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2017年1月 3日 (火)

Koboがtolinoを買収(続報)

前回の記事の続報。

Koboとドイツ・テレコムから正式にプレスリリースが出た。
Kobo: Kobo becomes new technology partner at the tolino alliance
ドイツ・テレコム: Wechsel des Technologiepartners in der tolino Allianz
言語は違うが、内容は同じ。

プレスリリースの最初に箇条書きが3点あるのでそこだけ。

・ドイツ・テレコムはtolinoのエコシステムをKoboに売却
・tolino同盟は技術パートナーとしてKoboを迎える
・tolinoブランドはドイツ語圏では存続する

なので、正確には楽天というよりKoboが、これまでドイツ・テレコムが担ってきたtolinoのエコシステムを買う、ということらしい。
リリース本文の語を使うと、「ドイツ・テレコムからtolinoの技術プラットフォーム」を買い取る。ドイツ・テレコムは、アメリカの競争相手(アマゾン)に対抗できるほどの端末とエコシステムの開発に成功したので、プラットフォーム・ビジネス売却の時期だと考えた、とかなんとか。

そして、tolino同盟(Thalia、 Weltbild、Hugendubelの各書店、さらに協賛パートナーとしてOsiander、 Mayersche 、Libriの各書店からなる)からドイツ・テレコムが抜け、その穴をKoboが技術担当として埋めるということのようだ。

tolinoユーザーはこれまで通り書店、アプリ、クラウド、ドイツ・テレコムのWiFiのHotspotを利用できる。

以下のサイトを参考にして補足。
lesen.net: Kobo übernimmt Tolino: Fragen und Antworten
tolino同盟のお偉いさんとKoboのCEOによるプレス会見があって、その内容を紹介している。

the-digital-reader.com: Four Questions on the Kobo-Deutsche Telecom Deal
直接Kobo関係者へいくつか質問しているようだ。

気になるところをまとめると、
・tolinoブランドは存続するし、tolino端末の販売も続くが、これからは端末の設計・開発はKoboが行う。
(つまり、他の国ではKobo端末として売られるものが、ドイツ語圏だけはtolinoブランドとして販売される、ということらしい)

・tolinoの各書店とKoboのストア(プラットフォーム)の統合はない。
ファームウェアは別だし、KoboユーザーはKoboのサービス、tolinoユーザーはtolinoのサービスを利用する。

・ドイツの既存のKoboユーザーに対してサービスは継続するが、将来的にはドイツではブランドはtolinoに一本化される。新モデルはtolinoブランドでしか出なくなる。

・あと、ハードウェアとアプリの開発体制を二重のままにしておくのは無駄なので、いつかKoboとtolinoの統合もあるんじゃないかとthe-digital-reader.comは言っている。
(ついでに言っておくと、the-digital-reader.comの記事の最後("Mark my word:"のところ)はちょっと疑問。つまり、以後端末の製作はKoboが委託しているNetronixになるので、tolinoユーザーはがっかりするかもしれない、というところ。というのも、tolinoもNetronixで作られているから)

要するに、ドイツ周辺ではKoboに見切りをつけて、tolinoに乗り換える、ということか。ストアの統合なんて面倒そうなこともしないみたいだし。

日本にいる身としては、端末の開発、今後のkoboのラインナップがどうなるかが問題。
今のtolino端末はいずれkobo製の新モデルに置き換わっていくのだろうと思うが、今後の開発にtolinoのノウハウが生かされるのかどうか。端末の技術的な部分の売買か譲渡か知らないけれども、そのあたりはどうなっているのだろう。どう見ても6インチの端末はtolinoのほうがレベルが高いし。

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