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2015年12月18日 (金)

ドイツ語多読本: Kai Meyer: Die Sturmkönige 1 - Dschinnland

翻訳が出ると聞いたので読んでみた。
Kai Meyerはすでに何冊も日本でも翻訳が出ている作家。若い人向けのファンタジーが訳されているが、これは大人向けのようだ。

空飛ぶ絨毯やジン(例の、下半身が煙みたいになっている魔人)なんかが出てくる世界を舞台にした冒険ファンタジーといったところか。
三部作とされているが、読んでみたところ、1冊でそれなりに話が完結しているというわけでもなく、ただの3巻で完結するうちの1冊目。

電子書籍の図書館Onleiheにもあるので、無料で借りられる。利用方法は以前書いたことがある

Kindle版
Kai Meyer: Die Sturmkönige - Dschinnland

87000語

ドイツ語の内容紹介はこんな感じ。女性視点の話のようになっている。適当にかいつまむと、
「Sabatea(主要登場人物の女性の名前)の秘密は血にある。それは恵みでもあり呪いでもある。支配者の宮殿という牢獄から抜けだした彼女が飛び込んだのは、『ワイルド・マジック』の地、そして、無法者Tarikの腕の中・・・。この男はドラゴンの毛を密輸するため、自然法則が成り立たない地を渡るのだ。二人は旅を共にし、その果てに現れる別世界・・・」

みたいな感じ。表紙も合わせて女性読者獲得を狙っているようだ。

昔出た本なので、表紙もいろいろ変わっているようだ。まるで印象が違う。
Dschinnland_cover01  Dschinnland_cover02


翻訳はつい最近出た。
本の中身をそのまま反映した表紙。
魔人の地 嵐の王 (創元推理文庫)

こっちの内容紹介:
「腕利きの絨毯乗りターリクは、絨毯競争の最中にひとりの女を助けた。太守の待女だというその女(Sabatea)は彼に、絨毯でサマルカンドを脱出し、カリフの治めるバグダッドに行ってほしいともちかける。だが絨毯に乗るのも町を出るのも死罪。そのうえ町の外に広がる砂漠には恐ろしい魔人がいる。いったんは断ったものの、仲が悪いとはいえたったひとりの弟が女の口車に乗せられてバグダッドに向かうのを知り、あわててあとを追う。」

こちらはTarikが主人公の話のように紹介している。こちらの内容紹介のほうが本の中身に即していると思うが、読み方は人それぞれ。
それにしても、ファンタジーは「創元推理文庫」に入るのか・・・。

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冒頭はいきなり空飛ぶ絨毯のスピード感あふれるレース場面から。乗るのはTarik。もともとはバグダッドとサマルカンド間の密輸を生業にしていたが、6年前に恋人のMaryamを砂漠で失ってからは、禁じられた絨毯レースと酒に溺れる日々。宮殿の番兵が放つ矢をかいくぐりながら絨毯を飛ばしていると、この6年前の事件で険悪な仲になっていた弟Junisに遭遇。冷酷に弟を追い落とすものの、途中Sabateaを拾い上げることになってしまう。仕方なくレースは断念。サマルカンド上空、絨毯の上でSabateaを一夜を過ごす。

それで、このSabateaがバグダッドへ連れて行け、という。サマルカンドの城壁の外、砂漠はジンが支配する危険な土地、人間は襲われ、殺される。密輸稼業から足を洗っているTarikは冷たく断るのだが、弟JunisがSabateaを連れてバグダッドに向かったと聞き、後を追うTarik・・・。

あとは、空飛ぶ絨毯でジンの跋扈する砂漠を渡る冒険がこの第1巻のメイン・ストーリー。
TarikはJunisとSabateaに追いつき、バグダッド行きに同行することになるが、もちろんジンに遭遇。弟と離れ離れになり、捉えられて洞窟の天井に吊り下げられた町(鳥怪人が作った町)に連れていかれ・・・。

そこでの噂では、ジンが人を殺さずに集めているのは、バグダット総攻撃のための道具にするためだ、なんてことも言われていて、何やら不穏な展開が待っている予感。

さらにTarikはジン貴族(Dschinnfürst、翻訳ではどう訳されているのかは知らない)の一人Narbennarr(安易に英語っぽくすると、スカー・フール)に再会。こいつが気持ち悪い。ばらばらの人間を切り貼りして自分の体にしている。だからジンなのに足がある。で、再会というのは6年前恋人のMaryamを失った時に出くわしたジンがこいつだからだ。そして、なんとこのNarbennarrがMaryamの居場所をTarikに尋ねる。Maryamは死んだのではなかったのか? それとも生きているのか、そしてなぜジンがMaryamに会いたがるのか・・・?

そして、本のタイトルにもなっているSturmkönige(これが翻訳のタイトルになっている「嵐の王」。ジンなどの怪物側のものかと思っていたら、まったく違った)も登場、さらにはSabateaが何者で何を目的にバグダッドを目指したのもあきらかになり・・・。

最後、ばらばらになったTarik、Sabatea、Junis、それぞれを待つ運命は? と次巻が気になる終わり方。


アラビアンナイト的な世界を舞台にしたファンタジーは日本ではあまりない? ひょっとしたらめずらしいのかもしれない。

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