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2016年2月

2016年2月28日 (日)

ドイツ語多読本: David Litchfield: Der Bär am Klavier

音楽を求めて、森を出て都会へ行くクマの話。

David Litchfield: Der Bär am Klavier

622語

赤いカーテンの間から見えるピアノとクマ。カーテン部分は実は本のカバーになっていて、カバーを取るとそこは森の中。そんな仕掛けになっていて、この本のテーマがすでに透けて見えてくる感じ。

森の少し開けた場所、陽の光が射しこむ中に置き去りにされたピアノ、そして、後ろ足で立ち上がり、自分の目と同じ高さにある鍵盤に手を伸ばす子グマ・・・。そんな出だしのページ。
ピアノから変な音がして逃げ出すが、次の日またやってくる子グマ。それが何日も何ヶ月も何年も続き、気がつけば、クマは大きなグリズリーに成長し、ピアノからはきれいな音楽が流れ出している。そして、他のクマたちも集まり、耳を傾けるようになる。

そんなクマを人間の女の子が発見する。都会へいけば、たくさんの人の前で演奏できるし、いろいろな音楽を聞くことができる、とクマを誘う。仲間を置き去りにしていくのは心苦しいけれども、森の外の世界の誘惑には勝てず、ボートで川を渡り、都会へ向かう・・・。

そういうストーリーだが、明るく穏やかな森の自然の風景と人工物で満たされた都会の街角、仲間たちに囲まれて演奏するクマと見知らぬ人々の前でスポットライトを浴びながら演奏するクマ、そんな対照が鮮やかにくっきり描かれているのが印象的。

話の展開はとても素直でわかりやすい、安心の心温まるラスト。クマの表情が妙に人間的。
文法的には接続法や過去完了もあるので難易度高めなんだろうが、文法をチェックするために本を読むわけじゃないし・・・。

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2016年2月24日 (水)

ドイツ語多読本: Emely Gravett: Mathildas Katze

ネコの着ぐるみを着た女の子と、なかなか誘いに乗ってこないネコ、それぞれの表情がユーモラスに描かれた絵本。

Emily Gravett: Mathildas Katze

73語

最初のページを開くと、
「Mathildaのネコは毛糸玉で遊ぶのが好き」という文といっしょに現れるのは、Mathildaが投げた毛糸玉が飛んでくるのを驚いたふうに見ているネコの様子。

それで次のページに行くと、
毛糸玉で遊ぶ
 箱」
と、毛糸玉で遊ぶに打ち消し線、その下に「箱」の一言。そして、箱のなかに隠れて取っ手の穴からネコを見ているMathilda。対するネコは箱から距離を取って見ているだけ、という絵。

この打ち消し線はなんだろうと思って、次のページをめくると、
毛糸玉で遊ぶ、
 箱、

 三輪車に乗る!」
と、打ち消し線が増えて、三輪車に乗るMathildaの後ろ姿に、そこから飛び降りて逃げ出すネコの姿・・・。

というわけで、Mathildaはネコが好きなもの、いっしょに遊べるものを探しているらしい。そのチャレンジする姿が次々に描かれていくというストーリー。

懸命にいろいろチャレンジするMathildaの様子はかわいらしく、逆に、ネコらしくマイペースに、ある時は冷淡に、ある時はまるで無関心に、あるいは驚いたりするネコの姿は表情豊かで、Mathildaとの対照的な様子も楽しい。輪郭線も鉛筆で書かれているようで、色彩もそうだが、全体的に柔らかく、やさしい絵柄。

いくらがんばってもネコが興味を示さないので、さすがにMathildaも最後は頭にきて、着ぐるみを脱ぎ捨ててどこかに行ってしまう。すると、ネコのほうは・・・と、もちろん安心の結末。


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2016年2月20日 (土)

Kindle: スクリーンセーバー・カスタマイズ(jailbreak)

Kindleのスクリーンセーバーを変更する方法。

◎条件
・jailbreak済みであること。
・KUALからMR Package Installerまでのインストールが終わっていること。
Kindle: 5.6.5 jailbreak方法」参照
Kindle:jailbreak方法(5.7.x - 5.8.1)その1 準備編」以下参照
・それから当然、キャンペーン情報なしのモデルであること。

◎FW 5.x ScreenSavers Hack のスレッド
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=195474
インストール方法、設定方法などはここを参照。もしくはReadme.txt。

◎スクリーンセーバー・ハックのインストール
snapshotの最新版を使う。
1. Snapshots of NiLuJe's hacks
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=225030
Packages targeting the Kindle 5 (Touch/PW1/PW2/KT2/KV/PW3):から
kindle-python-0.14.N-rXXXX.tar.xz
kindle-linkss-0.24.N-rXXXX.tar.xz
をダウンロード・解凍(XXXXはリビジョン番号)

2. KUAL経由でインストール
解凍してでてきた、
Update_python_0.14.N_install_pw2_kt2_kv_pw3_koa_kt3.bin
Update_linkss_0.24.N_install_pw2_kt2_kv_pw3_koa_kt3.bin

kindle の mrpackages フォルダにコピー

3. KUALでインストール
KUAL > Helper+▽ > Install MR Packages
の順にタップしていく。
再起動後、スリープにしてみて、こんな画像が出れば成功。
00_you_can_delete_me

◎スクーリーンセーバーには3つモードがある
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Behaviors▽ とタップしていくと、こんなメニューになる。
Ss_kual01 Ss_kual02 Ss_kual03
1. Image Cycle(デフォルトなのでメニューから消えている)
  Random Image Cycle
  Shuffled Image Cycle
 自分で追加したカスタム画像をスクリーンセーバーにする
2. Last Screen
 最後にディスプレイに表示されていたものをスクリーンセーバーにする
3. Cover
 読んでいる本の表紙をスクリーンセーバーにする

◯KUALの動作について少し
KUALのメニューは動的に変化する。たとえば、"Last Screen"を選んでタップすると、KUALのメニューが更新されて、"Last Screen"の項目は消える(選択できなくする)。代わりにデフォルトの(メニューから消えていた)"Image Cycle (Default)"の項目が出現する。
メニューが更新されると、KUALのトップ画面に戻る。更新には少し時間がかかるので、画面下に出るメッセージを見ておく。もし操作途中にトップ画面に強制的に戻されたら、待ちきれなかった自分がいけないのだ、と思うこと。KUALがおかしいのではない。

では上から順に設定方法を。

◎追加したカスタム画像を表示する
◯Image Cycle(Default)
追加したカスタム画像を順番にサイクル表示する。
設定方法:
1. スクリーンセーバーにする画像の用意
 フォーマット: PNG
 サイズ:
  PW1(2012)/PW2(2013): 758x1024
  PW3(2015)/Voyage: 1072x1448
 可能ならグレースケールで。
** これ以外のフォーマット、サイズの画像は表示されない **

2. 用意したスクリーンセーバー画像を所定のフォルダへ
kindle の linkss/screensavers フォルダへ

3. KUALでframeworkを再起動して変更を反映させる
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now
(再起動中に、"S checking screensavers...."の表示が画面下に出る)

◯Random Image Cycle
frameworkの再起動時やkindleの再起動時に、カスタム画像の表示順をシャッフルするもの。再起動時に順番を一度シャッフルするという意味。あとはその順番で画像がサイクルするということ。スリープのたびに表示される画像の順番がランダムになるわけではない。
設定方法:
1. KUALで、
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Behavior▽ > Random Image Cycle

2. 設定を変更したら、かならずframeworkをリスタートする
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now

◯Shuffled Image Cycle
動作はRandom Image Cycleと同じ。ただ、autorebootの設定をした場合に適用される。
autorebootというのは、USB接続を解除した時に自動的にkindleを再起動させるもの。
KUAL > Screen Savers▽ > Enable autoreboot feature (Legacy Def.)
でautorebootは有効になるが、時間のかかるkindleの再起動をしなくても、KUALからframeworkの再起動をすれば済むので、たぶんこれは過去の名残り。

こんな感じ。
Ss_cycle
左がVoyage、右がPW2

◎ラストスクリーン・モード
表示されていた最後のスクリーンをスクリーンセーバーにする。本のページ、ホーム画面あるいは設定画面だろうと、最後に見ていた画面がスクリーンセーバーになる。
自分でスクリーンセーバー画像を用意する必要はないし、カスタマイズのオプションもないし、一番楽に設定できる。
設定方法:
1. KUALでラストスクリーン・モードに設定
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Behavior▽ > Last Screen

2. 設定を変更したら、かならずframeworkをリスタートする
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now
(再起動中に、"S last mode setup..."の表示が画面下に出る)

画面上下に黒い帯が入るのでスクリーンセーバーだとわかる。
Ss_last01
開いた本のページがスクリーンセーバー

Ss_last02_2
設定画面と本のリスト表示でスクリーンセーバー

Ss_last03
フォント設定画面やX-RAYでも。Voyageは5.6.2.1なので、設定ウィンドウは旧式のまま。


◎カバー・モード
読んでいる本の表紙をスクリーンセーバーにする。
◯デフォルトの設定
設定方法:
1. スクリーンセーバーをカバー・モードにする
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Behavior▽ > Cover
(KUALのメニューが更新されるまで少し時間がかかる。自動的にKUALのトップ画面に戻るはず)
これでKUALのメニューに"Cover Mode Behavior▽"という項目が追加される。
そこからカバー・モードのカスタマイズができるが、とりあえずそのままデフォルトで設定してみる。

2. 設定を変更したら、かならずframeworkをリスタートする
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now
(再起動中に、"S cover mode setup..."の表示が画面下に出る)

カバー・モードの場合、スクリーンセーバー画像ができるまで少し時間がかかるので、本を開いてすぐにスリープにしても表紙画像は出てこない。処理中だ、みたいな画像が出る。少し待つこと。
それから、時計の時刻がずれていると、正しい本の表紙が表示されないらしいので、時刻のチェックを。

◯カバー・モードのオプション
KUAL > Screen Savers▽ > Cover Mode Behavior▽
と進むと、
Black Borders: 画像に黒い縁をつける
Stretch to fullscreen: 画像を拡大して隙間を埋める(縦横比は無視)
Autocrop: 画像をサイズに合わせて切り取る(縦横比はそのまま)
Add Personal Info ...: パーソナル情報を表示(後述)
No Dithering(LowMem): ディザリングしない
Riemersma Dithering: Riemersma方式のディザリング(よくわからない)
Handle periodicals: 定期購読雑誌(日本では雑誌の定期購読はないはず)

設定を変更したら、過去の表紙画像のキャッシュを消去してから、
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Tools > Clear cover cache
かならずframeworkをリスタートする。
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now

◯カバー・モードのパーソナル情報の表示
「パーソナル情報」(Personal Info)って何? と思うが、これはKinldeの設定で入力した情報のこと。具体的には、
Kindleの「メニュー」ボタン > 「設定」 > 「端末オプション」 > 「Kindleのカスタマイズ」 > 「端末名と個人情報」 > 「端末メモ」
で入力した情報のこと。kindleを紛失した場合に、拾った人に持ち主の連絡先がわかるようにするためのものか?

この情報がスクリーンセーバーの表紙の下のほうに、バナーで表示される。デフォルトでは、
If found, please contact:
の後ろに「端末メモ」の入力情報が表示される。何も入力していなければ、
Ss_cover_pinfo
のようになる。

この"If found ..."の文字列はカスタマイズできる。
Ss_cover_pheader
「端末メモ」に何か入力する必要もないし、適当に文字列を書き換えて利用するのがよさそう。

1. 設定に必要なファイルを作成
pinfo_header(拡張子なし)という名前のファイルをエディタで作成
表示させたい文字列を適当にエディタで。ただし日本語はNG。"???"となって表示されない。
また、改行コードをLF(unix式)にできるエディタを使う。Readme.txtによると、改行コードのCRはセミコロンに変換されるそうだ。編集が終わったら、
pinfo_header を kindle の linkss フォルダへ

2. KUALでカバーのキャッシュ、Personal Infoのキャッシュを削除する
KUAL > Screen Savers▽ > Screen Savers Tools > Clear cover cache 続けて Clear personal info cache

3. Personal infoを有効にする
KUAL > Screen Savers▽ > Cover Mode Behavior▽ > Add Personal Info Watermark
(KUALのメニューが更新されるまで少し時間がかかるので、待つ)

4. 設定を変更したら、かならずframeworkをリスタートする
KUAL > Screen Savers▽ > Restart the framework now

Ss_covermode
デフォルトのカバー・モードは単に表紙を表示するだけで、開いた本の表紙を表示させているのか、スクリーンセーバーなのか区別できない。なので、Personal Infoをカスタマイズして表示させてある。区別するには表紙画像に黒枠をつけるオプションもある。

とりあえずこのくらいの説明しておけば大丈夫かな。
kindleのスクリーンセーバーはどぎついものが多いので、変えたい人もいるはず。昔は文豪の肖像画だったりと、もっと穏やかで、まともだったのに。本を読んでいるときにはどうでもいいことではあるが・・・

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2016年2月16日 (火)

ドイツ語多読本: Quint Buchholz: Schlaf gut, kleiner Bär

クマのぬいぐるみの話だが、絵は子供向けのデフォルメもなく、文字通りカメラで写し撮ったかのよう・・・。

Quint Buchholz: Schlaf gut, kleiner Bär

806語

窓から外を眺めているぬいぐるみのクマ。画像で見えるかどうかわからないが、ぬいぐるみの毛羽立った質感も絵で再現されていて、窓ガラスにクマの顔や部屋のカーテンが写り込んでいる。そのくらい細かく描きこまれている。

おやすみの物語を聞いたり、お祈りをしたり、キスしてもらったり、一口水を飲んだりと、寝る前のルーティンをこなしてベッドに入るものの、寝つけない。窓際に本を積み重ねて、階段を作り、窓から外を眺めるクマ・・・。

そこに広がる風景、それと結びついた記憶。
たとえば昼に海賊ごっこをして遊んだ川の桟橋。川面に反射する月の光と暗い緑の草地に明るく浮かび上がる桟橋とボート小屋、川に浮かぶアヒル。

また、森の端、草地で大きな月に向かって両腕を上げているようなカカシの後ろ姿、草原にシカの黒い影。カカシの帽子には子供たちが通りかかった挿していった花、腕には鳥がとまり、傘がぶら下がっている。

また、クマの思いは窓から見えない風景にも飛んでいく。
隣町で見かけたサーカスのテント、今頃はきっと公演も終わって、道化がバイオリンで子ゾウに子守唄を演奏している・・・。

などなど、たとえばこんな風景がていねいに美しく描きこまれた一枚の絵になって、目に飛び込んでくる。で、この絵が写実的でもあり、妙な非現実感もある。

それは明るすぎる月の光のせい。窓から差し込む月の光が部屋にくっきりと影を作るほど。上の画像でもわかるかもしれない。それ以外の絵も、他に明かりはないのに、草地の緑、柵の木の色、風船の赤い色まで見えてしまう。
そして、絵の全体を覆う粗い粒子感。どこかで見たことがある感じだと思ったら、それはデジカメのディスプレイなんかで目にしたことがあるもの。無理に露出を上げると、暗い場所も見えてしまうあの粒子の粗い画面・・・。

ついでなので言っておくと、夜なのにヒツジが草を食べているんだけど、ヒツジって夜行性? 昼間の風景をそのまま夜に、太陽を月に変換して人工的に作り出した光景なんじゃないかって気もしてくる。

ともあれ、絵は写真のようにきれいでありながら、ただの写実ではないという絵がとにかく印象的な絵本。

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2016年2月13日 (土)

Kindle:アップデート 5.7.2.1 

5.7.2がリリースされたと思ったら、5.7.2.1。

◎ダウンロードページ
◯PW3(2015)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201756220

◯Voyage
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201630670

◯無印
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201605570

◯PW2(2013)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201307450

アマゾンのページには説明はないが、フォントの変更があった模様。
下の記事によると、5.7.2でメニューや本のリスト表示などUI用に導入されたフォント(書籍本文用のフォントではない)が細くて読みにくいので、元のHelveticaに戻したそうだが・・・

・Amazon is rolling back the anorexic Helvetica in the latest Kindle update—but the job still isn’t done
http://www.teleread.com/amazon/amazon-rolling-back-evil-font-change-kindle-update-thanks/
アマゾンの広報からメールがあって、
Helveticaの太さの違いはすでに気づいていた問題で、5.7.2がユーザーに行き渡る前に、修正した5.7.2.1をリリースした、とか。そんな感じらしい。

ゴシック的な外見のHelveticaが細くなって見にくくなったというのは、そうとう外国の人もフォントに敏感なんだな、と思ったが、5.6.5と較べてみたら、それなりフォントの太さは違う。5.7.2では本のリスト表示のフォントが小さくなったせいもあるだろう。

(ただ、5.6.5で言語設定をドイツ語にすると、本のリスト表示などのUIのフォントはHelveticaではなく、Futuraみたいなんだが? それから5.7.2で導入されたUI用のフォントは正確にはAmazon Emberという名前。記事の人はサンセリフのことをHelveticaと言っているのかもしれない・・・)

5.7.2.1に上げていないので実際に確認してはいないが、でもこれはUIを日本語にしているユーザーには関係がない問題だろうと推測。日本語環境ではメニューその他のUIのフォントは日本語のゴシック・フォントで、Helveticaその他ではないので。

-- 訂正 --
5.7.2.1にアップデートして確認してみた。
日本語環境ではUIに使われるのは日本語のゴシックなので、メニューなどのフォントは5.6.5も5.7.2も5.7.2.1も変わりはない。Helveticaのフォントそのものは5.7.2.1で太いものに戻る。

UIの言語設定を日本語以外の英語などにすると、5.7.2以降はメニューなどのUIに使われるのは新フォントのAmazon Ember。こちらもメニューなどのフォントは5.7.2も5.7.2.1も変わらないし、Helveticaも太いものに入れ替わる。

というわけで、メニューなどUIのフォントが変わるのは、日本語以外の環境で5.6.5から5.7.2以降にアップデートした場合。5.7.2と5.7.2.1の違いは、書籍本文で使われるHelveticaが太いものに戻る、ということか。
-- 訂正おしまい --

--

この前jailbreakしたPW2を5.7.2に上げてみた。
ホーム画面の変更が5.7.2最大の変更点だが、まあどうでもいいな。
オフにできるし(メニューの「設定」 > 「端末オプション」 > 「Kindleのカスタマイズ」 > 「詳細設定」 > 「ホーム画面の表示」オフ)。

オフにしなくても、横スワイプで「マイライブラリ」(昔のリスト表示、もしくはグリッド表示=昔の表紙一覧)になるので、あまり気にならない。逆にスワイプすれば新ホーム画面になる。メニューのホームボタンで「マイライブラリ」に戻りたい場合はオフで。

新しいホーム画面はたぶん使わないと思うが、「マイライブラリ」(リスト表示)はすっきりしていて、こっちのほうが好み。これまでのホーム画面には飽きがきていたのかもしれない。


◎jailbreak関連
この前リリースされたjailbreakは5.6.5以外のバージョンには使えないので、jailbreakするつもりなら5.7.2以上にアップデートしてはいけない。5.6.5の段階でjailbreakして、それからFWをアップデートするのは問題ない。

ただし、5.7.2に上げたら、ファクトリー・リセットしてはいけない。ファクトリー・リセットでjailbreakは失われる。それからもう一度同じ手順でjailbreakしようと思っても、もう無理。なぜなら5.6.5限定のjailbreakだから。そして、FWをダウングレードする方法もいまのところない。

5.7.2に上げてもjailbreakは生き残るのは確認した。
フォント・ハックなど(*.binで提供されているもの)は再インストールの必要がある。KUALのextensionはそのままでかまわない。

5.7.2.1に関しても、jailbreakは生き残ったという報告があるので問題ないだろう。


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2016年2月11日 (木)

Kindle: 和文・欧文フォント入れ替え(jailbreak版)

-- 追記 --
FW5.8.7以降、Amazon Ember Boldが追加された影響で修正が必要になった。
下記の「◎和文フォント入れ替え」以下で説明。
-- 追記おしまい --

5.6.5のjailbreakがようやくリリースされたので、フォント入れ替え方法をあらためて。

筑紫明朝(ja.font)の中身を偽装するのとは別のやり方。もちろんjailbreak済みであることが条件(jailbreakそのものについては「5.6.5 jailbreak方法」、または「Kindle:jailbreak方法(5.7.x - 5.8.1)その1 準備編」以下参照)。

ja.fontの偽装は当然、日本語フォント、それも筑紫明朝の入れ替えしかできない。
jailbreakのフォント・ハックではもちろん欧文フォントの入れ替えもできるし、さらには、デフォルトの明朝やゴシックの入れ替えもできるというのが利点。

◎フォント・ハックのインストール
◯ダウンロード
今の段階ではsnapshot。
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=225030
Packages targeting the Kindle 5 (Touch/PW1/PW2/KT2/KV/PW3): から
 kindle-python-0.14.N-rXXXXX.tar.xz
 kindle-linkfonts-0.13.N-rXXXXX.tar.xz
をダウンロード。snapshotなのでリビジョン番号XXXXはよく変わる。フォントの入れ替えにはPythonが必要。
使い方など、詳しくはフォント・ハックのスレッドを。
FW 5.3.x - 5.7.x Fonts Hack
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=219405

◯インストール
1. 解凍したら、
Python/Update_python_0.14.N_install_pw2_kt2_kv_pw3_koa_kt3.bin
Fonts/Update_linkfonts_0.13.N_install_pw2_kt2_kv_pw3_koa_kt3.bin
の2つを、
kindleの mrpackages フォルダにコピー

2. KUALでインストール
KUAL > Helper+ ▽ > Install MR Packeges
の順にタップしていく。


◎フォント入れ替えの手順
1. 入れ替えるフォントをkindleに追加(場所は linkfonts/fontsフォルダ)
2. KUALでフォント・キャッシュを更新する
3. 追加したフォントがKUALから見えるようにする(KUALでの作業)
4. 必要なら、設定ファイル(テンプレート)の編集(和文フォントの場合は必要)
5. KUALでフォントを入れ替える
(カスタム・フォントを削除した時も1、 2、 3 の作業を)

基本、フォントをkindleにコピーしたらKUALでタップ操作するだけ、ということ。
テンプレートの編集にしても、フォント名を変更する程度で終わる。
jailbreakできていれば、ja.fontの偽装より簡単かもしれない。

◎欧文フォント入れ替え
まずは設定ファイルをいじらず、KUALの操作だけでできる欧文フォントの入れ替え。
入れ替えをしても問題がないCaecilia Condensedを例に説明。

Charis SIL CompactLargerに入れ替えてみる。
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=2861013&postcount=9 のCharisSILCompactLarger+-+Hinted.rar。

◯前準備
1. フォントをkindleに追加
解凍したら、
CharisSILCompactLarger-R.ttf
CharisSILCompactLarger-I.ttf
CharisSILCompactLarger-B.ttf
CharisSILCompactLarger-BI.ttf
この4つを、
kindle の linkfonts/fonts フォルダへ
欧文フォントの場合、レギュラー、イタリック、ボールド、ボールドイタリックの4つがそろったフォントにすること。

2. フォント・キャッシュを更新する。
KUAL > Fonts ▽ > Fonts Hack Behavior ▽ > Update fontconfig cache
の順にタップしていく。(frameworkが再起動する)

3. KUALから見えるようにする
KUAL > Font Overrides ▽ > Populate this menu
終わったら、
(KUAL > Font Overrides ▽ >) Condensed ▽ > Custom ▽
と進むと、
"Charis SIL CompactLarger"が追加されているのがわかる。

Jb_kual_font

TsukushiMincho(筑紫明朝)は元から入っている。さらに、KoKin明朝とBitterが追加してある。

◯入れ替え手順
KUAL > Font Overrides ▽ > Condensed ▽ > Custom ▽ > Charis SIL CompactLarger
の順でタップしていく。
それから、
KUAL > Fonts ▽ > Restart the framework now

以上で終了。
本を開いてみて変わっていなかったら、一度別のフォントに切り替えてから、戻してみる。
左がデフォルのままのCaecillia Condensed、右がCharis SIL CompactLargerに入れ替えたもの

Jb_condensed_charis_menu

本当なら、さらに念を入れて
Restart the KF8 reader now > 本を開いてチェック
Restart the X server now > 本を開いてチェック
そしてkindleを再起動。

試行錯誤していろいろやった後は、最後に再起動しておくのがよさそう。

◎和文フォント入れ替え
こちらはちょっとファイルをいじる必要がある。テンプレートが用意されている。kindleの linkfonts/etc フォルダにある*.tpl。この中の fc-override-fallback.tpl を使う。

以前、fc-override.tpl を使うやり方を紹介したが、これだと欧文フォントが意図しないものに変わったりして不具合が出るようで、CJK(中・日・韓)フォントは fc-override-fallback.tpl を使え、ということらしい。

とりあえずKoKin明朝を例に。
KoKin明朝にはボールドはないが(元のIPAフォントにボールドがない)、本来は同じファミリーのボールドフォントもいっしょに追加する。kindleデフォルトの明朝・ゴシックと筑紫明朝にはボールドフォントもついてきている。

◯前準備
1. フォントをkindleに追加する
KoKinMincho-xxx.ttf
を、
kindle の linkfonts/fonts フォルダへ

2. フォント・キャッシュを更新する。
KUAL > Fonts ▽ > Fonts Hack Behavior ▽ > Update fontconfig cache
(frameworkが再起動する)

3. KUALから見えるようにする
KUAL > Font Overrides ▽ > Populate this menu
終わったら、
(KUAL > Font Overrides ▽ >) Condensed ▽ > Custom ▽
("Condensed ▽"以外でもいいが、"Custom ▽"をタップ)
「KoKin明朝」が追加されているのを確認。

◯テンプレートを編集する
サンプルを作ったので、サンプルを見ながら。
テンプレート・サンプル: fc-override-fallback-japanese.tpl

テンプレートに、「明朝」、「ゴシック」、「筑紫明朝」のエントリーを追加してある。
下の方の <!-- japanese fonts --> 以下。
kindleの「明朝」は TBMincho、「ゴシック」が TBGothic、「筑紫明朝」が TsukushiMincho。

たとえば、筑紫明朝をKoKin明朝に入れ換えるなら、
       <match target="pattern">
                <test name="family" compare="eq">
                        <string>TsukushiMincho</string>
               <test>
               <edit name="family" mode="assign" binding="strong">
                       <string>TsukushiMincho</string>
               </edit>
       </match>
となっているのを
       <match target="pattern">
                <test name="family" compare="eq">
                        <string>TsukushiMincho</string>
               <test>
               <edit name="family" mode="assign" binding="strong">
                       <string>KoKinMincho</string>
               </edit>
       </match>
とすればよい。変更するのは太字部分だけ。
エディタは念のため、改行コードをLF(unix)にできるものを。

<string>〇〇</string>の、〇〇(上の太字部分)はフォントのファミリー名。
"KUAL > Font Overrides ▽ > Condensed ▽ > Custom ▽"とタップしていって見えていたものがファミリー名。KoKin明朝の場合はローマ字でも通じる。

◯テンプレートをリネームしてkindleへ
テンプレートの編集が終わったら、
fc-override-fallback-japanese.tpl を
99-override-fallback-japanese.conf などに名前を変更
そして、
99-override-fallback-japanese.conf を
kindleの linkfonts/etc/conf.d フォルダへ

◯KUALでそれを反映させる
KUAL > Fonts ▽ > Restart the framework now

以上で、入れ替えは終了。
いろいろ試したら、最後に再起動。

-- 追記 FW5.8.7以降は要修正 --
Amazon Ember Boldなど新たに追加されたフォントをfontconfigのconfファイルで改めて指定してやる必要がある。とりあえずの対処法。

このファイル(「98-override-jp-sans-serif-ember.conf」)を、
1) PCにつないだkindleの、linkfonts/etc/conf.d/フォルダにコピー
2) KUALを起動して、Fonts▽ -> Restart the framework now とタップしていく

上記のサンプルfc-override-fallback-japanese.tpl(99-override-fallback-japanese.conf)に同じ内容を追記すると、本のリスト表示でフォントがなぜか斜字体になってしまうので、別ファイルでsans-serifのフォントを指定した。
-- 追記おしまい --

デフォルトの明朝をKoKin明朝に入れ替えた場合
右がデフォルトの明朝、左がKoKin明朝に入れ替えたもの

Jb_font_mincho01

筑紫明朝をKoKin明朝に入れ替えた場合
右がデフォルトの筑紫明朝、左がKoKin明朝に入れ替えたもの

Jb_font_tsukushi01


fc-override-fallback.tplを使ってフォントを入れ替えると、メニューやリスト表示などのフォント表示が少し変わる。全角はデフォルトのゴシック(TBGothic)のままだが、アルファベットや数字など半角文字が欧文フォント(システムの中にごちゃごちゃあるフォントのどれか)(訂正:Futuraのようだ)になってしまうようだ。理由はよくわからない。見た目は少し変わるがとくに支障はないだろう。
左がデフォルト、右がフォントを入れ替えた場合

Jb_home


ゴシック(TBGothic)を変更すると、書籍の本文だけでなく、メニューや辞書のフォントも変わるので注意が必要。
下の画像はフォントの入れ替えではなく、ゴシック(TBGothic)のサイズを変更した例だが、メニューや辞書のフォントサイズも変わる。
右がデフォルト、左がゴシックのフォントサイズを大きめにしたもの

Jb_menu_ui_110

Jb_dic_menu_ja_110

ゴシック(TBGothic)を1.1倍にしている。
目が悪いなど、辞書のフォントを大きくしたい人にはいいかもしれない。
FONT_RAMP/CJK_FONT_RAMPによるフォントサイズのカスタマイズでは辞書やメニューのフォントサイズを変えることはできない。フォントサイズのカスタマイズについては、また後日。


◎同じテンプレートを使って欧文フォントを入れ替える
99-override-fallback-japanese.conf で欧文フォントも入れ替えることができる。
たとえば、Palatinoを〇〇フォントに変えるなら、
上記手順でフォントを追加した後、

1. 98-override-fallback-japanese.conf 書き換え(サンプル参照)
       <match target="pattern">
                <test name="family" compare="eq">
                        <string>Palatino</string>
               <test>
               <edit name="family" mode="assign" binding="strong">
                       <string>◯◯</string>
               </edit>
       </match>
〇〇に使いたいフォントのファミリー名を入れる。
Charis SIL CompactLargerに変えるなら、大文字・小文字の区別、スペースの有無も正確に
Charis SIL CompactLarger と記入する。

2. 変更を反映させる
KUAL > Fonts ▽ > Restart the framework now

PalatinoをCharis SIL CompactLargerに入れ替えた場合
左がデフォルトのPalatino、右がCharis SIL CompactLargerに変えたもの

Jb_palatino_charis_menu


同じCharis SIL CompactLargerでも、どのフォントと入れ替えるかによって行間が違ってくるようだ。
左からそれぞれ、Baskerville、Caecillia Condensed、Palatinoと入れ替えている。

Jb_bcp_menu

Jb_bcp

欧文フォントの入れ替えには、このあたりも考慮に入れたほうがいいかもしれない。

Sans系のHelveticaとFuturaはメニューその他のUIでも使われていて、変更すると問題が出るかもしれない(試していない)。ただ、FW3.7.2にではUI用のフォントとして、Amazon Emberというフォントが新しく追加されたらしく、事情は変わっているかもしれない。3.7.2に上げていないので詳しくはわからない。
-- 追記 --
FW5.7.2以降ではUI用のAmazon Emberが追加されたので、HelveticaとFuturaを他のフォントに入れ替えても問題ない。つまり、メニューや本のリスト表示のフォントに影響しない。
FW5.6.5以前では、FuturaとHelveticaを入れ替えると、影響がある。
-- 追記おしまい --

好きなフォントで楽しい読書を!

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2016年2月 7日 (日)

Kindle: 5.6.5 jailbreak方法

予告通り、5.6.5対象のjailbreakがリリースされた。

http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3253662#post3253662

スレッドのトップページ
5.6.5 Jailbreak (closed-kindle) -- released!
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=265675

一昨年のVoyage発売以降はシリアル接続するしかなかったjailbreakだが、ようやくkindleを物理的に開ける必要がなくなった。

◯注意
ファームウェアが5.6.5であること。これが条件。
-- 補足追記 --
5.6.5以外は受けつけないという意味。
・5.7.2以上は不可。さらにファームウェアのダウングレードも不可。
・5.6.1.xから5.6.2.xは5.6.5に上げることでjailbreakできる。
・ただし、過去にjailbreak済みなら、5.7.2xでも下記のhotfixを適用すればOK。
・5.4.xは従来通りの方法でjailbreakを。
-- 追記おしまい --

◯必要なファイル
・jb.zip
上と同じ:
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3253662#post3253662

・JailBreak-1.14.N-FW-5.x-hotfix.zip
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3004892&postcount=1597

◯前準備
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3253662#post3253662
の説明では、
PCにwebサーバーを立て、そこにKindleのブラウザでアクセスする、というやり方。
それからサーバーのホスト名は"a"にしろ、という注文みたいなので、webサーバーのほかにDNSもなんとかしないといけないという、ちょっと面倒なもの。

サーバー類設定の手間は、ここに書かれているサイトを利用すれば省略できて、jailbreakはあっさり終わるはず。ただしこのサイトを信用する勇気があるなら、の話(jailbreak作者本人はお勧めしないと言っている)。

-- 追記 --
スレッドのトップページに、上記サイトを使ったjailbreak手順説明へのリンク(post by mj52)がはられたので、このサイトを使っても大丈夫そう。jailbreakの作者は危険の可能性がゼロではないので、自分でサーバー立てたほうがいいと言っている(その下の#528のポスト)。

いずれにせよ、利用するなら自己責任で。
以下の「◯前準備」のサーバーの説明は飛ばして、「◯jailbreakの手順」から読めばよい。
-- 追記おしまい --

-- さらに追記 --
サーバーいらずの簡単設定
たぶんこれが一番簡単なはず。5.7.2に上げてしまったので実際に確認してはいないが、動作報告はあり。
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3265373&postcount=771
動作報告:
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3268532#post3268532

下記の「◯jailbreakの手順」に「◆サーバーなし簡単編」を追加しておいた。
-- 追記おしまい --

自分で何とかするなら、チュートリアルももう出ている。
Linuxでのやり方:
https://www.reddit.com/r/kindle/comments/44cphx/how_to_do_the_new_jailbreak/

Windowsでのやり方:
https://www.reddit.com/r/kindle/comments/44e4m0/tutorial_how_to_jailbreak_kindle_paperwhite_using/

これらとはちょっと違ったやり方でやったので、簡単に手順を。
環境はubuntu。

◯前準備
1. Webサーバーの準備
apacheインストール

sudo apt-get install apache2

インストールすると自動的に起動。ポートも80番になっているので、設定を変える必要はなかった。
あとは、
jb.zip を解凍して、その中の
frame.html
index.html
jb.html
を /var/www/にコピー。
そして、サーバー再起動
sudo service apache2 restart

2. DNS
dnsmasq を使ってみた。

sudo apt-get install dnsmasq

インストール後、起動に失敗したというメッセージが出るが気にしない。設定後再起動が必要だから。

1) PCのホスト名(コンピュータ名)をaに変える。
エディタで、/etc/hostname を編集。

a
一文字だけにする。

2) /etc/hosts をエディタで編集
PCのIPアドレスに a を割り当てる。

192.168.xx.xx  a
1行追加。192.168.xx.xxは自分のPCのIPアドレス

3) ネットワーク、dnsmasqの起動し直し

sudo service network-manager stop
sudo service dnsmasq start
sudo service network-manager start

4) 最後にルーターでDNSサーバとしてこのPCを指定する。
ルーターによって設定の仕方が違うので、各自で。
プライマリDNSをさっきの192.168.xx.xx(PCのIPアドレス)に。

これで準備は終了。kindleのブラウザを起動して、アドレス欄に"http://a"と入力してアクセスできるかどうか確認。それでいったんブラウザを閉じる。

あとはKindleでの作業。

◯jailbreakの手順
作業途中、jailbreakに入る前に、ファクトリー・リセットしろ、というメッセージが出る。なので、
・documentsフォルダをバックアップした後、
・ファクトリー・リセット、Kindleの登録
・jailbreak
・バックアップを戻す

が、面倒なので、ファクトリー・リセットは省略した。実験。結果としては、ファクトリー・リセットしなくても大丈夫なようだった。ファクトリー・リセットなしでやったという報告も多数ある。が、保証はしない。

◯手順
下記の1.と2.は、「サーバー利用編」と「サーバーなし簡単編」のどちらかで。

-- ◆サーバー利用編 ---
(ファクトリー・リセットの後)
1. jb.zipを解凍してできたjbフォルダの中にある、jbというファイルを、PCにつないだkindleのルート(ドライブの一番上)のコピー。

2. USB接続を解除して、kindleのブラウザを起動(「メニュー」 -> 「ブラウザ(体験版)」)
・PCにWebサーバーを立てた場合
URL入力欄に
http://a/

・自分でサーバーを準備していない場合は、
http://kindlefere.com/jb/ (末尾の/まで)

と入力してEnter。
-- サーバー利用編はここまで --

-- ◆サーバーなし簡単編 --
(ファクトリー・リセットの後)
1. jb.zipを、PCにつないだkindleのルート(ドライブの一番上)に解凍。
kindleに
 jb
 frame.html
 index.html
 jb.html
の4つのファイルができていることを念のため確認すること。
(jailbreak後、この4つのファイルは削除してよい)

2. USB接続を解除して、機内モード(WiFiオフ)にする。kindleのブラウザを起動(「メニュー」 -> 「ブラウザ(体験版)」)
URL入力欄に
file:///mnt/us/index.html (file:の後のスラッシュは3つ)

と入力してEnter。
(「ワイヤレス接続を確立できません・・・」のメッセージが出たら、「キャンセル」をタップ)
-- サーバーなし簡単編はここまで --

すると、ブラウザにjailbreakの前にファクトリー・リセットしろ、というメッセージが出る(無視した)。
"I Agree" をタップすると、手順が示される。

1) "Stage 1" をタップ。
2) 「ページを読み込めません」の表示が出る。それでOK。メニューの戻るボタン(<)で戻る
3) "Stage 2"タップ
・メニューバー(一番上の黒いバー)に "JB Starting..." の表示が出る。
・ "Run ;fc-cache in the search bar."の表示がバーに出たら、
 検索欄(虫眼鏡アイコン)に ;fc-cache と入力して(セミコロンも)、エンター。
・成功すると、"Jailbreak succeeded!" と出る。

3. hotfix適用
1) JailBreak-1.14.N-FW-5.x-hotfix.zipを解凍して、
Update_jailbreak_bridge_1.14.N_install.bin をKindleのルート(ドライブの一番上)にコピー。
2) USB接続を解除したら、Kindleの「メニュー」ボタン(画面右上) -> 「設定」 -> もう一度「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」をタップ。

以上で、jailbreakの作業は終了。自動アップデートされないように、機内モードにする。

後始末(自分でサーバーを立てた場合)
・もう使わないなら、dnsmasq、apache2を止める

sudo service dnsmasq stop
sudo service apache2 stop
sudo update-rc.d -f dnsmasq remove
sudo update-rc.d -f apache2 remove
・/etc/hostname、/etc/hostsなどを元に戻して、
sudo service network-manager restart
・ルータの設定も元に戻す


◯あとはいろんなツールのインストール。
jailbreakだけしても何も機能は追加されない。ツールのインストールがさらに必要なので、簡単にそのインストール方法を。

ツール類はフォント・ハックやスクリーンセーバー・ハックなどの*.binファイルか、KUALのextensionになる。以前と違って、*.binファイルもKUAL経由でインストールするようになったので、KUALは必須。

絶対に必要なのは、
1. KUAL
2. Helper(KUALのextension)
3. MR Package Installer(KUALのextension)

ダウンロード
Snapshots of NiLuJe's hacks
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=225030
snapshotのほうが今のところよさそう。

インストール:
1. KUAL
KUAL & KUAL extensions: から、KUAL-v2.6.xxxをダウンロード・解凍
その中のKUAL-KDK-2.0.azw2を、PCにつないだKindleのdocumentsフォルダにコピー。

2. Helper
KUAL & KUAL extensions: から、kual-helper-0.5.N-xxxをダウンロード。
kual-helper-0.5.N-xxx解凍すると、extensionsフォルダができ、その中にhelperというフォルダがある。extensionsフォルダごとkindleのルート(ドライブの一番上)にコピー。

3. MR Package Installer
KUAL & KUAL extensions: から、kual-mrinstaller-1.6.N-xxxをダウンロード。
kual-mrinstaller-1.6.N-xxxを解凍すると、mrpackagesフォルダと、extensions内にMRInstallerフォルダができている。
mrpackagesフォルダはkindleのルート(ドライブの一番上)へ
MRInstallerフォルダはkindleのextensionsフォルダの中へ
コピーする。

以上で終了。

◯*.binファイルのインストール
スクリーンセーバー・ハックを例にすると、
1) ダウンロード・解凍
 kindle-python-0.14.N-xxx
 kindle-linkss-0.24.N-xxx

2) *.binをKindleの mrpackages フォルダにコピーする。
 Update_python_0.14.N_install_pw2_kt2_kv_pw3.bin
 Update_linkss_0.24.N_install_pw2_kt2_kv_pw3.bin
の2つを同時にmrpackeagesフォルダに持っていってかまわない。

3) KUAL(kindle Launcher) > Helper+ ▽ > Install MR Packages の順にタップ
パッケージによってはKindleが再起動する。

Voyage_kual_icon Voyage_kual_menu Voyage_kual_mrip

◯KUALのextension
さっきのHelperと同じ。解凍したら、kindleのextensionsフォルダにコピーするだけなので、説明はもういらないはず。

とりあえずはこんな感じか。
サーバー関連がやはり手間がかかる。もっと簡単なインストール方法をアップすると言っているみたいだし、それを待つのがいいかもしれない。

--

FWを3.7.2に上げても、jailbreakは生き残ったという報告がいくつか上がっているので、大丈夫そう。
もうほとんどVoyageしか使わないので、このPW2(2013)は試しに3.7.2に上げてみてもいいんだけれども・・・。

それよりも、5.6.5のjailbreakが可能になったのを機に、いろんな不具合の修正が進んで欲しいもの。
やはりバッテリー残量の数値表示のextensionは動かなかったし。

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2016年2月 5日 (金)

ドイツ語多読本: David Wiesner: Herr Schnuffels

2015年のドイツ児童文学賞(Deutscher Jugendliteraturpreis)絵本部門受賞作。
http://www.djlp.jugendliteratur.org/preistraeger_bilderbuch-14.html

ネコが主役の話と思いきや、異星人とのコンタクトの物語で意表を突かれる。ただし、異星人なので何を言っているのかわからない。つまりは、絵で読む物語。

David Wiesner: Herr Schnuffels

27語

真ん中のネコがHerr Schnuffels。両脇に並んでいるのが、飼い主が買って与えたネコ用おもちゃの数々。
ところがHerr Schnuffels、どんなおもちゃを与えても無関心、プイっとどこかへ行ってしまう。そうやって、打ち捨てられたおもちゃが並んでいる中に宇宙船・・・(表紙の左側)。

この超小型宇宙船の中には、宇宙人といえばなぜか緑色の異星人。着陸成功で喜んでいるのか、万歳したり、抱き合ったり。だが、窓から巨大な眼が覗く・・・。

Herr Schnuffels、なぜかこの宇宙船には興味を示して、突っついたり、転がしたり・・・。それで宇宙船の船内は大変なことに。宇宙船も壊れてしまい、修理の材料を探しに船外に出ることに・・・。

もちろん巨大な黒い怪物(Herr Schnuffels)に見つかり、大きな前足で潰されそうになったところに飛んできたテントウムシ、それでHerr Schnuffelsの注意がそがれた隙に、壁の隙間に逃げこむ異星人たち。

おもしろいのはここから。
そこにはラスコーの壁画みたいに、壁に描かれたHerr Schnuffelsと虫やネズミ。それを描いたのはアリやテントウムシ。つまりは、異星人たちはアリや虫など、自分のサイズと同じ生き物をこの星の知的生命体と認識する・・・。

異星人なのでセリフは全部、吹き出しにの中に◯や△や◇などがあるだけ、人の言葉は飼い主がHerr Schnuffelsにおもちゃを与えては、そっぽを向かれるところだけ。ストーリーは絵のみで語られる。

ネコの表情や仕草、動きはかなりリアルに描かれているが、でもストーリーは意表を突くSFファンタジーという受賞も頷けるおもしろさ。

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2016年2月 2日 (火)

Kindle:アップデート5.7.2がamazon.comに(追記:日本でもリリース & 5.6.5jailbreakも)

アメリカではアップデート5.7.2が来ているようだ。日本でも近いうちにあると思うが・・・。

-- 日本でもリリースされたので、追記 & 記事修正 -- 

第7世代(PW3、Voyage、無印)と第6世代(PW2)のみで、第1世代(初代PW)には来ていないみたいだ。
◯PW3(2015)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201756220

◯Voyage
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201630670

◯無印
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201605570

◯PW2(2013)
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201307450


アップデート内容:
◯ホーム画面のデザインが一新され、直近に読んだKindle本にアクセスしやすくなりました。

◯お好みのジャンルを選んだり、すでに読んだことがある本を評価したりすることで、お客様にとってカスタマイズされたおすすめの本のリストを表示できるようになりました。

◯Kindleの同期や機内モードや画面のライトの調整などの設定を、クイック操作メニューから簡単に設定できるようになりました。

◯Kindle本のハイライトやメモ、おすすめの本をEメールでも共有できるようになりました。
(注: Kindleコンテンツの一部を共有する場合は、著作権法にて認められる範囲で行って頂く必要がございます。引用や私的使用の範囲を超えて無断転載等とされた場合には、Amazon.co.jp利用規約の違反となる場合があると共に、著作権法上違法となり、民事および刑事上の責任を問われる可能性がございます。)

◯新しくOpenDyslexicフォント(失読症の方向けのオープンソースフォント)が搭載されました(一部の洋書のみ対応)。

だそうだ。

amazon.comの新ホーム画面の説明ページ(画像つき)
http://www.amazon.com/b?tag=mr060-20&ie=UTF8&node=13550053011&ref_=pe_2405760_166011780_deveng_ku16_

動画
・New Kindle Software Update Review - Firmware 5.7.2
https://www.youtube.com/watch?v=vayoxvW3KtU

あと
http://allesebook.de/e-book-reader/aktuelle-kindle-modelle-erhalten-moderne-bedienoberflaeche-update-5-7-2-68709
の画像など参照。

新ホーム画面をオフにして、これまでのスタイルにすることも可能(もちろん画面上部のメニューとその機能は新しいものになる)。

おすすめを設定できるとか(ジャンルを選ぶ、10冊ほど評価する、などして設定。また消すこともできるようだ)、機内モードの切り替えが簡単になったとか、ライト調節のスライダーが横になったとか、フォント・ページ設定の画面が変わったとか。
見た目はけっこう変わりそうだが、機能の追加はとくになさそう。

jailbreakのリリースを待つつもりなので、当面はアップデートしないかな。

--

で、気になるのは、リリースが無期延期になっている5.6.5向けjailbreak。
Voyageはシリアル接続してjailbreakしているので、なければなくてもやっていけるが、やはりいろんなツールを開発してくれる人たちが5.6.5に上げてくれないと、不具合があっても直してくれないし。たとえば、バッテリーの数値表示が5.6.5ではできないままだったり・・・。

jailbreakするつもりなら、とりあえず5.6.5のまま維持して、リリースがあるかどうか、mobilereadの様子をチェックか。
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3251277#post3251277

-- 追記 --
リリース予告が出た。
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3251788#post3251788
今週、金曜か土曜。5.6.5のままにしておくこと。


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