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2016年12月

2016年12月29日 (木)

Kobo: カスタム辞書追加(新方式)

koboに入れたカスタム辞書(たとえばオランダ語の辞書を英語の辞書に差し替える)は同期を取ると、元のオランダ語の辞書に戻されてしまう。

FW3.xまではこの面倒を回避するパッチがあったが、FW4.xではなくなってしまった。そこで別のやり方。

mobilereadのNew dictionaries for kobo (no limits)のやり方。
簡単に手順を言うと、
1.いつものパッチの[バージョン番号]_source/libnickel.so.1.0.0.patchに、上記リンクのパッチ(`Allow searches on Extra dictionaries`)を追記して(Spoilerのところ全部)、KoboRoot.tgzを作成、FWを更新。

2. カスタム辞書を用意する。
 Index of Custom Dictionaries for Kobo eReaderにいろいろ辞書がある。
 dicthtml-○○.zipの〇〇の部分は2文字で、koboにある辞書と重ならないようにする。

3. kobo端末の\.kobo\Kobo\Kobo eReader.confを編集。
 [ApplicationPreferences]セクションに
   ExtraLocales=〇〇, 〇〇
の行を追記する。dicthtml-〇〇.zipの〇〇を入れていく。

4. 辞書ファイル(dicthtml-〇〇.zip)をkobo端末の\.kobo\dict フォルダにコピー。

5. データベース(KoboReader.sqlite)に、好きなデータベース用プログラムを使って、辞書のデータを追加する。
 Dictionaryテーブルに
  Suffix: -〇〇 (-e1など、頭にハイフン)
  Name: 辞書の名前(〇〇辞典 好きなように)
  Installed: true
  Size: 辞書のサイズ(バイト)
  LastModified: "" (空っぽ)
  IsSynced: true
 のように、辞書毎に書き入れていく。

6. USB接続を解除、kobo端末を再起動。

と、こんな感じだが、いちいち手動入力するのが面倒なので、自分用に適当にスクリプトを作成した。
手順の3.から5.までをほぼ自動化した。辞書名の一覧表だけは作るが、Kobo eReader.confの手動書き換えや、データベースの手動入力はしなくて済む。

使う人がいるのかわからないが、いちおうアップしておく。
ダウンロード: set_extradict.zip

*Kobo eReader.conf とKoboReader.sqliteを書き換えるので、この2つをバックアップしてから作業すること。

すでにインストールしていたカスタム辞書を今回ファイル名を変えてインストールし直すつもりなら、古いカスタム辞書を削除してから作業したほうがいい。(「設定」 > 「言語/辞書」 > 「辞書」の「編集」で、中身を差し替えているカスタム辞書のチェックをはずす)

○手順
いつものパッチの[バージョン番号]_source/libnickel.so.1.0.0.patchに、上記リンクのパッチ(`Allow searches on Extra dictionaries`)を追記して(Spoilerのところ全部)、KoboRoot.tgzを作成、FWを更新したら、

1) set_extradict.zipを解凍。
その中のextradictフォルダを、PCにつないだkoboドライブの一番上にコピー。
さらに、 追加するカスタム辞書(dicthtml-XX.zip)を同じextradictフォルダにコピー。

2) extradictフォルダ内の、dict_name.lst に辞書ファイルと辞書名の対応表を作る。
書式:
dicthtml_XX.zip=辞書の名前
XXはkoboの辞書にないもの。2文字で。
例:
dicthtml_e1.zip=English - German Dictionary
dicthtml_d2.zip=English Dictionary(WordNet)

これだけは手動で。
左辺が辞書ファイル(dichthtml_XX.zip)、右辺がデータベースに登録する辞書名(好きにつける)。これを=(半角)でつなぐだけ。また、dichthtml_XX.zipはかならず行頭(前にスペースなどを入れないこと)。

3) telnetでkoboにログインして、以下のコマンド
$ cd /mnt/onboard/extradict (Enter)
$ killall nickel
$ ./set_extradict.sh
(処理が終わってプロンプトが戻ったら)
$ reboot; exit

おしまい。動作確認したら、extradictフォルダは削除してよい。
データベース編集ソフトを使うより楽なはず。

-- 追記
下のリンクのランチャーをインストールしてないと、sqlite3がないんだった。つまりスクリプトが使えない・・・。
インストールしていない場合は、ランチャーのKoboRoot.tgzを解凍して、sqlite3を取り出して、koboの適当な場所にコピーしてやれば使える。あとset_extradict.shを1行書き換える。
たとえば、extradictフォルダにsqlite3をコピーしたら、set_extradict.shの最初にある
 dbprg=$dotkobo/db_scripts/sqlite3  を
 dbprg=/mnt/onboard/extradict/sqlite3 に変更
これでOK。CFWを使っている場合はsqlite3はインストールされているので、そのパスに変更。
-- 追記おしまい


○telnetが使えない場合/ランチャーを使っている場合
ランチャーにスクリプト(set_extradict.sh)を登録してやればいい。

1)と2)は上と同じ。

3) extradictフォルダにあるset_extradict.shをkobo端末の\.kobo\db_scriptsフォルダにコピー。

4) \.kobo\db_script\applications.in をエディタで開いて、スクリプト(set_extradict.sh)を登録。
  Extra辞書追加 = set_extradict.sh
 のように追記(場所は好きなところに。左辺の「Extra辞書追加」も好きなようにつければよい)。

5) koboを再起動(ランチャーのメニューが更新されないので)。

再起動後、ランチャーからスクリプトを実行する。
(ランチャーメニューの他のスクリプトと違って、「更新中」の黒い画面にはならない。画面が真っ白になるが、処理が終わればランチャー画面に戻る。)

readme.txtにも手順は書いておいた。

何度も使うものではないが、データベースが壊れて作り直した時などにはいるかもしれない。FW4.2.xxで導入された「アカウントの復元」とやらを実行した時なんかも必要になるのか?


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2016年12月23日 (金)

Kobo: 辞書ウィンドウ・カスタマイズ(FW4.x以降)

FW4.x以降、辞書ウィンドウのカスタマイズ方法が変わったので改めて説明。

左がオリジナル、右がパッチをあてて辞書ウィンドウのサイズを変更したもの。
Dict_window_ja

和書では単語選択すらろくにできないダメっぷりを放置したままのkoboの辞書だが、洋書ならふつうに辞書は使える。辞書を引くことも多くなる洋書ではやっておいて損はない。

いつものパッチに辞書ウィンドウのリサイズパッチが含まれているが、日本語環境ではウィンドウ内でフォントが切れてしまう。そこで自分で調整。

FW4.2.8110の調整済みのパッチがこれ。
"4.2.8110_nickel_dic_patch.txt"(4.2.8110以外には使えない)
いつものパッチの中のnicke.patchに、"4.2.8110_nickel_dic_patch.txt"の中身をコピペしてパッチをあてればよい。やり方は下記手順の6.以下を参照。

ただし、gloとgloHDでは確認しているが、他のモデルでは未確認なので、自分でサイズ指定する必要があるかもしれない(とくにaura One)。その方法を以下に。また、自分の好みにカスタマイズしたい人も下記を参照。。

以前のFW3.x用のパッチでは直接辞書ウィンドウ・サイズを指定できたたが、FW4.0以降はできなくなった。cssが圧縮されるようになり、解凍する手間が増えたため。

手順は「上下の余白をカットする(フルスクリーン・モードではなく通常モードで)」のヘッダーの縮小する場合と同じ。ただcssの編集を辞書回りにするだけ。ほとんどその繰り返しだが、はじめから手順を。

以下、最新バージョン4.2.8110で説明する。
(FW3.9.xはこの方法ではなく、従来のやり方でOK。また、FW4.xで他のバージョンの場合は適宜バージョン番号を読み替えること)

○必要なもの
ファームウェア4.2.8110をダウンロード
CSS styles modifications inside nickel から patch-nickel-css-v04.zip をダウンロード。
・makepatch program(makepatch-0.01.zip)をダウンロード。
FW4.2.8110のパッチ
・windowsでは、あらかじめpythonをインストールして、パスを通しておく。

○手順
1. ファームウェアを解凍してnickel本体を取り出す。
kobo-update-4.2.8110.zipを解凍。その中のKoboRoot.tgzをさらに解凍してnickelを取り出す。
nickelのある場所は、 usr/local/Kobo/nickel

2. 適当なフォルダを作成して、その中にpatch-nickel-css-v04.zipを解凍。
さらに、1.で取り出した nickel をこのフォルダに持ってくる。

3. nickelから圧縮されたcssを抽出する。ターミナルで
python extract.py
windowsはここのextract.batを使う(たぶんextract.batをnickelと同じフォルダに置く?)

cssは nickel-extracted.css に書き出される。これをエディタで編集する。必要なところだけ切り取って使えばよい。辞書ウィンドウののカスタマイズに必要なのは"InlineDictionaryView"があるセクション。
FW4.2.8110の場合は、/* found: 92 (zlib) pos: 4c0a32 */ 以下のセクション。
/* found: 92 (zlib) pos: 4c0a32 */
InlineDictionaryView {
min-width: 500px;
max-width: 500px;
min-height: 220px;
max-height: 220px;
}
InlineDictionaryView[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
min-width: 650px;
max-width: 650px;
min-height: 280px;
max-height: 280px;
}
InlineDictionaryView[qApp_deviceIsDragon="true"] {
min-width: 980px;
max-width: 980px;
min-height: 350px;
max-height: 350px;
}
InlineDictionaryView[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
min-width: 1274px;
max-width: 1274px;
min-height: 455px;
max-height: 455px;
}
#dictionary {
margin-top: 10px;
}
#dictionary[qApp_deviceIsDragon="true"] {
margin: 25px;
}
#dictionary[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
margin: 32px;
}
#dictionary[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
margin: 20px;
}
#textEdit {
min-height: 150px;
max-height: 150px;
min-width: 515px;
max-width: 515px;
}
#textEdit[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
min-height: 190px;
max-height: 190px;
min-width: 550px;
max-width: 550px;
}
#textEdit[qApp_deviceIsDragon="true"] {
min-height: 235px;
max-height: 235px;
min-width: 930px;
max-width: 930px;
}
#textEdit[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
min-height: 306px;
max-height: 306px;
min-width: 1209px;
max-width: 1209px;
}
#settings {
background-color: #d9d9d9;
font-family: Georgia;
}
#settings[qApp_localeName="ja_JP"] {
font-family: Sans-SerifJP, sans-serif;
font-style: normal;
}
#settings[qApp_deviceIsTrilogy="true"] {
font-size: 19px;
}
#settings[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
font-size: 23px;
}
#settings[qApp_deviceIsDragon="true"] {
font-size: 29px;
}
#settings[qApp_deviceIsAlyssum="true"] {
font-size: 32px;;
}
#settings[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
font-size: 37px;
}
#settings[qApp_deviceIsTrilogy="true"] {
padding-left: 12px;
padding-right: 12px;
}
#settings[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
padding-left: 16px;
padding-right: 16px;
}
#settings[qApp_deviceIsDragon="true"] {
padding-left: 22px;
padding-right: 22px;
}
#settings[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
padding-left: 28px;
padding-right: 28px;
}
#bottomSpacer {
qproperty-visible: false;
}
#bottomSpacer[qApp_deviceIsTrilogy="true"] {
qproperty-visible: true;
min-height: 30px;
max-height: 30px;
}
#message {
padding-top: 20px;
}
#message[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
margin-left: 35px;
margin-right: 35px;
}
#message[qApp_deviceIsDragon="true"] {
margin-left: 50px;
margin-right: 50px;
}
#message[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
margin-left: 65px;
margin-right: 65px;
}
#footer[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
qproperty-leftMargin: 20;
qproperty-rightMargin: 20;
qproperty-bottomMargin: 20;
}
#footer[qApp_deviceIsDragon="true"] {
qproperty-leftMargin: 25;
qproperty-rightMargin: 25;
qproperty-bottomMargin: 25;
}
#footer[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
qproperty-leftMargin: 32;
qproperty-rightMargin: 32;
qproperty-bottomMargin: 32;
}
#language[qApp_deviceIsTrilogy="true"] {
font-size: 19px;
}
#language[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
font-size: 23px;
}
#language[qApp_deviceIsDragon="true"] {
font-size: 29px;
}
#language[qApp_deviceIsAlyssum="true"] {
font-size: 32px;
}
#language[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
font-size: 37px;
}
#language[qApp_deviceIsTrilogy="true"] {
max-height: 50px;
}
#language[qApp_deviceIsPhoenix="true"] {
max-height: 62px;
}
#language[qApp_deviceIsDragon="true"] {
max-height: 80px;
}
#language[qApp_deviceIsDaylight="true"] {
max-height: 104px;
}
これがオリジナルのcss。同じものをいちおうアップしておく(nickel-extracted-dic.css

かつてのFW3.xの辞書パッチで変更している個所は以下の通り。それを踏襲。
・辞書ウィンドウのフレーム・サイズ
 InlineDictionaryView {(以下の自分のモデルの)
  min-width: 〇〇px
  max-witdtht: 〇〇px
  min-height: ○○px
  max-height: 〇〇px
・辞書ウィンドウのフレーム外側に作る余白(たぶん)
 #dictionary {
  margin: 〇〇px
・辞書ウィンドウ内のテキスト領域のサイズ
 #textEdit {(以下の自分のモデルの)
  min-height:〇〇px
  max-height: 〇〇px
  min-width:〇〇px
  max-witdtht:〇〇px
・辞書ウィンドウのフレームから内部テキスト領域までの上部余白(?)
 #message {
  padding-top: 〇〇px
・辞書ウィンドウ内の下部余白(?)
 #footer[qApp_deviceIsXXXX="true"] {(以下の自分のモデルの)
  ...
  ...
  qproperty-bottomMargin:〇〇px

自分のモデルのコードネームのところ([qApp_deviceIsXXX="true"]のXXXにコードネームが入る)の〇〇pxを変更する。Touchの場合は自分のコードネームがなかったら、各セクションの一番上、コードネームがついていない個所を変更。

コードネームとモデルの対応は以下の通り。
 Trilogy: Kobo Touch
 Phoenix: glo、初代aura
 Dragon: H2O、gloHD
 Alyssum: gloHD
 Daylight: aura One
gloHDはAlyssumがなければDragonで。

書き換えたら、それを nickel-modified.css というファイル名で保存する。
上記の調整済みパッチファイル "4.2.8110_nickel_dic_patch.txt"の元になったcssも参考までにアップしておく(4.2.8110_nickel-modified.css)。
これを試すなら、nickel-modified.cssにリネームすること。

4. これを元にして、nickelを作り直す。ターミナルで
python patch.py
Windowsの人はここのpatch.batを使う(たぶんpatch.batをnickelと同じフォルダに置く?)。
成功すると nickel-modif ができあがる。これがパッチをあてたnickel。

5. オリジナルのnickelとnickel-modifから、パッチファイルを作成する。
makepatch-0.01.zipを解凍する。その中のmakepatch-i386-Linuxもしくはmakepatch-x86_64-Linux、Windowsの場合はmakepa32.exeを、nickelとnickel-modifのあるフォルダにコピー。そしてターミナルで
makepatch-x86_64-Linux nickel nickel-motif > nickel-dic.patch
Windowsのmakepa32.exeも同じようにリダイレクト?(Windowsのことはよくわからない)
できあがったnickel-dic.patchの中身は、
〈Patch〉
patch_name = `Unknown`
patch_enable = `no`
replace_bytes = 4C0A30, 0D 6C 78 9C 9D 56 5B 6F, 0D 6C 78 9C 9D 56 5D 6B
replace_bytes = 4C0A38, 9B 30 14 7E CF AF 40 E9, DB 30 14 7D CF AF 30 ED
..
〈/Patch〉
のように、いつものパッチに使える形式になっている。`Unknown`を適当に`Dictionary frame size(jp)`などに変更、さらにpatch_enable = `yes`にする。それが上記の"4.2.8110_nickel_dic_patch.txt"。

6. これをいつものパッチに含まれているnickel.patchに追記する。
いつものパッチ(patch_kobo_4028110.zip)をダウンロード・解凍すると、patch_kobo_4028110/4.2.8110_sourceフォルダの中にnickel.patchがある。
そのnickel.patch内の`Dictionary frame size`が`no`になっているのを確認した上で、自分で作成したnickel-dic.patchの中身(`Dictionary frame size(jp)`を追記する。

7. FWにパッチをあてて、インストールファイルのKoboRoot.tgzを作成する。
1) ダウンロードしてあるFW(kobo-update-4.2.8110.zip)をそのまま、4.2.8110_sourceフォルダ(nickel.patchと同じフォルダ)に置く。
2) 4.2.8110.sh(Linux/Mac)もしくは 4.2.8110.bat(Windows)を実行。
3) 成功すると、4.2.8110_targetフォルダに、KoboRoot.tgz ができあがる。これがアップデート用のファイル。

8. できたアップデートファイル(KoboRoot.tgz)でKoboを更新
1) できたKoboRoot.tgzをPCにつないだKoboの".kobo"フォルダにコピー。
2) コピーが終わったのを確認したら、USBケーブルを抜く。自動的に再起動。これでおしまい。

以上で辞書ウィンドウののカスタマイズ終了。

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2016年12月19日 (月)

Kobo: FW4.2.8110アップデート(aura One)

aura Oneとaura Edtiion2対象のアップデート、4.2.8110。

カナダ本国その他海外では売り切れ状態が続いているらしいaura One。
Black FridayとかCyber Mandayとか向こうの年末商戦の時期に新モデル売り切れというのは、商売する気があるのかという声さえあるという・・・。予想以上に売れたせいなのか、それとも何か問題があって在庫切れのままにしているのか、いろいろ勘ぐりたくもなってくる。

日本では買えるからいいようなもの、でも日本ではよほど売れてないのか、と逆に不安にもなってくる。

それはともかく
○アップデート内容とダウンロードのリンク
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=281758

○kobo公式のリリースノート
http://api.kobobooks.com/1.0/ReleaseNotes/56
端末でストアをブラウズしている時に、Wishlist(日本語では「気になる本」のリスト)に追加できるようになった。

○いつものdavidforさんによる更新内容
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3443534#post3443534
aura Oneとaura Edition2対象のアップデート。他のモデルに使えるだろうが、自己責任で。

・ウィッシュリスト(「気になる本」)の追加(上記リリースノートの内容)
・aura Oneのバッテリー漏れ問題の改善。
この改善のいくつかは他のモデルにも影響があるかもしれないが、FW4.2のベータ版で自分(davidfor)が持っているモデルでバッテリー漏れは経験したことがない。
・aura Oneのライトの自動調節の改善。
・ライブラリの状態と内容を正常にしておくための多くの改良。
・本が失われた場合の修復オプション追加(「設定」 > 「デバイス情報」 > 「アカウントの修復」)
・OverDrive関連のたくさんの改善。

修復オプションというのは、ストアから購入した本の問題を修復するもので、これを使うと、端末内の購入本がすべて削除され、新たにダウンロードし直される。したがって、冊数が多い場合時間がかかる。実行する前に警告のポップアップが出る。

こんな感じか。
あとDesktop(4.2.6122)も更新されたようだ。更新内容は似たようなもので、ライブラリを正常にしておくための改良とか修復オプションが追加されたとか。

--
修復オプション(「アカウントの修復」)ねえ。
データベースが壊れたらアカウントのログアウト、再ログインでデータベースを作り直せばいいというのは、koboユーザー必須のノウハウ。やることはそれと同じか? ログアウトするとまたパスワード入力もやり直しになるので、それを省いてくれるのか?

いずれにせよ、以前のsickelと同じように、システムが不安定なのを前提にしたごまかし。修復なんて便利そうにも聞こえるが、わざわざ修復をユーザーにやらせる必要があるというのは、それだけシステムが壊れやすいという事実の裏返し。まあ、sickelみたいに勝手に再起動されない分だけましだが。


aura Oneを持っていないので、KoboRoot.tgzのみ利用ででgloをアップデートしている。

○パッチ
Instructions for patching firmware 4.2.8110
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=281845

いつものパッチだが、ありがたいことにヘッダー縮小パッチ(「上下の余白をカットする(フルスクリーン・モードではなく通常モードで)」参照)もすでに含まれている。33%縮小と50%縮小のどちらかを選べる。

辞書ウィンドウ・サイズのカスタマイズ・パッチも含まれているが、こちらはやはり日本語環境ではウィンドウの下部でフォントが切れる。自分でパッチを作り直したほうがいい。やり方はいずれ、と言ったまま忘れていたので、そのうちに書くつもり。

それから、ひょっとしたらフルスクリーンのバグは直っているかも?
何冊か見たところでは、`Fix three KePub fullScreenReading bugs`パッチなしでも今のところ問題ない。少し様子見。

○スクリーンセーバー
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=255238

KoboRoot-ScreenSaver-4.x-20160918のほうで。

インストール済みの場合は、再インストールの必要もなくそのまま使える。

新たにインストールしたい場合は、前の記事を参照。


ランチャー
これも問題さそう。(持っていないaura Oneでは確認していない)
FWをアップデートすると、ランチャーの起動に必要なファイルが上書きされてしまうので、koboCFW.confをバックアップの上、再インストールが必要。というかランチャーの/etc/init.d/on-animator.shだけ(KoboRoot.tgzにして)再インストールしてやれば、それでOKなのだが。


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2016年12月15日 (木)

ドイツ語多読本: Mandy Sutcliffe: Belle & Boo. Gute Nacht, kleiner Hase

「さあ寝ようか」という時の絵本がなぜかたくさんある。
子供を寝かしつける大人の苦労の裏返しなのか(?)、ベッドに入るまでのルーティーンをたどるような話は多い。これもその一冊。

Mandy Sutcliffe: Belle & Boo. Gute Nacht, kleiner Hase

535語

緑のパジャマの女の子BelleとウサギのBoo。

今日も一日たくさん遊んで楽しかった。でももう眠いな・・・なんて、ぬいぐるみをイスに座らせた丸テーブルでお茶を給仕しているBelleはエプロン姿、窓際でクッションに背をあずけて、あくびをこらえているBoo。そんな最初の場面。もう寝る時間?とBooは聞くけれども、その前にお風呂の時間だよ・・・。

それで、次はバスタブに浸かるBelleと、水が苦手なので石鹸の泡で遊んでいるBooの姿。
で、今度はもうベッドに行く時間?と聞くBooに、もうすぐ、でもその前に人形の髪を梳かさないとだめだよ・・・。そんな感じで、Booがたずねるたびに、ぬいぐるみを寝かしつけなきゃ、寝る前のミルクとクッキーがいるよ、次は歯を磨かなきゃ・・・。

そういう寝る前の様々な事柄が終わって、ようやくベッドに行く時間になったかと思うと、Booの眠気が覚めてしまう。騒いで喉が乾いてしまったのだ。Belleが水を一杯持ってくる間に、Booのほうは、よし隠れて驚かせてやろう、Belleはサプライズが好きだから、なんて隠れ場所を探しだす・・・。
さて、Booはどこに身を隠し、Belleはどうやって見つけ出すのか?

小さな動物とコンビを組んだりすると、子供のほうは大人役を演じるのも定番の役割分担か。
Belleはお母さんのような役回り。そうやって大人の真似をしていろいろなことを学んでいくのだろうが、大人の真似をする子供がまたかわいらしかったりもする。


昔風の懐かしい絵柄な気がするのはBelleの髪型のせい? それにまつげが長い。
背景がクリーム色で、必要最小限の物を穏やかな色使いで端正に描いていて、穏やかな絵本。目にやさしい。女の子だけでなく、絵本を選ぶお母さんにも受けそうな絵本。

オリジナルは英語。日本語訳も出ているので人気作家?

ベルとブゥ おやすみなさいの じかん

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2016年12月10日 (土)

ドイツ語多読本: Alexis Deacon / Viviane Schwarz: Ich bin Henry Fink

白い紙に拇印を押して、目とくちばし、翼と足を書き込むと、鳥(フィンチ)。
そのアイディアがおもしろい絵本。

Alexis Deacon / Viviane Schwarz: Ich bin Henry Fink

495語

朱色の拇印で描かれたフィンク、その頭から3つ泡がのぼって、タイトルの”ICH BIN HENRY FINK"。つまり、このフィンクが「僕はHenry Finkだ」と考えているところ。
自我の目覚めというか、思考、想像の発見みたいなものをテーマにした絵本か。

フィンクは群れで暮らしていて、一日中とても騒々しい。どのくらいうるさいかというと、自分が考えていることに耳を傾けることもできないくらい。そんな騒がしい毎日の中、1羽のフィンクが夜の静けさに目を覚ます。そして自分が何か考えていることに気づき、耳を傾ける・・・。

それで、いろいろ考え、想像することが楽しいのだと気づく。自分はものを考えた最初のフィンクなんじゃないか、すごいぞ、なんて思ったり。すると、次の日の朝、怪物が現れる。昨晩の想像(その中の一つが怪物退治)を思い出したのか、Henry Finkは怪物に突進、まんまと食べられてしまって、怪物の胃の中に・・・。

後に続くのは腹の中、白い文字と白い線画で描かれる真っ黒なページ。
こうなると考えるのは楽しいどころか、嫌な想像ばかりだし、次第に自分が誰だかわからなくなってくる。
"Bin ich Henry Fink? Ich bin etwas."と考えていると、次にはこのetwas(何か)もなくなって、"Ich bin"だけになって、ついには「僕」すらもなくなって、"Es ist, dachte er."となる。

この時の絵が、生物が生まれてから死ぬまでの一生であり、死んで土に帰り、そこから木が育って、それを虫や鳥が食べ、それをまた上位の動物が食べ、それもいずれは死んで土に戻り・・・という食物連鎖、大いなる自然のサイクルを描いた一枚絵。

こんなふうに自然の摂理を悟り、大いなる自然の闇に戻っていくのかと思いきや、もちろんそんなことはなく、Henry Finkは"Nein!"と叫ぶのだった・・・。

白い背景に朱色の拇印を使って楽しく軽妙に描かれたフィンクの様子と、怪物体内の真っ黒なページのコントラストが印象に残る。


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2016年12月 6日 (火)

ドイツ語多読本: Michael Roher: Fridolin Franse frisiert

美容師Fridolin Franseがヘアメイク。といっても、幻想と奇想を目で楽しむ絵本。

Michael Roher: Fridolin Franse frisiert

14語

もちろん"Fridolin Franse frisiert"はfr音の繰り返し、頭韻で遊んでいる。
Fridolin Franseが身を沈めているのは髪の毛。そこにはたんぽぽがあったり、イスに乗ったネズミ(?)がいたりと、写実を旨とする絵本でないことはあきらか。

文章はない。見開きで単語がひとつ。"kämmen"とか"waschen"とかFridolinが行っている作業を名指しているだけ。

最初は"kämmen"。
女性が左にいて、その髪を櫛で梳かすFridolinが描かれる。その髪の上にいろいろなものが描き出されている。髪を梳かすというのは、土地を鋤いて耕すのを連想させるのか、農場を描いているようにも見える。農家らしい家があり、いろいろな動物が描かれている。でも、トラクターが引いているのはヘアブラシだったり、なぜかキリンがいたり、ドラゴンが髪の毛を滑り台代わりにして滑っていたりと、発想は自由、その細部を目で楽しむための絵本と言える。

髪の毛は途切れず次のページに続いている。次は"waschen"。
幻想の度は増す。Fridolinが握るシャワーのノズルの下にはティーポッド、その中で体を洗っている人がいて、ポッドの口から流れ落ちる水は池を作り、池の上に張り渡したハンモックにはゾウがいて鼻から水を吐く、その下には宙に浮いた水盤とそのほとりの城・・・。他にも様々なものが描かれている。

そして"Shampoonieren"、"spülen"とページが進んでいくと、水が出てくるせいか、これまで地面だった髪の毛は海のイメージになり、海賊船やらクジラやら潜水艦まで登場・・・・。

あとは、
"schneiden"
"färben"
"einwirken lassen"
"auswaschen"
"eindrehen"
"föhnen"
とFridolinは作業を進め、最後は"fertig!"で終了。
それぞれの場面でどんな連想で何が描かれているかは、実際に見てもらうしかない。切ったり、染めたり、ドライヤーを使ったり、それがどんなイメージと結びつくか。自由な発想と連想その細部を目で追っていく楽しみ。そういう絵本。

アマゾンの洋書バーゲンのページで70%オフで買ったが、今は元の価格に戻っているかもしれない。

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2016年12月 2日 (金)

Kindle:アップデート 5.8.7 & jailbreak関連

アップデート、5.8.7。第6世代以降のモデル(PW2012を除く、ということ)

Amazon Emberの太字フォント:Kindle本の読書中に選択できるフォントに、Amazon Emberの太字フォントが追加されました。フォントのメニュー画面から選択できます。

Amzon EmberはすでにUIで使われている欧文フォントで(日本語環境では日本語フォントが使われるのでふつうは気づかない)、なぜかOasisだけはメニューなどのUIだけでなく、書籍の本文表示に使えていたもの。
それをさらに太くしたものが追加されたということ。おそらく目の悪い人向け。
したがって、Oasis以外のモデルでは"Amzon Ember"と"Amazon Ember Bold"の2フォントが追加されたように見えるはず。欧文フォントなので洋書を読まない人には関係がない。

個人的にはBookerlyで十分読みやすいので、Sans Serif系のフォントで本を読むことはない。

日本語フォントは欧文フォントと比べて文字数が半端ないので、BookerlyやEmberのようにアマゾンの独自開発はありえないだろう。文字よりマンガの読みやすさを優先するアマゾン・ジャパンだし。紙の本を想定して作られている筑紫明朝(それも太さがMediumどころかRegular)なんてE Ink端末に持ってくるセンスが、もうちょっとずれてる。Koboの筑紫明朝ですらMediumだというのに(それだって見やすくはない)。


◎ダウンロードページ
◯Kindle(新無印、第8世代)
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=202065490

◯Oasis
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=202037720

○PWマンガモデル
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201756220

◯PW3(2015)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201756220

◯Voyage
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201630670

◯無印
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201605570

◯PW2(2013)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201307450


◎jailbreak関連
・jailbreakは生き残った。アップデートOK。*.binは再インストールが必要。

・唯一マンガモデルはjailbreak不可。
今のjailbreakでは初期ファクトリーFWにダウングレードしてからjailbreakするので、その初期FWがないうちはどうにもならない。そのためには、電源を入れる前のマンガモデルを持っていて、linuxを使える人が必要だそうだ。mobilereadで協力者を募っていたが、そういう人は出てくるのかどうか。

・KUALの不具合があるようだ。
booklet版のKUALを使っている場合に(*.binを使ってKUALをインストールした場合。第8世代はすべてあてはまる)、問題があるらしい。
USBNetworkがうまく使えなかったり、KUALの削除に問題があったりするらしい。
第8世代は持っていないので、詳細は未確認。

従来のKUAL*.azw2をdocumentsフォルダにコピーしている場合は問題ない。第6、7世代はこちらのKUALを使っていれば問題ないということ。

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