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2016年5月 8日 (日)

ドイツ語多読本: Tove Jansson: Mumin und das Lieblingsding

ムーミンの絵本。
絵はヤンソンのものを切り貼りして、色をつけた感じ? 話は新しく作ったものか。2冊読んでみたが、600語と1000語程度だったので多読にはいいかも。オリジナルは児童書とはいえ、数万語の本格的な小説だから。

Tove Jansson: Mumin und das Lieblingsdings

1141語

冬が終わって春が来るとスナフキン(ドイツ語:Schnupferich)がムーミン谷に戻ってくるはず。橋の上で来る日も来る日も待ち続けるムーミン。ところが、スナフキンがやってくる気配はない。いい加減うんざりして、トゥーティッキ(おしゃまさん:Too-ticki)のところへ行ってみると、春の大掃除の最中。しょんぼりしているムーミンを見て、望遠鏡を貸してやるトゥーティッキ。その帰り道に出会ったトフスランとビフスラン(Tofsla、Vifsla)は望遠鏡に興味津々。そして、この望遠鏡がなくなって・・・という話。

もちろん望遠鏡を持っていったのはトフスランとビフスランで、ムーミンもこの二人を怪しいと思っているのだが、印象的なのは、あからさまな態度を取るミイ(Klein-Mü)を除いて、誰もそれを口にしようとはしないこと。
ムーミンママは二人を叱ったり、善悪を説いて反省を促したり、という態度とは無縁で、「盗んだ人はちょっと借りようと思っただけだろうから、返せば大丈夫だよ」と解決の方向性をそれとなく二人に教える。また、望遠鏡を見つけたと言って返しに来た二人を見て、ミイは「そらみたことか」という態度を取るが、ムーミンは見つけてくれたんだから、逆にご褒美が必要だ、と言う・・・。

善悪、白黒をはっきりさせるよりも、さりげない気遣いが主導権を握っていると言ったらいいのか、やさしい雰囲気の物語。トフスランとビフスランの二人にしてからが、「望遠鏡が盗まれた」という言葉を聞くまで自分たちが何をしたのか自覚がなかったようでもあり、確信犯ではないのだろうけれど。

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