Kobo: KSMなしでkoreaderを使う(続)
前回の続き。
◎その前にkoreaderをちょっと触ってみた感じ。
縦書きepubが読めないので(たぶん日本語縦書きは横書き表示になる)、日本では自炊本に使える程度だが、動作は軽快だし、カスタマイズの自由度も高いし、海外では人気がありそう。
koboやkindleだったらパッチをあてたり、jailbreakしなければできないようなことも、koreaderではエディタでファイルを書き換えるだけ。そのありがたみはepubも含めフルに使っている海外のユーザーなら実感できそうだが、自炊本メインの日本ではそうでもないのかもしれない。
たとえば、ページめくりの方向やフォントサイズや行間、余白のデフォルト値、リフレッシュ頻度、タップ位置、ガンマ値などなど、パッチをあてたりデータベースをいじったりしなくても、設定ファイルを書き換えるだけでデフォルトの値を変えられる。スクリーンセーバーはメニューから画像を置いたフォルダを指定するだけ。
コントラスト(ガンマ値)の調整ができるので、フォントや画像の濃淡が変えられるのも、koboやkindleにはない特徴。
あと画像関連だと、画像の内容に合わせてズームできたり、crop(切り取り)で余白を削除することも可能。cropして画像にフィットするズーム設定にすれば、いい感じに余白カットできそう。
pdfまわりが充実しているようだ。
pdfのリフロー化ができる。画像がごちゃごちゃ入ってないテキスト情報主体のpdfならそれなりに読めるかもしれない(縦書きは無理か?)。あと、英語と中国語のOCR機能がついているようだが、これは使えるのか?
また、pdfのみページ・フリッピング(上下または左右スワイプで高速ページめくり、というかページ飛ばしめくり)できる。(と思ったら、cbzでもできた)
cbzとpdfを1つ作って見てみたが、nickel(kobo本来のプログラム)で毎ページリフレッシュする画像kepubを読むより段違いに快適。動作が軽快、リフレッシュ頻度も好きに変えられる。とくにpdfはnickel(というかadobeのレンダラー?)より驚くほど動作が速い。
余白カットやガンマ調整もできるし、自炊本には使いやすいリーダーなんだろうと思う。
◎操作・設定
日本語の情報はほとんどないか。2chのKobo Hackingスレにちらほら? すぐ見つかるので各自で。
あとは英語の情報で。
○タッチ/スワイプ操作
・koreaderの公式ページ
https://github.com/koreader/koreader/wiki/KOReader-Gestures
・公式ページのTips and Tricks
https://github.com/koreader/koreader/wiki/Tips-and-Tricks
pdfのページ・フリップについてはここを参照。
・Some Koreader tips and tricks
https://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=242906
上の公式ページにない、2本指スワイプの操作法などがある。あとファイルマネージャーでは長押しで操作する、など。
○カスタマイズ
・公式ページ:デフォルトの変更方法
https://github.com/koreader/koreader/wiki/Change-defaults
koreader/defaults.luaにはもっとたくさん設定項目があるので、そっちを直接見て研究したほうがいいかも。
--
では、前回の続き。
ランチャーを使っていればインストール済みのfmonを利用すればいいし、ランチャーを使ってなければKFMonをインストールすればいいので、前回の解説で十分だが、おまけで、あえてfmonを使う編。
繰り返しだが、まず必要なファイルから。
◎必要なもの
○koreader本体
https://github.com/koreader/koreader/releases/tag/v2017.03.08-nightly から
koreader-kobo-arm-linux-gnueabihf-v2015.11-894-gd168db9.zipを使用。
koboの最新FWを使うので、開発版nightlyビルドにした。それに、KFMonはstable版では使えない。
-- 追記 --
koreaderの最新リリースを使ったほうがよい。下記のkoreader.shの修正は必要ない。
-- 追記おしまい --
○koboのFW4.2.8283以降は、koreader.shに修正が必要
https://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3477083&postcount=25
ここに書かれているように修正。さらにH2Oはこの修正も。
https://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3478194&postcount=28
修正したものは下記リンクのfmon_for_koreader.zipに入れておいた。
○fmon本体とfmon起動に必要なファイル、その他一式
http://pbchess.vlasovsoft.net/en/index.html の本家ランチャーのKobo用パッケージ(pbchess_2017.xx.xx_kobo.zip)内の、KoboRoot.tgzにfmon本体とスクリプト(on-animator.shとon_start.sh)が含まれている。
ここから必要なものを抽出して、さらにkoreaderに同梱されているfmon用スクリプトを一つにまとめたのがこれ。そのままだと不都合があるので少し調整してある。
ダウンロード: fmon_for_koreader.zip
ではインストール手順。
◎ランチャーをインストールしていないが、それでもfmonを試す
fmonはデリケートなので、手順に従って上から一つずつ順番に行っていくこと。面倒だからとまとめて一度でやってしまおうなんて考えないこと。最悪、再起動ループ、ファクトリー・リセットの憂き目に会う。
1. koreader-kobo-arm-linux-gnueabihf-v2015.11-894-gd168db9.zipを解凍して、その中のkoreader.pngを、PCにつないだ端末の一番上にコピー(フォルダの中に入れないこと。ドライブのトップに置く)。
2. USB接続を解除して、ケーブルを抜く。端末で「コンテンツを処理しています・・・○%」の画面になり、ホーム画面、ライブラリ画面にkoreader.pngのサムネイルが表示されるのをかならず確認する。タップして一度画像を表示させてみる。それが確認できるまでは次の作業に移ってはいけない。
3. 確認できたら、安全のためkobo端末を再起動。
4. koreader本体インストール
koreader-kobo-arm-linux-gnueabihf-v2015.11-894-gd168db9.zipを解凍してできた、koreaderフォルダをまるごと、PCにつないだ端末の.koboフォルダにコピー。
-- 追記 --
koreaderの最新リリースを使ったほうがよい。下記のkoreader.shの入れ替えは必要ない。
-- 追記おしまい --
koboのFW4.2.8283以降を使っている場合は、修正したkoreader.shに入れ替える。
fmon_for_koreader.zipを解凍してできた、koreader/koreader.shを、端末の.kobo/koreaderフォルダに上書きコピー。
5. fmon関連一式インストール
fmon_for_koreader.zipを解凍してできた、KoboRoot.tgzをPCにつないだ端末の.koboフォルダにコピー。(koreader-kobo-arm-linux-gnueabihf-v2015.11-894-gd168db9.zip内のKoboRoot.tgzは使わないこと)
6. USB接続解除、自動的に再起動。で、おしまい。
koreaderの起動は、ホーム画面からkoreader.pngのサムネイルをタップするなど、本を開くのと同じ要領で。
FWをアップデートするとon-animator.shが上書きされてしまうので、このファイルをインストールし直す必要がある。koreader_fmon.zip内のreinstallフォルダのKoboRoot.tgzを使えばよい。
○アンインストール
koreader.png
.kobo/fmonフォルダ
.kobo/koreaderフォルダ
.kobo/on_start.sh
を削除した後、かならず再起動。
これでOK。on-animater.shについては、上記の削除をしてしまえば、端末の動作に何も影響しないので、そのままでかまわない。
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