を。
・ftpを有効にする
・ftpで共有する(?)フォルダを指定
・その利用を許可するユーザー名とパスワードの設定
というようなことが必要。
2. koreaderでの設定
koreaderアイコンをタップして起動。メニューのツールアイコン(スパナとドライバーがX字に交差しているやつ)から、「クラウドストレージ」を選択。そこから、Dropboxの時とおなじように、
「新しいクラウドストレージを追加」 > 「クラウドストレージの種類を選択」 で「FTP」 を選択すると、「FTP アカウントを追加」の画面が出る。
「あなたのFTP名」: 好きなように。他と区別できればよい。
「FTPアドレス」: NASのIPアドレスでよい。ftp://192.168. .....などのように。
「FTPユーザー名」: NASで設定したユーザー名
「FTPパスワード」: NASで設定したパスワード
終わったら、「追加」をタップ。
これで、「あなたのFTP名」で設定した名称が"Cloud Strage"画面に追加される。
使い方はDropboxの場合と同じ。設定した「FTP名」をタップすると、NASで指定したフォルダの中身が見える。
ダウンロードはファイル一つずつ。フォルダごとのダウンロードなどはできない。
なお、Dropbox、FTPのアカウント、パスワードなどの設定は、kobo端末の.adds/koreader/settings/cloudstorage.lua に保存されている。
◎WiFi経由でダウンロードしたファイルをnickelに認識させる(ライブラリにインポートする)
上で説明したように、WiFI経由で本を端末にダウンロードしただけでは、nickelはライブラリにインポートしてくれない。有線のUSB接続、接続解除が必要。そこで、KFMonでUSB接続をシミュレートするスクリプトを実行、その手間を省く。
ダウンロード: trigger_import.zip
○インストール
trigger_import.zipを解凍する。その中のextract_to_kobodevice.zipをPCにつないだkobo端末(ドライブの一番上)に解凍する。それで必要なファイルは端末に配置される。USB接続を解除すると再起動する。"Trigger for importing books"というアイコンがライブラリに入っているはず。
○使い方
koreaderの起動と同じ。アイコン(Trigger for importing books)をタップ。
すると、画面にUSBケーブルでPCにつないだ時のポップアップ・ウィンドウが出るので、「接続」ボタンを押す。あとは待っていれば接続が解除されて、コンテンツの処理が開始される。
が、FW4.10.11591にアップデートしている場合は、kobo端末の.kobo/Kobo/Kobo eReader.confに、
[DeveloperSettings]
AutoUsbGadget=true
を追記して、再起動しておくのを推奨する(以前の記事参照)。「接続」ボタンを自分で押す必要もなくなる。ただ、再起動後一回目はうまくいかないかもしれない(USB接続のポップアップが出てしまう)。2回目以降は大丈夫。
それの以外のFWでは、ここのFBInkを追加インストールすれば、「接続」ボタンをスキャンして自動で押してくれる。自分で押すならインストールしなくてもかまわない。
◎逆にkoreaderだけで読めればいい、むしろkobo本来のリーダーでは読まない、ライブラリに登録したくない場合
これはとても簡単。先頭に.(ドット)をつけたフォルダを一つ作って、そこに本を置けばよい。.(ドット)をつけると隠しフォルダになるので、nickelはそのフォルダを無視する。もちろん、koreaderではメニューの設定で隠しフォルダを表示させるようにすること。