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2016年3月17日 (木)

ドイツ語多読本: Kai Meyer: Die Sturmkönige 2 - Wunschkrieg

空飛ぶ絨毯や魔人のジンなど、アラビアン・ナイト的な世界を舞台にした冒険ファンタジー、Sturmkönigeシリーズ第2巻。(第1巻は「ドイツ語多読本: Kai Meyer: Die Sturmkönige 1 - Dschinnland」参照)

第1巻の翻訳『魔人の地 嵐の王』 (創元推理文庫)の続きを一足先に。

Kai Meyer: Die Sturmkönige 2 - Wunschkrieg

94000語

無料で借りられる電子書籍版はOnleiheで。

魔力で動く機械仕掛けの象牙の馬が空を舞い、イフリートを探している・・・

そんな場面から始まる第2巻のタイトルは"Wunschkrieg"。
イフリートは魔人ジンの一種だが、第1巻で人間を襲ったり殺したり、奴隷化したりしていたジンとは別物。願いを叶えてくれるとされる存在。イフリートも象牙の馬も第1巻で登場していたものの、どういう意味があるのかよくわからなかった。が、第2巻でようやくその役割も見えてくる・・・。イフリートがかなえるはずの「願い」(Wunsch)をめぐる「戦い」(Krieg)というわけで、"Wunschkrieg"というタイトルのようだ。

第1巻ではイフリートにかぎらず、いろいろな事柄が謎のままで終わっていたが、全3巻の真ん中にあたるこの巻では、少しずつそれらの謎が明かされていく。52年前、魔術の暴走を止めようとして何が行われ、その結果この世界がどうなったのかなど、物語の根本的な動因が垣間見えてくるので、より興味を持って物語世界に入っていくことができる。

第1巻では、サマルカンドを出発して、ジンの跋扈する危険な砂漠をどうにかわたってバグダッドに到着するまで経緯が語られたが、第2巻でもストーリーは前巻同様、メインの3人の動向を中心に展開していく。

主人公のTarikは、第1巻の最後でバグダッドの宮殿から放り出されたが、恋人になったSabateaを救出しようと、空飛ぶ絨毯で宮殿に突入しようとするが、失敗。父の知り合いの商人に会い、イフリートの「第3の願い」の話を知る・・・。

一方のSabateaはというと、カリフ暗殺のためにバグダッドにやってきたという正体は実はもう見破られていて、さて彼女の運命やいかに・・・と思いきや、実はこのカリフ、魔術の力でどうにか命を保っているらしく、それが辛くて本当は死を望んでいるという予想外の展開・・・。そして、権力維持のためカリフに死なれたくない宮廷魔術師が登場。この宮廷魔術師がイフリート狩りを行なっている。その目的はイフリートの「第3の願い」・・・。

そして、残る3人目はTarikの弟、Junis。彼は「嵐の王」たち(第1巻で出てきた竜巻乗り)のやり方に反感を覚えつつも、彼らと行動を共にする。「嵐の王」たちが駆使する力の中心となっているJibrilという新しいキャラクターも登場、彼らはジンのバグダッド侵攻を阻止しようと、決戦を挑む・・・。

竜巻を駆使する嵐の王たちと怪物を操ってそれに対抗するジンの戦闘場面をはじめとするアクション・シーンは、第1巻同様、緊迫したスペクタルを生み出しているが、それよりも、主人公たちが住む世界の成り立ちが意表をついていたし、イフリートの「第3の願い」の話もちょっとファンタジーらしい発想でおもしろかった。

次の最終巻では、「第3の願い」を求めてバグダッドを旅立つ主人公たちが描かれるようだ。
上では触れていないが、回収されていない伏線もまだいろいろありそうだし、今後の展開が気になるところ。何かどんでん返し的なことがあるのか?


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