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2017年6月

2017年6月12日 (月)

Kobo: H2O Edition2、いつものテスト・レビューはないので実物を店頭で

遅ればせながらKobo aura H2O edition2のレビューについて。

新モデルが出るといつも参考にしているドイツのallesebook.deのテストだが、H2O edition2のテストは出ない。というのは、ドイツで発売されないから。

koboブランドでは売れないと見切りをつけて、ドイツではtolinoに加わったkobo陣営。koboストアは既存ユーザーのサポートのみ、新モデルが出るとすればtolinoブランドとして出るはず。

で、tolinoはandroidベースの端末なので、かりにH2O edition2のtolino版が出たとしても、koboのH2O edition2と同じものと単純に見ることはできないだろう。ファームウェアが別物。

というわけで、今後はkoboの端末のテストはお目にかかれなくなる。

詳しめなのは
いつものPC Watchのレビューぐらいか。楽天「Kobo Aura H2O Edition 2」

比較表の「防水・防塵」ってのはどうなんだろうな。IPX8だから防塵のテストはしていないはず。旧H2OならIP67なんで防塵は6等級だったが、新モデルは数値なしのX。

防水とかナチュラル・ライトProとか個人的にはどうでもいいが、気になるのは、文字が旧H2Oよりぼやけ気味だという指摘。
http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/1061/894/html/61.jpg.html参照。

別のレビューでも同じ指摘がされている。
The 2nd Gen Kobo Aura H2O is Disappointing(新H2Oにはがっかりだというタイトル)。
表示のシャープさが、300ppiのaura Oneに比べて落ちるのは当然としても、同じ256ppiの旧H2Oよりも劣っていると批判。
(ただし、その原因を新H2Oが静電式のパネルになったからではないか、と推測しているが、これは間違い。旧H2Oから変わらず赤外線方式。パネルを指以外の物で触ってみればわかることだから。店頭で実物を触ってみたのでわかる)

ただの個体差なのか、それともパネル自体のクオリティが落ちているのか・・・。

実物を触って自分で確認するのがいいだろう。
楽天の「Touch And Try 楽天Kobo お取り扱い店舗一覧」のページ参照。
現行4機種のどれが置いてあるか、店舗ごとに記載されている。つまり、新発売のモデルの情報もあるから、このページはどうやら更新されているようだ。

うちの近くの店舗では現行4機種全部置いてあった。
さっと持ってみた感じでは、やはり旧H2Oがずっしり重い。あと、aura OneからH2O、aura edition2と大きい順に持ってみると、6インチのaura edition2が意外に重い気がした。まあ、サイズから重さを無意識に予測してしまった結果だろう。逆に言えばサイズの大きいモデルが軽いということか。
6.8インチの新H2OはKindle Paperwhiteとほぼ同じ重さなので、重量的には合格。

実物を持ってみてわかったが、持ちやすさのポイントは個人的には「薄さ」だった。
新H2Oは旧H2Oより薄くなったとはいえ、aura Oneよりもちろん厚い。gloHDよりは薄いが、Kindle Voyageなんかと比べれば、まだまだ分厚い。持ちやすいのは断然Kindle Voyage。
赤外線方式をやめて段差をなくさないと、薄くはならない。

新H2OのLEDの数だが、白が9つ見えた気がした。その間にRGBのLED(カラー)が入るので、LEDの数はaura Oneと同じか? LEDが多ければバッテリーの消費も大きくなる。まあ、ブルーライトカットを使わなければ、RGBのLEDは使われないんだろうが。

koboにはまっとうな6インチがなくなってしまったので、次は代わりにH2Oかなとも思ったが、ppiも落ちるし、持ってみたら薄いaura Oneでもよさそうだったし、どうしたものかなあ。ただ、aura Oneでかいんだよなあ・・・。
防水とかブルーライト・カットとかいらないので、その分ppiとかフラットとか別のところに金を使うか、でなければ、もっと値段下げたモデルを出して欲しいものだが、期待するのは無駄か。

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2017年6月 6日 (火)

ドイツ語多読本: Andreas H. Schmachtl: Tilda Apfelkern. Viel Wirbel im Heckenrosenweg

ひさしぶりにTilda Apfelkernシリーズから。絵本もあるが、これは文字メインのほう。読み聞かせ用の本だろう。対象年齢は4歳から6歳。

どこか丘の間の小さな村、そのHeckenrosenwegに住む教会ネズミTildaとご近所の動物たちの日常をのんびり描くシリーズ。

Andreas H. Schmachtl: Tilda Apfelkern. Viel Wirbel im Heckenrosenweg

20,000語

電子書籍では、Kindle版は日本ではまだ売っていないが、koboのepub版は買える。

いつもの顔ぶれが登場する安心感とともに、冒険やファンタジーではなく日常生活のこまごまを穏やかに描いていくのが特徴のTilda Apfelkernシリーズ。

この巻も、Tildaをはじめ、隣(お向かい?)の樫の木(だったかな)の根元に住むハリネズミのRupert、同じ木の上に住むリスのEdna母さんと双子のBillyとBenny、郵便局に住むネズミのMollyなど、いつもの面々が話の中心。何かあるごとにTildaの家でお茶を飲んだりお菓子を食べたりする、そういう仲間たち。
この巻でWertierchenというやつには初めて会ったが、別の巻ですでに登場しているようだ(Wertierchenの"wer"は、Werwolfの"wer"と同じ? Werwolfは狼男、狼人間)。

一冊で一つのストーリーになっているというより、エピソードを重ねていくタイプの作り。
主なエピソードは、
・牧師が定年退職、新しい牧師とともに教会ネズミがやってきて、Tildaに立ち退きを求める・・・。
・Tilda、自分の家でペンションをやろうとするが・・・?
・今度はEdnaと組んでペンションを・・・。
・Wertierchenのホームシック、彼を故郷に連れて行こうと海に出ていくものの・・・。
・リスのBillyとBenny、小学校入学・・・。
・ハリネズミのRupert、その緑の上着は・・・?
・幽霊の噂、真相を探りに・・・。
・ペンションに商売がたき出現、偵察に行ってみると・・・。

立ち退きを要求してきたネズミが後半意外なところで再登場してきたり、Wertierchenの帰郷失敗が別のエピソードで補いがついたりと、ゆるやかにエピソードをつなげながら、春から寒くなり始める季節までを描いていく。

上の表紙のイラストを見てもわかるが、草木や花、古い田舎の家の様子など、とても雰囲気のある絵柄で、白いネズミのTildaもかわいらしい。絵が気に入ったら、絵本をおすすめする。最近、判型を小さくして値段も安くした新装版が出たようだ。
たとえば、

などは、家の外の自然よりも、代々Apfelkern家が住む古い家の中の生活感が印象的。

小型新装版は他には
 


などがある。語数は1200〜1400語程度、1ページあたりの語数も多めなので、ドイツ語にまだ慣れてない人は覚悟が必要かも。

あと変わったところでは、Tildaは料理が得意ということもあってか、レシピ本まである。

レシピ本としては2冊めのようだ。レシピ本はさすがに読んでない。

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2017年6月 2日 (金)

ドイツ語多読本: Rüdiger Bertram: Coolman und ich (Band 1)

「クールマンとぼく」シリーズ、第1巻。全部で8巻出ているようだ。
児童書、対象年齢は10歳から。第1巻しか読んでいないが、この巻は個性の強い登場人物たちの紹介と学園ドタバタコメディがメインか? とにかく笑える。

文章の間にイラストではなく数コマのマンガの挿入されている。おもしろいのは、イラストのように本文の内容を視覚化しているのではなく、本文の一部になっていること。マンガ部分が本文の続きになっていて、そのマンガを受けて、また本文が続いていく。マンガで主に活躍するのがCoolman。

Rüdiger Bertram: Coolman und ich (Band 1)

25,000語

Kindle版が日本未発売なので、電子書籍がいいならkoboで。もちろん電子書籍のほうが安い。
Kobo版:Coolman und ich Band 1

一本の道を思い浮かべてくれ、スキーのジャンプ台みたいに急な坂だ。次はゴミ収集のコンテナー、ゴムのキャスター付きのやつ。中はヨーグルト容器のゴミでいっぱい。その腐った臭いがしてきたかい? じゃあ次はそこに首までつかった少年を思い浮かべるんだ。坂を下るゴミ・コンテナーはぐんぐんスピードを上げていき、少年は叫び声をあげる。想像できた? OK、それが僕だ。

と、ブレーキがないまま交差点の信号に向かって、なぜかゴミ収集のコンテナーに乗って猛スピードで下っていくバカバカしくも危機的状況と、それを冷静に描写する軽妙な主人公Kaiの語り口。そのギャップがさらに話に滑稽味を付け加える(上の表紙の画像参照)。冒頭を読んだだけで、これはおもしろそうだと思えるはず。

さらにおかしいのは、黒いアイマスクに胸に「C」マーク、スーパーヒーロー的なコスチュームの男がいっしょに乗っていて、どうも面白がっている様子・・・。まるで意味不明だが、これがクールマン。

クールマンは主人公が4歳の時からいっしょにいるらしいのだが、主人公以外には見えない存在。主人公の両親は役者で劇場を渡り歩く生活、引っ越しを繰り返しているため、主人公には友達がいないらしい。それで、同級生とうまく口をきけなかったりと、人と接することに慣れていない様子。そういう時、クールマンが助けてくれる・・・のではなく、クールマンの言うことに耳を傾けたが最後、逆に面倒な事態が発生、ゴタゴタに巻き込まれてしまう・・・。そんなドタバタ・コメディ。冒頭のゴミ・コンテナー事件も実はクールマンの言うことに従ったためだったりする。

Kaiは事件に巻き込まれていくタイプの主人公で、ちょっと内気だがいたって普通の人間。強烈な個性を放っているのはまわりの登場人物たち。たとえば、クールマンに次いで強烈なのは主人公の姉。黒が好きで、着ているものも部屋の壁もカーテンも黒。変人と思いきや、主人公を不良から助けてくれたりもするが、スーパーでレジのゲートを突破しようとしたりと、いろいろ主人公を面倒に巻き込む。

そんな家族や学校でのおかしな出来事、滑稽な状況を、そこに否応なく巻き込まれていく主人公の視点から描いた話で、語り口もおもしろい。しょっちゅう笑わせられるので、すらすら読めると思う。終わり方は次巻に続く、という感じ。

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