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2017年11月

2017年11月25日 (土)

Kindle : Oasis(第9世代)、プロセッサなどのスペック、jailbreakなど・・・

Kindle Oasis、そろそろレビューも出なくなったし、mobilereadあたりのfirst impressionスレッドも落ち着いてきた。allesebook.deのテストを待っているが、なかなか出てこない。とりあえず、確認できたことを。

◎スペック
基本スペックはアマゾンの商品ページを参照。
https://www.amazon.co.jp/dp/B06XCWJJMN

以下はそれ以外の情報。

○プロセッサ
すでに配布されているFW5.9.2の中身から判明しているが、jailbreakも進んでいるらしく、端末から直接情報も得られている。
・FWから得た情報は、mobilereadの"New Oasis 9th Gen Model numbers and other packaging info"スレッドを参照。"imx7d"はi.MX7dualだろう。

また、同スレッドに、端末に残されていたログファイルも挙げられている。そこには"Freescale i.MX7 Dual"とある。

・端末から直接得た情報
ここにcat /proc/cpuinfo の結果
"Hardware :  Freescale i.MX7 Dual" とはっきりと見える。

というわけで、プロセッサはまちがいなくデュアルコアのFreescale I.MX7 Dual(昔のプレスリリース)

電子書籍端末で現在一般に使われているi.MX6 Soloをはじめて採用したのが2013年の第6世代Kindle Paperwhite。それ以来のプロセッサのアップデート。

動作速度がアップしたという声が多いようで、やはりプロセッサ変更のせいか。

○バッテリー
こちらはプロセッサのようにはっきりとは言えないが、1000mAhという情報がある。
・golem.deのレビュー: "Neuer Kindle Oasis im Hands on"

Wikipediaの"Amazon Kindle"の記事でも1000mAhとされている("Power"のリスト参照)。

VoyageやPaperwhiteの1320mAhより小さい。OasisはLEDの数も12個に増えているし、電力は食うはず。だが、幅3分の1の狭い範囲にすべてを詰め込む、あの独特の形状からして、大きなバッテリーは積めない気がする。バッテリーの小ささはOasisの宿命かもしれない。

○ディスプレイ
ディスプレイはやはり個体差があるので、一概に言えないが、mobilereadの"Got my new Oasis today, first impressions"スレッドをざっと見た感じだと、不満は少ないようだ。とくにLEDの光源がコーン状にディスプレイに見えたりする現象は皆無のようだ。全体的に画面は他のモデルより黄色みが強いらしい。

ただ、Voyageなどのほうが文字が黒く見えるという報告もある。
また、LEDの光源から離れるほどディスプレイが黄色っぽくなるのは、kindleではもうお馴染み。交換したという人もちらほらいるので、気になるならアマゾンに聞いてみたほうがいいかもしれない。
たとえば、このポストの画像ここのVoyageとの比較画像papierlos-lesen.deのレビューの画像を見ても、光源からは離れた側(ボタンがある方から離れた側)が黄色く見える。が、暗い場所でライトを強めにすると目立つかもしれないが、普通に明るい場所で使っている分には気にならないか、目立たない気はする。かつてのVoyageほどはひどくないようだ。


◎jailbreak
新Oasisのjailbreakはできているようだが、まだ実験段階のようで公開はされていない。PMで個別に応対している模様。

一応注意しておくと、ファームウェアのアップデートはしてはいけない、という警告が出されている。アップデートして5.9.2にしてしまうと、jailbreakできなくなる。
mobilereadの"PSA regarding possible jailbreak for 7" oasis - DO NOT UPDATE "参照。

具体的な手順などは
https://github.com/knc1/KOA2_Jailbreakに書いてある。

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今のところOasisを買うつもりはないが、3年使っているVoyageのバッテリーに不安を感じ始めたので、今後はどうしたものかなあ。いまさらでかい、重い、厚いの三重苦のPaperwhiteに戻るのは嫌だし・・・。個人的にはOasisで評価できるのはプロセッサの変更ぐらい。防水も7インチも調光センサーもいらないし、フラットならボタンもなくてかまわない、と思っているぐらいだから。

 

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2017年11月17日 (金)

Kobo: FW4.6.10075アップデート

いまひとつよくわからないアップデートだが、とにかく4.6.10075。

◎ダウンロード
https://wiki.mobileread.com/wiki/Kobo_Firmware_Releases
自分のモデルがMark3、4,5,6のどれなのか確認してからダウンロードを。
インストールはFWのzipファイルを解凍したら、その中身を全部、.koboフォルダにコピー、USB接続を解除、再起動、でおしまい。


◎更新内容
mobilereadのスレッド"Firmware 4.6.10075 "を見るかぎりでは、日本限定っぽい。
リリースノートも日本語。

いつものdavidforさんのコメントによると、4.6.10075は本日(11/14)「Rakuten-affiliatedのデバイス」にリリースされた、とベータ版テスター向けのメッセージがあったとのこと。
「おもに日本語の読書体験に固有」のフィックスと「ストアのいくつかの変更」、だそうだ。
それ以外のaffiliate向けにアップデートがあるかどうかkoboはコメントしていない、だそうだ。davidforさん自身はないだろうと言っている。

「Rakuten-affiliatedのデバイス」というのは、.kobo/affiliate.confでRakutenBooksに設定されている端末。つまりは日本向け。4.6.9995は日本に配信されたかどうか知らないが、今回は自動アップデートがありそう。すでにglo、auraHDと(旧?)H2Oは公式リリースが確認されている。他のモデルにもそのうち来そうな感じ。


とりあえずアップデートしてみたが、何が変わったのかはよくわからない。
日本語関連の変更があったらしいが、行間・余白の調節やフォントの詳細設定(太さの調整)ができるようになったわけでもないし、国語辞典で単語選択ができるようになったわけでもない。日本語の書名その他の並べ替えがまともになったわけでもない。
あいかわらずマンガは毎ページリフレッシュだし、見開き表示も不可。何が変わったのやら。

タッチの反応やページめくりの速度は4.5.xxxから4.6.に上がった段階で向上している。4.6.9995(日本でリリースされたか不明だが)と今回の4.6.10075では大きな違いがあるとは思えない。

以前の4.5.xxxxから4.6.xxxxへアップデートでは大きな変更がいろいろあったので、今回はじめて4.6に上げた人は前の記事を参照。


◎パッチ
Instructions for patching firmware 4.6.10075
あの無意味なヘッダーとフッターを縮小するパッチ、ではなければ、フルスクリーンのバグフィックス・パッチあたりは必須だろう。


ランチャー
gloHDでの4.6以降の画面回転問題はまだ続いている。KSMでも画面が180度回転してしまうなどの問題があった模様。何かFWがおかしいんじゃないだろうか。
v0.6でランチャーが正常に終了しない場合は、とりあえず以下の差分をインストールすること。

ダウンロード:KoboRoot.tgz
v0.6用で、FW4.6以降向け。それ以外には使わないこと。

glo(Mark4)と初代aura(Mark5)では問題は生じない。gloHDは修正必須。
他のモデルは持っていないので未確認。連絡があれば対応。

また、v0.6はH2O Edition2では動かない。本家ランチャーは先月対応したので、そのうち更新するつもりではある。


◎Koreader
4.6.10075でも動いている。ただ4.6以降、辞書に問題発生中。
いないだろうと思うが、辞書を使う人はここからsdcv-0.4-built-on-debian-stretch.zip をダウンロードして差し替えたほうがいい。

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aura ONEのコミックEditionの発売日も決まり(12月7日)、すでに予約も開始されている。が、ストレージ増量はいいとして、今回の日本向けFWのアップデートを見るかぎりでは、コミック向けのソフトウェアの改善はなさそうな感じ。馬鹿みたいにマンガに力を入れてソフトウェアを開発してくるkindleとの差は開くばかり。

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2017年11月12日 (日)

ドイツ語多読本: Dirk van den Boom: Die Welten der Skiir 2: Protektorat

2017年ドイツSF大賞、ドイツ語ベスト長編受賞作"Die Welten der Skiir 1: Prinzipat"に続き、第2巻、第3巻とようやく読み終えた。

その第2巻。

Dirk van den Boom: Die Welten der Skiir 2: Protektorat

110,000語

複数の登場人物のストーリーラインを次々に切り替えながら、少しずつ全体像を浮かび上がらせていく語り方はそのまま、第1巻で謎のまま残されていた部分をあきらかにしていきながらも、新たな謎を提示していく第2巻。新たなストーリーラインを担う人物が増えて、とくに最初は全体の関連がつかみにくいけれども、その後はすべてが解明される第3巻へと力強く導いていく。

地球を200年前に「庇護下」に入れたスキイール帝国はPatronat、Prinzipat、Protektoratの3組織のバランスの上に成り立つ。そのうちのPatronatが「破壊者」を使って権力掌握を画策、その陰謀に巻き込まれる主人公たち、そして、ついには「破壊者」がコントロールから逃れて、帝国の各文明の代表団が集まるステーションを襲撃・・。そんな第1巻の続き。

「破壊者」はステーションを破壊、主人公たちを拉致して姿を消す。圧倒的な力を持つ「破壊者」がいつどこで何をしでかすかわからない不安が広がる中、「破壊者」を作ったのはPatronatだという証拠が抵抗組織によって銀河中に公表され、帝国内部は大混乱、艦隊同士が戦闘に突入する内紛状態へ。そんな激動の中、主要人物たちにもそれぞれのドラマが待っている。

地球代表団の大使エーダーは、拉致された代表団メンバー解放を条件に、自分一人残って「破壊者」のスポークスマンになる。「破壊者」には意識があり、ただの破壊兵器ではない。だが、あいまいなほのめかしばかりで何をしようとしているのか明言しない・・・。

他の地球代表団の面々は惑星ペンドアに避難。だが、そこでスキイール内部にまた別の陰謀の臭いをかぎつける。さらに不可解な死亡事件が多発、惑星に異変・・・。

地球では、殺人事件から抵抗組織、謎のアーティファクトの存在に突き当たっていた捜査官マーケンゼンのストーリーが展開していく。その過程でマーケンゼン本人に関する驚くべき事実があきらかになる。
さらに、地球の大統領ディアスは帝国からの自由を目指す方向へ舵を切る。

抵抗組織のメンバーと行動をともにしているアマタ・カントのストーリーでは、スキイールであるにもかかわらず抵抗組織に協力しているらしい科学者クシイーンの指示で、抵抗組織のメンバーは地球に向かう。

と、それぞれの人物たちによる別々のストーリーラインが並行して進んでいくが、実はどのストーリーものは同じ一つのものを動因にしていると言ってもいい。それが第1巻で名前だけは出ていたハッタ。ハッタはスキイールが生まれる以前に存在していた超文明。そのアーティファクトをめぐって、帝国、抵抗組織、地球政府、「破壊者」がそれぞれの思惑を抱えながらドラマを作っていく。

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