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2016年6月12日 (日)

ドイツ語多読本: Gus Gordon: Herman und Rosie

都会に住む大人のメルヘン。とくに子供向けというわけではない。

Gus Gordon: Herman und Rosie: Eine Geschichte über die Freundschaft

778語
(大判のハードカバー絵本で14.95ユーロなのに、日本のアマゾンでは今のところ1000円と随分安い。在庫処分?)
英語オリジナルならKindle版があるようだ。

昔のLPレコードの黒い円盤が表紙に透けて見えるだろうか。レコードのジャケットを模した表紙。
表紙をめくると、見返しにニューヨークのマンハッタンの地図。HermanとRosieが住んでいる場所をそれぞれ矢印で示している。

二人は隣のアパートに住んでいるが、たがいを知らない。すれ違っても相手のことはわからない、そんな都会の物語。

Hermanは鉢植えと冬のホットドッグの匂いが好きで、オーボエが趣味、野いちごヨーグルトをよく食べ、海の映画を見るのが好き。
Rosieは夏の地下鉄の通気口から流れる風と、歯の裏にくっつくキャラメルが好きで、古いジャズのレコードをよく聞き、非常階段で歌うのも好き、そして海の映画を見るのが好き。

そんな人物紹介から始まり、それぞれの生活の様子が描かれる。Hermanは電話販売のコールセンターで働いているが、物を売るよりもただ人と話せるのが嬉しい。Rosieはレストランで働きながら歌のレッスンを受け、週に一度ジャズクラブで歌う。

他人同士の二人をつなぐのは音楽。
仕事からの帰り道、Hermanはジャズクラブの前で、「ガラス瓶から直接ペロリとなめたハチミツ」みたいな歌を聞く。それに触発されてその晩、屋上でオーボエを吹く。そのメロディをRosieが自分のアパートで聞く。そして、二人ともそのメロディが頭から離れなくなる。どこへ行ってもそのメロディがリピートされる。でも、たがいのことは知らないまま・・・。

そして、Hermanは会社を首になり、Rosieのジャズクラブが閉店する・・・。

表紙に描かれているように、最後はふたりで音楽活動することになるというラストだが、なかなか相手に出会わないところが絶妙な味わい。同じ場所に同じ時にホットドッグを買っているのに、どちらもあのメロディの本人だとは知らないまま。でも、同じ日の同じ時間に同じ場所に出かけるというのは、偶然なのか運命なのか、軽妙な絵の雰囲気とあいまって、そこはやはりメルヘンな物語。

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