ドイツ語多読本: Andreas H. Schmachtl: Tilda Apfelkern. Viel Wirbel im Heckenrosenweg
ひさしぶりにTilda Apfelkernシリーズから。絵本もあるが、これは文字メインのほう。読み聞かせ用の本だろう。対象年齢は4歳から6歳。
どこか丘の間の小さな村、そのHeckenrosenwegに住む教会ネズミTildaとご近所の動物たちの日常をのんびり描くシリーズ。
Andreas H. Schmachtl: Tilda Apfelkern. Viel Wirbel im Heckenrosenweg
20,000語
電子書籍では、Kindle版は日本ではまだ売っていないが、koboのepub版は買える。
いつもの顔ぶれが登場する安心感とともに、冒険やファンタジーではなく日常生活のこまごまを穏やかに描いていくのが特徴のTilda Apfelkernシリーズ。
この巻も、Tildaをはじめ、隣(お向かい?)の樫の木(だったかな)の根元に住むハリネズミのRupert、同じ木の上に住むリスのEdna母さんと双子のBillyとBenny、郵便局に住むネズミのMollyなど、いつもの面々が話の中心。何かあるごとにTildaの家でお茶を飲んだりお菓子を食べたりする、そういう仲間たち。
この巻でWertierchenというやつには初めて会ったが、別の巻ですでに登場しているようだ(Wertierchenの"wer"は、Werwolfの"wer"と同じ? Werwolfは狼男、狼人間)。
一冊で一つのストーリーになっているというより、エピソードを重ねていくタイプの作り。
主なエピソードは、
・牧師が定年退職、新しい牧師とともに教会ネズミがやってきて、Tildaに立ち退きを求める・・・。
・Tilda、自分の家でペンションをやろうとするが・・・?
・今度はEdnaと組んでペンションを・・・。
・Wertierchenのホームシック、彼を故郷に連れて行こうと海に出ていくものの・・・。
・リスのBillyとBenny、小学校入学・・・。
・ハリネズミのRupert、その緑の上着は・・・?
・幽霊の噂、真相を探りに・・・。
・ペンションに商売がたき出現、偵察に行ってみると・・・。
立ち退きを要求してきたネズミが後半意外なところで再登場してきたり、Wertierchenの帰郷失敗が別のエピソードで補いがついたりと、ゆるやかにエピソードをつなげながら、春から寒くなり始める季節までを描いていく。
上の表紙のイラストを見てもわかるが、草木や花、古い田舎の家の様子など、とても雰囲気のある絵柄で、白いネズミのTildaもかわいらしい。絵が気に入ったら、絵本をおすすめする。最近、判型を小さくして値段も安くした新装版が出たようだ。
たとえば、
などは、家の外の自然よりも、代々Apfelkern家が住む古い家の中の生活感が印象的。
などがある。語数は1200〜1400語程度、1ページあたりの語数も多めなので、ドイツ語にまだ慣れてない人は覚悟が必要かも。
あと変わったところでは、Tildaは料理が得意ということもあってか、レシピ本まである。
レシピ本としては2冊めのようだ。レシピ本はさすがに読んでない。
| 固定リンク
« ドイツ語多読本: Rüdiger Bertram: Coolman und ich (Band 1) | トップページ | Kobo: H2O Edition2、いつものテスト・レビューはないので実物を店頭で »
コメント