ドイツ語多読本: Walko: Die verlorene Weihnachtspost
Hase und Holunderbärシリーズ。紹介するのは2冊め。
(1冊めは「Walko: Der Dieb in der Heide」)。
今回はクリスマスの話。まだ早いけれども、そろそろクリスマス関連の新刊が出てくる時期ではある。
Walko: Die verlorene Weihnachtspost
1803語
ようやく目的地にたどり着いて、クリスマスツリーに見入っているウサギとクマのコンビ。暗く寒い夜の、雪降る森を抜けてきただけに、暖かな光にほっとする。
クリスマス当日、楽しい夜までにはまだ時間があるぞと、雪合戦を始めるウサギとクマのコンビ。そこに空から手紙が落ちてくる。見ると郵便配達のハトがカバンを抱えて空を飛んでいる。自分たち宛の手紙と思いきや、病気のマーモットがサンタクロースに宛てて、うちに来て欲しいと書いた手紙。このままではサンタクロースに手紙が届かないぞ、と心配になる二人。
それで手紙をサンタクロースに届けようと、サンタクロース探しの冒険がはじまる・・・。
でも、どこをどう探したものか?とまず考え、推測を立てから行動するので、ストーリーも締まって安心できる展開。トナカイは森のエサ場に立ち寄るはずだから、そこを目指そう・・・。そりに食料を積んで出発。
最初は元気いっぱい、凍った川を飛び越えたり、山道を登ったり下ったり、そして、森の動物たちが雪の城を作って雪合戦をしているところに突っ込んでしまったりと、にぎやかで生き生きとした絵とともに楽しい展開。
森のエサ場についてから、先行きに暗雲が立ち込め始める(実際雪も降り始める)。
トナカイのそりの鈴の音が聞こえたと思ったら、エサ場には寄らず通りすぎてしまうのだ。あわてて追いかけるものの、道は二股に分かれている。右か左か・・・?
そして、地面に大きな亀裂、橋は見当たらない。どうにかそりでジャンプするものの、そりは粉々に・・・。
さらに降り続く雪で、クマの腰から下は雪に埋まり、歩けなくなっていくし、雪でサンタクロースのそりの跡も見えなくなっていく。
それだけではない。とうとう夜になってしまう。吹雪の中、周囲も見えなくなっていく・・・。それでも、かわいそうなマーモットを思ってあきらめない二人。
そして、なんとかマーモットの家にたどり着いたと思ったら、サンタクロースのそりはマーモットの家から遠ざかっていく。ああ、間に合わなかったか・・・。
と、はらはらさせつつも、がっかりな結末にはならないので安心。ウサギとクマのコンビがマーモットの家に行ってみると、マーモットの親子はなぜか二人のことを知っているのだ!! その訳は・・・?
もちろん、その答えはサンタクロース。最後まで読んで、あの時のあれはそういうことだったのか、と伏線がはられていたことがわかる、巧みなストーリー展開。さすがサンタクロース、憎いぜ、という結末。
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このシリーズは品切れで入手できないと思っていたら、3冊を1巻にまとめた合本板が2冊出ていた。値段も安いので、かなりお得感がある。
ただし、このクリスマスの話はどちらにも収録されていない
Walko: Hase und Holunderbär. Bärenstarke Freundschaftsgeschichten
Walko: Hase und Holunderbär - Die schönsten Abenteuer
このシリーズで読んだことがあるのはたしか8冊。合本板に収録されていないのがもう1冊あるが、これもクリスマスの話。クリスマスの話は単体でも売れるという計算?
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