ドイツ語多読本: Janell Cannon: Stellaluna
コウモリというと"Fledermaus"の語が思い浮かぶから、ネズミのイメージ。だが、「ネズミ」ではなく、「イヌ」もしくは「キツネ」のイメージのコウモリもいるようだ。
この絵本に出てくるコウモリは"Flughund"。"Flugfuchs"とも言うらしい。飛行イヌもしくは飛行キツネ。辞書を引いたら「オオコウモリ」。大型のコウモリのようだ。
絵本の巻末に解説があって、超音波を出して自分の位置を知るわけではなく、夜でもよく見える目を持っているそうだ。あと草食で果物なんかを食べる。
Janell Cannon: Stellaluna
1496語
なぜかぶら下がらず、枝につかまって枝にとまろうとして、おかしな格好のコウモリ。これがStellaluna、主人公。
赤ん坊コウモリを抱いて空を飛ぶお母さんコウモリ。それを襲うフクロウ。それで赤ん坊を落としてしまうお母さん。それで森に落ちた赤ん坊コウモリは鳥に育てられる・・・。というわけで、鳥のように枝にとまろうとするものの、うまくできない、そんな場面の表紙の絵。
鳥とコウモリでは習性が違うから、ちょっと大変なことになる。足で巣にぶら下がっていると、他のヒナたちも真似をする。それを見た鳥のおかあさんに叱られる。本当は夜行性なのに夜は寝なければならない。草食なのに、他のヒナと同じように虫を食べさせられる・・・・。
それでも健気によい鳥であろうとがんばるStellalunaだが、その姿を絵で見せられるとやはり笑ってしまう。表紙もそうだが、他にも枝に逆さにぶら下がってはいけないと思っているから、手で枝につかまってぶら下がる姿や、いやいやながら目をつぶって虫を口に入れようとする時の表情など。
絵のタッチはリアルだが、そんな滑稽なシーンや愛嬌のある表情もたくさんあって、意外と親しみやすい。体も白っぽい色なので夜空に翼を広げたところなどはきれいでもある。
ある晩、本来夜行性だけあってか夜になっても巣に帰らず飛び続け、疲れて枝にぶら下がっていると(足で逆さにぶら下がるのではなく、手で枝をつかむ)、本来の仲間のコウモリがやってきて、なんでお前逆さなんだ?と聞いてくる。それでようやく自分がコウモリだとわかって、逆さにぶら下がり、夜に飛び回り、果物を食べるという、コウモリとしての喜びを満喫。
と、本来の自分を知ったところでめでたしめでたし、と思いきや、コウモリとしての楽しさをいっしょに育った鳥たちにも体験させようとするから、また面倒なことになるおまけ付き。夜目がきかない鳥たちを夜の飛行に誘ってしまう・・・。
見開きの片方が絵、片方が文章という構成で、語数は多めの1500語。
| 固定リンク
« Kindle:jailbreak方法(5.7.x - 5.8.1.1)その1 準備編 | トップページ | ドイツ語多読本: Martin Baltscheit: Die Geschichte vom Löwen, der nicht schreiben konnte »
コメント