ドイツ語多読本: Martin Baltscheit: Die Geschichte vom Löwen, der nicht schreiben konnte
牙をむいて吠えればOK、他に覚えなきゃいけないことなんかないさ、なんてうそぶく百獣の王ライオン。ところが手紙を書かなければならなくなって・・・。
Martin Baltscheit: Die Geschichte vom Löwen, der nicht schreiben konnte
639語
封筒を模した表紙。消印やら切手が見える。右上の切手の絵が本の中の1ページ。裏表紙は封筒の裏面になっている。
ストーリーはタイトルの通り。字が書けないライオンの話。
ある日、本を読んでいるメスライオンを発見。近づいてキスしようと思うが、本を読んでいるからにはレディに違いない、レディにキスするにはその前に手紙を書かないといけない。この前食べた宣教師がたしかそんなことを言っていたぞ・・・。
というわけで、字が書けないライオンはサルの所に行って手紙を書いてもらう。投函する前に内容が気になって、サルに聞いてみると、「いっしょに木に登らないか、おいしいバナナもあるよ」みたいな文面・・・。
「オレがそんなこと書くか!!」と、怒りのライオンはカバのところに行く・・・。
で、カバに書かせた手紙はというと、「いっしょに川で泳がないか・・・」。で、またライオン、「オレがそんなこと書くか!!」と叫ぶ。そして次はフンコロガシのところへ。
もう流れはわかったと思うが、キリン、ワニ、ハゲタカ・・・と、次々に手紙を書かせてはそのたびに「オレがそんなこと書くか!!」と叫ぶという・・・。その叫びも次第にエキサイトしていき、最後には・・・。
「そんなことオレが書くか!!」は接続法(英語でいう仮定法)だが、文法は気にすることもないだろう。パターンの繰り返しなので内容は簡単に頭に入るはず。
ドイツ語学習者向けの読み物にみたいに、初級だから現在形しか使わないなんていうほうが実はとても不自然。現在形も過去形も完了形も接続法もごたまぜで使っているのが日常だし、そういう日常の言葉が3歳児向け絵本でも使われるのも当然の話。そうやって人は言葉を覚えていくはずで、教科書みたいにまずは現在形から、なんて区別はしない。
表紙からは本の中の絵は予想しにくいが、コミカルな絵柄で、怒ったり絶望したりとライオンの表情もくるくる変わって楽しいし、いろいろな動物もカラフルで見ていておもしろい。
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