Koboの2016年新モデル、公式アナウンス。
kobo本社
http://news.kobo.com/press/releases/announcing-kobo-aura-one:-a-breakthrough-waterproof-ereader-designed-with-the-help-of-real-booklovers
楽天のプレスリリース
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2016/0818_01.html
(楽天はkobo aura Edition2のアナウンスはしてない。)
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kobo本社が発表したのは7.9インチの防水kobo aura ONEと6インチのkobo aura Edition2。
◎koboの製品ページ
kobo aura One: https://us.kobobooks.com/products/kobo-aura-one
kobo aura Edition 2: https://us.kobobooks.com/products/kobo-aura
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評価機を事前に入手していたサイトがはやくもレビューを出しているが、発売前なので細かなところにはあまり踏み込んでいないと思われる。詳しいテストやレビューは発売後になるだろう。
参考になったレビューをいくつか。
○cnet: The new Kobo Aura One e-reader has 4 things the Kindle doesn't
○The Verge: The Kobo Aura One is a big, thin, water-resistant e-reader
○The Digital Reader: Hands On With Kobo Aura One Night Mode (video)
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◎Kobo aura ONE
すでにリークしていた情報でわかっていることが多いが、新しく明らかになったのは、
・発売日:9月6日
・価格:22,800円(税抜)
・重さ:230g
リーク情報では252gだったが、もっと軽かった。H2Oよりもディスプレイは1インチ大きいのに、重さはほんのわずかだがH2Oより軽い。
・防水はIPX8
防水についてはIP67のH2Oより上だが(H2Oは7級、aura ONEは8級)、防塵に対する保証はなくなった。防塵はH2Oは6級だが、aura ONEは"X"。つまりテストしていない。
・CPU: Freescale i.MX6 Solo Lite、1GHz
公式アナウンスでも確認できた。やはりi.MX7Dualではなかった。
・センサーによるフロントライトの自動調節・色温度の調節追加
明るさの自動調節ならKindle Voyageにもあるが、色温度(赤・オレンジ色を強める)の調節も可能になった。楽天のプレスリリースによると
ライトセンサーが自動的に周囲の明るさの度合いを感知し、時間帯に応じて画面を最適な明るさに自動調整します。就寝時間を設定すると、その時間に合わせて太陽光の自然な移り変わりを模倣した色相調整も行います。明るさの設定は、好みに合わせて手動で調整することも可能です。
だそうだ。どんな感じかは
The Digital Reader: Hands On With Kobo Aura One Night Mode (video)の動画参照。明るさも色温度も手動調節可能。
ブルーライトの議論はさておき、この新機能は歓迎すべきことだろう。好みの色味に変えられるかもしれないから。でも、どういう仕組み? 赤いLEDでも追加しているのか。
・日本では提供されないがOverDriveのサポート
OverDriveの図書館から本を借りられる。海外ではすでにKindleで直接OverDriveの図書館から本を借りことができていたわけで、楽天が買収したOverDriveをKoboが利用できないというのは変な話。当然といえば当然。
日本ではサポートされても現状では実質無意味だろう。図書館の利用者IDが必要なので、近所にOverDriveと提携した図書館がないと使えない。日本にOverDriveの図書館はまだ数えるほどしかないはず・・・。
あとはリーク情報と同じだが、スペックをもう一度まとめると
◯ディスプレイ
・7.8インチ E Ink Carta
・解像度: 1872 x 1404
・ピクセル密度: 300ppi
・静電容量方式
◯サイズ・重さ
・195.1 x 138.5 x 6.9 mm
・230 g
参考:
H2O: 179 x 129 x 9.7 mm、 233 g
gloHD: 157 x 115 x 9.2mm、約180 g
Kindle Paperwhite: 169 ×117 ×9.1 mm、 213 g
◯ストレージ
・8 GB
・SDカードスロットはない
◯プロセッサ
Freescale i.MX6 Solo Lite、1GHz
◯RAM
・512 MB
◯フロントライト
・ComfortLight PRO
ライトセンサーによる自動調節、色温度の調節が可能。
◯防水仕様
・HZOのナノコーティング(http://www.hzo.com/参照)で、IPX8。
koboによると、水中2メートルで60分までOK
◯バッテリー
約1ヵ月
(aura Edition2の半分しかない。軽量化のためにバッテリーが犠牲になっているはず)
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◎kobo aura Edition 2
こちらは情報が少ない。楽天はアナウンスすらしてない。kobo本社のプレスリリースでは、日本では2017年に発売、と発表している。
○値段:119.99ドル
スペック
◯ディスプレイ
・6インチ E Ink Carta
・解像度: 1024 x 768
・ピクセル密度: 212 ppi
・タッチスクリーン:赤外線か静電容量か不明
◯サイズ・重さ
・159 x 113 x 8.5 mm
・180 g
参考:
初代aura: 150 ×114 ×8.1mm、174g
gloHD: 157 x 115 x 9.2mm、約180 g
Kindle Paperwhite: 169 ×117 ×9.1 mm、 213 g
◯ストレージ
・4 GB
・SDカードスロットはない
◯プロセッサ
不明(Freescale i.MX6 Solo Liteか?)
◯RAM
不明
◯フロントライト
・ComfortLight
センサーによる自動調節、色温度の調節などはないと思われる。
◯バッテリー
約2ヵ月
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正直言って、aura Edition2はよくわからない製品。
ディスプレイの解像度が1024 x 768、212 ppiって・・・。おまけにフラットじゃないし・・・。初代auraよりもサイズも大きくなって厚くなってるし・・・。
Koboのラインナップの中でどういう位置づけ? 初代auraの廉価版? それともgloHDの廉価版? でも廉価版でその値段?
なんで300ppiにしないかな。gloHDの代わりになる製品じゃないのか・・・。
なら、エントリーモデルKobo Touch 2.0(日本未発売)の代替製品として、もっと値段を安くしなければ意味がない。gloHDと10ドルしか値段が変わらないとは、どういうつもり?
たぶんプロセッサは初代auraよりよくなってるだろうし、パネルもCartaだから見やすくなっているはず。でも、gloHDの300ppiと比べた時に、どっちを選ぶのかって話。
それに、プロセッサがかりにi.MX6だとして、Cartaの6インチで212 ppiというのは、2013年のKindle Paperwhiteがすでに実現していたレベル。そんな過去のスペックに119ドルという値段をつけるという・・・。今のPaperwhiteは300ppiで119ドル、セールがあればもっと安く買える。
個人的には6インチに期待していただけに、ほんとにがっかり。いつになったらKoboはまともな6インチの端末を作ってくれるのだろう。gloHDはリフレッシュ頻度が高い(つまりは表示劣化が速い)点でKindleに性能的に劣っているし、赤外線方式のパネルで感度に対する不安が拭い切れない・・・。
これだったら、いっそKobo aura OneをH2Oと同じ6.8インチにしてくれていたら・・・なんて思う。
aura Oneの作りで、薄くて軽くて小型化した6.8インチなら持ち歩きもなんとかできそうだったな、と。それならあまり迷わず買ったかもしれない。aura Edition2という選択肢はないな。
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対して、Kobo aura Oneは、薄くて軽量、静電容量方式復活、色温度の調整という新機能付きで、評価していいと思える端末。値段はH2Oよりもさらに高くなるが、ディスプレイのサイズを考えると仕方がないかと思える。Kindle Oasisの高級化の方向性には意味を見いだせないが、こちらは性能アップを感じることができる。Oasisよりは安いし。
ただ、aura Oneはやはりでかい。うちにある古いNexus7(2012)と比べると、縦が同じくらいで、横幅は2cm弱広くなって、重さは100g軽い感じか。重さはまあ我慢するとして、6インチに慣れているとやはり巨大。
でも、H2Oからの買い替えなら十分にありだろう(外部SDがどうしても必要な人は除いて)。あとはタブレットを日頃使っている人なら、あの大きさも平気だろう。重さもH2Oよりわずかだが軽い。それに、プロセッサがようやく現在の水準に追いついて、H2Oのネックだった動作速度も改善されそうだし、ストレージも2倍に増える。バッテリーが約1ヶ月と弱体化しているのはマイナスだが、7.9インチなんてどうせ家の中でしか使わないと思えば、我慢できそうではある。
あとは、詳しいテスト待ち。
やはりサイズが大きい7.9インチディスプレイの照明ムラとか、新機能の色温度の調節など、新しい部分が気になる。あとは、Waveform技術を採用しているかどうか、リフレッシュ頻度(表示劣化速度)の問題。