ドイツ語多読本: Chris Haughton: Pssst! Wir haben einen Vogel
静かに、という時は「シッ」と言ったりする。"Pst"。長く伸ばすと"Pssst!"。「シーッ」。
Chris Haughton: Pssst! Wir haben einen Vogel
104語
静かに、という時の身振りは日本と同じらしく、人差し指を立てて口の前に。
4人並んでいるが、大きくなるほど、顔も鼻も大きくなる、いかにも絵本のキャラクター、あるいは人形のような姿がコミカル。
なぜ「シーッ」なんてポーズをしているかというと、表題にもあるように鳥を捕まえようとしているからだ。一番小さいやつだけポーズを取っていないのは・・・。
背景のブルーからもわかるように時は夜、森の中。鳥を発見する4人組。「見ろ、鳥だ」。
だいたい一番小さいやつが間抜けなことをすることになっていて、「やあ、鳥さん」なんて声をかけてしまう。そこで残りの3人は「シーッ」。
抜き足、差し足、忍び足、とばかりに鳥に近づき、一番準備よし、二番準備よし、三番準備よし、と位置につく。そして「行け」と同時に飛びかかる。が、失敗。鳥はすました顔で逃げていく。
今度は木の高いところに鳥を発見。次は三番目に小さいやつが先頭になってチャレンジ。で、また一番小さいのが「やあ、鳥さん」・・・。
と、王道のパターン展開。それで、間抜けな一番小さいやつが最後は手柄を立てたりする、なんてのも児童書では王道の展開だなと思わせておいて、ひとひねり・・・気持ちよく予想を裏切ってくれる。ヒッチコックの「鳥」と言ったら言いすぎだろうが、連想してしまった。
話も絵もシンプルでわかりやすい。鳥に近づいて行く時、跳びかかろうとする時、失敗してぶつかりあったりする時など、それぞれの体の動きも見ていておもしろいし、絵で文もわかるはず。たとえば、schleichenという動詞は、鳥を捕まえようと近づいて行く時の脚の運び方なんだとわかる。そういう時どう体を動かすのかという感覚を通して言葉を知るべきであって、訳語で覚えようというのは心が貧しい。
| 固定リンク
« ドイツ語多読本: Tomoko Ohmura: Bette anstellen! | トップページ | ドイツ語多読本: Haruo Yamashita / Kazuo Iwamura : Abenteuer am Meer. Sieben kleine Maeuse gehen baden »
コメント