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2015年11月

2015年11月30日 (月)

ドイツ語多読本: Rolf Krenzer / Constanza Droop: Meine erste Weihnachtsgeschichte

クリスマスの物語、それも本家本元、キリスト誕生の話。つまりは、聖書の中から子供向け絵本にしたもの。

Rolf Krenzer / Constanza Droop: Meine erste Weihnachtsgeschichte

294語

おそらく対象年齢は2歳からの絵本だが、内容は意外と詳しい。だから文章も少しむずかしいかも。

人口調査のため故郷に戻ったマリアとヨセフがベツレヘムの馬小屋で赤ん坊を生む。天使が羊飼いたちのところへ行き、救世主が生まれたと告げる。さらには東方の三博士(この絵本では「星占い師」)が星を見て、王が生まれたと思って、エルサレムのヘロデ王に新たに生まれた王のことをたずねるが、逆に新しい王はベツレヘムから来るはずだと教える。その後、輝く星の下に馬小屋を見つけ、赤ん坊に捧げものをする。表紙はその場面。

と、こんな内容。
キリスト教系の幼稚園や学校に行った人なら別かもしれないが、クリスマスで騒いでも聖書は知らない日本人なら、読んでおいても別に損はないはず。

このあと、たしかヘロデ王は赤ん坊は皆殺しにしろなんて命令を出すことになるんじゃなかったかな。子供向けの絵本にそんな話は持ち込まないだろうけど。


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2015年11月27日 (金)

ドイツ語多読本: Bill Martin Jr / Eric Carle: Kleiner Bär, kleiner Bär, was siehst du da?

Eric Carleが描くいろいろな動物を堪能。

Bill Martin Jr / Eric Carle: Kleiner Bär, kleiner Bär, was siehst du da?

189語

展開はシンプル。
「小グマさん、小グマさん、そこから何が見える?」
「赤ギツネが見えるよ・・・」

次のページでは
赤ギツネさん、赤ギツネさん、何が見える?
「ムササビが見えるよ・・・」

この繰り返しなので、文章はなにもむずかしいことはない。
おもしろいのは文章よりも、やはり「ムササビが見えるよ」と言われたら、じゃあムササビがどんなふうに描かれるているのか、ページをめくる時のワクワク感。

実際、ページの見開きいっぱいに大きく、色とりどりに描かれた動物たちの色や形のおもしろさ、そして、躍動感を見たら、もうそれで満足できる絵本。

絵本の最後はお母さんグマ。もちろんお母さんが見ているのは・・・表紙を見てもわかる通り。


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2015年11月23日 (月)

2015年ドイツSF大賞受賞作: Markus Orths: Alpha & Omega. Apokalypse für Anfänger

2015年ドイツSF大賞の国内ベスト長編。
http://www.dsfp.de/preistraeger/2015-2/laudatio-2015-bester-deutschsprachiger-roman

Markus Orths: Alpha & Omega. Apokalypse für Anfänger

148000語

「アルファ&オメガ」 副題は黙示録入門、みたいな感じか。
アルファにしてオメガ、黙示録、というわけで、この世の終末と救世主の物語、というか、そのパロディ。
作者はとくにSF作家というわけでもないようだ。

本の紹介文はこんな感じ:
突如ネバダに出現したブラックホール。物理学者が作ってしまった。さあ、どうする? Omegaならなんとかしてくれるかもしれない。なんといっても三分割脳を持った最初の人間、すばらしい念動力の持ち主だからだ。そこに加わるのは彼女の兄Alphaと奇妙なヒーローたち・・・。そして、それを物語るのは、2525年からタイムトラベルしてきたElias Zimmermann・・・。

こんな紹介文だが、あらかじめ言っておくと、ブラックホールが出現して地球に危機が迫るのは物語もかなり終盤になってから。それまでは、かつての救世主イエス伝ならぬOmega伝、というか、Omegaをめぐるちょっとおかしな人間たちのドラマと思って読んだほうがいい。シリアスなSFではなく、笑いを前面に出した、地球の終末と救済にいたるまでの、騒がしくも壮大なドタバタ劇。

一言でいうと、とにかく饒舌。くだらないダジャレや皮肉や風刺を散りばめながら、素粒子論、超ひも理論を語ったかと思うと、ファッションモデルの世界やテニスのウィンブルドン大会、現代のパフォーマンス・アートを描き、ダライ・ラマ候補探しやら金を生み出す「信用」のからくりを語り、さらには顕微鏡的なニューロンの動きや脳死をライブ実況、そして、ブラックホールやらワームホール、裸の特異点を描写・・・などなど。とまあ、これでもかというくらいにアイディアたっぷり、饒舌に語りまくる。

プロローグは2525年。
誰も使わない図書館に迷い込んだ、この物語の語り手Elias Zimmermann。司書ロボットに彗星の衝突で地球が滅ぶまであと数十日と教えられる。が、ピンと来ない。この時代の人間は脳に細工をしているらしく、過去や未来のことを考えないからだ。それで司書ロボットに何とか言うピンを抜かれて、ようやく危機を感じ始めるElias Zimmermann。500年前に地球を救ったOmegaに関する本を読み漁り、興味が出てきたところで、司書ロボットにタイムマシンがあるのだと告げられる。Omegaに会いに行けば危機を回避する方法もわかるかもしれない、と。それで自分もOmegaみたいな地球を救うヒーローになれるかも、なんて思うEliasだが、このタイムマシンは利用者を廃人にしてきた代物。肉体を残して精神だけ過去に送るため、誰にも(自分自身にも)見えず、聞こえず、触れられない、そんな状態に耐えられなくなるというのだ。だが、司書ロボットが言うには、それは脳が三つしかなかった時代の話。四分割脳を持つ現代人は大丈夫だろうというので、やる気になるElias。ところが、Omegaが地球を危機から救った2021年あたりに行くつもりが、司書ロボットにだまされて、2000年に飛ばされてしまう。Omegaが世に現れた時から知ってもらわないと困るのだ、と。何十年も肉体なしなんて、地球より先に俺のほうが危機かも・・・。

こうして、Omega誕生(というか出現)の2000年に降り立つElias Zimmermannだが、それ以降Eliasが直接体験したことだけが物語られるわけではない。それ以前の、Omegaの養父母KoljaとBirte(Bitch)それぞれの生い立ちやなれそめ、養祖父Gustoの数々のおかしな行状なども、たっぷりとユーモラスに語られる。が、長くなるので省略。Omega出現以降のストーリー展開をごくごくかいつまんで紹介。

OmegaはKoljaとBirteの息子(Alpha)が生まれた病院にどこからともなく現れた赤ん坊で、なぜかKoljaになつき、Birteの母乳しか飲まない。それで二人が引き取ることに。と同時に、白いハスキー犬Escherが登場、いっしょに暮らすことになる。この犬、レントゲンを撮ると何も写らない、空っぽの謎の犬・・・。

Omegeは肌が黒い、髪の毛が一本も生えない赤ん坊。自分の娘の子育てすらしたことがない祖父Gustoが、赤ん坊を扱いかねて「排泄物の哲学」やら素粒子論を語りだすのを、Alphaといっしょに聞きながら育つ。大きくなり、モデルを目指すが、ある時自分に念力があることに気づく。それをウォーキングに利用、宙を浮かんでいるような美しい歩き方に見せる、なんてずるいことをする・・・。人類初の三分割脳の持ち主で、三番目の脳がブラックホールか、というトンデモ設定。超ひも理論のいうところのひもが肉眼で見えるという・・・。

そして、両親が飛行機事故で行方不明に。普段は口を開けば不謹慎な冗談が出てくる祖父Gustoも意気消沈。元気づけようと、念力でティッシュペーパーの箱を動かして見せる、けなげなOmegaだが、それでGustoの目がキラリ。カジノのルーレットに使える・・・。両親の捜索資金を稼ぐためだと言われ、協力してくれたらモデルのコンテストに出てもいいから、なんて甘い言葉に頷いてしまうOmega。さらにGustoは大奇術師Gustoniとして、超絶ジャグリングや空中浮遊のショー(みんなOmegaの力による)でアメリカ・ツアー・・・。

行方不明の両親、KoljaとBirteのほうは無人島生活を余儀なくされる。正確には二人っきりではなく、語り手Elias Zimmermannも含めた三人での生活だが、Eliasが曲者、肉体を持たないただの観察者に収まってはいない。Birteに欲情するが、体がないので苦しくて仕方がない。それでKoljaの体を乗っ取るという暴挙に出ていたのだった・・・。

家族以外にもOmegaに関わってくる人間たちがいる。
まずはTashi Tengrit。同性愛のチベット僧。次期のダライ・ラマ候補を探しにチベットから外界に降りてくる。Omegaがティッシュペーパーの箱を念力で動かすのを見て、これぞダライ・ラマの生まれ変わりだと思い込む・・・。

あとはパフォーマンス・アーティストのMatthias Schamp。海中でのサメを使ったパフォーマンスをきっかけに、行方不明のKoljaとBirteの発見される。謝礼がもらえるというので出かけて行って、Gustoと意気投合。最後のブラックホールとの戦いで活躍・・・?

地球の危機を招来する側の人物も紹介。
素粒子物理学者Sabrina Steward。Gustoが素粒子論やら超ひも理論やらに詳しいのはSabrinaに一目惚れしていたからだったりする。表はまじめな物理学者だが、タイムトラベルを実現したいという、他の物理学者には言えない欲望を抱いている。ブラックホールのそばは時間の進み方が遅くなるので、近くにとどまることができれば、タイムトラベルできる。それでブラックホールを作りたい・・・。

そして、このSabrinaに近づいて、ブラックホールを作らせようとする人物がBuzz Monster、世界一の金持ち。ドストエフスキーに感化されて、世界一の金持ちになって物乞いしてみたいと思うようになった人物。最初は慈善活動に励むものの、世界はいっこうによくならない。なら、いっそ破壊してしまえ、と極端に走る。それで、Sabrinaに接近、CERNのような施設を作り、ブラックホール生成に必要な素粒子衝突装置を提供する。

で、ブラックホール出現。Sabrinaはブラックホールに飲み込まれる。ブラックホールは最初は大きさを維持、そこに野次馬が群がり、ジェームズ・キャメロンがブラックホールを撮影、そのスポンサー(コカ・コーラかどこか)がCM効果を狙う。が、ついにブラックホールは膨張し始める・・・。

Gustoは愛するSabrinaが心配ですぐさまそこに向かおうとするが、Omegaはなんと協力を拒否、モデルのコンテストを選ぶという展開に、読んだ本と話が違うじゃないかとElias。このままでは地球は滅亡じゃないか。

でも、最後はブラックホールは消滅、地球は救われるが、その鍵となるのはElias Zimmermann本人なのだった・・・。

と、あらすじを書いてみたが、この本をおもしろくしているのは、語り手を含めた登場人物たちが作り出す個々のエピソードやシチュエーションを、あるときは意表をつく視点から、また、いろいろな話題をぶち込みつつ、アイディア豊かに縦横に語り尽くす、その語りの巧みさのほう。


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2015年11月18日 (水)

ドイツ語多読本: Satoe Tone: Die fabelhafte Riesen-Karotte

規格外に大きな物を見ると、なぜか心が高揚する。ただ大きいだけなのに。

Satoe Tone: Die fabelhafte Riesen-Karotte

194語

赤い土に生えた巨木が葉を茂らせている、と思いきや、巨大ニンジン。
その下に、記念写真みたいにこちらを向いている、、体型も様々な6匹のウサギ、なぜか頬が赤い。

話は単純。
巨大ニンジンを見つけた6匹のウサギ、世界一大きなニンジンだ。
さて、これをどうしようか? そうだ、飛行船にしよう・・・。
それからどうしよう? そうだ、家にしよう・・・。

と、いろんな想像が膨らむ、そういうストーリーで、文章はパターンの繰り返しなので、リズムよく読めるはず。

表紙を見てもわかるが、ニンジンの赤と葉っぱの緑が印象的で、ページ毎に入れ替わる背景の色にも映えて、目も楽しい。またそれぞれの場面のウサギの仕草もユーモラス。

それにしても、ニンジンを帆船にする発想はなかったのでちょっと驚いた。まあ、ウサギにニンジンだから、最後は食べてしまうんだけど・・・。


日本語版
刀根 里衣: おおきなおおきなにんじん

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2015年11月14日 (土)

Kindle Voyage2は年内に出る?

どうなんだろうな。出ると言っているのはgoodereader.comだけのようだしなあ。
http://goodereader.com/blog/electronic-readers/amazon-confirms-kindle-voyage-2-will-be-released-in-november

他のサイトもこの記事を引用しているだけだし。日本もそう。たとえば、
http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=6929

goodereader.comって時々変なこと書くし、mobilereadのフォーラムや他のブログでもまるで信用されていないのがこのサイト。作り話で注意を引いているだけだろう、と評判がよくない。発売前に実機の動画をアップしたりするから見るけど。

-- 追記:2015/11/25 --
"No New Kindle Voyage 2 in 2015, the Rumor was a Lie"
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/11/24/no-new-kindle-voyage-2-in-2015-the-rumor-was-a-lie/
噂は嘘だったと断定しているようだ。
新Kindle Voyageのリリースがなくていいことが一つだけあったとするなら、噂の元(のサイト)が今後ますます信頼できないことが明確になるだろうということ・・・みたいなことまで言っている。名指ししていないが、goodereader.comなのはあきらか。
-- 追記おしまい --
-- さらに追記:2015/11/25 --
上のブログに同意、今年はないという記事:
"Stick a Fork in It, This Rumor is Done: No More New Kindles in 2015"
http://the-digital-reader.com/2015/11/24/stick-a-fork-in-it-this-rumor-is-done-no-new-kindle-voyage-in-2015/
-- 追記おしまい --


今年はもうないだろう、と言っているのは
◯the-ebook-reader.com
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/11/13/amazon-adds-kindle-voyage-paperwhite-essentials-bundles/
アマゾンがカバーや充電器をバンドルして、Voyageのセールを始めたのは、Voyage2の噂に終止符を打つためだろう、と言っている。

◯allesebook.de
http://allesebook.de/e-book-reader/kein-neuer-kindle-voyage-2-in-diesem-jahr-oder-67086/
こちらは少し詳しい。
まず、今年新モデルが出るという根拠としては、アマゾンのカスタマー・サービスの応答があげられる。
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3169486&postcount=1
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3198991&postcount=363(これはgoodereaderのもの)
https://disqus.com/home/discussion/goodereader/amazon_kindle_voyage_2_to_be_released_november_2015/newest/#comment-2330156808

が、逆に今年は出ないという根拠もアマゾンのカスタマー・サービスにある・・・。
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3202286&postcount=389
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3202387&postcount=397

allesebook.de自身の判断としては
アメリカのアマゾンではこれまでなかったVoyageのセールもしていて、在庫を処分してしまおうとしているのかもしれないが、ただのクリスマス時期のセールにすぎないかもしれない。
ただ、アメリカ・アマゾンが11月から始めているKindleのお試し利用の返却期日が2016年1月31日まで延長された。もし今年中に新モデルが出たら、試用機の返却が多くなるだろうから、返却期日が過ぎないうちは新モデルは出ない。だから年内はない、と。
--

とりあえずブラック・フライデー(今年は11/20)のクリスマス商戦の始まりまで待って、何のアナウンスもなければ今年はない、ということかな。


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2015年11月12日 (木)

ドイツ語多読本: Laurie Cohen / Marjorie Béal: Kleiner Floh, ganz groß

いらないものをそぎ落として、できるだけ簡素な色・形でどれだけ語れるか、そんな感じの絵本。

Laurie Cohen / Marjorie Béal: Kleiner Floh, ganz groß

117語

自分はちょっと小さすぎなんじゃない?と思ったノミの話。
それで、豆の上によじ登ってみる。それからリンゴのてっぺん。そして、花の上、ツタを上って、木の上と、どんどん高く高く、上を目指すノミ、まだまだ登る・・・。家の上、電柱、そして高層ビル、最後は雲の上・・。

そして、上を見上げているクマを見つけて、「どうだい大きいだろう?」と。
クマは答える、「小さいよ。大きいんじゃなくて、高いところにいるだけだ」と。
ノミは怒って・・・。

高い所に登ると自分が大きくなったような気になるというのは、わかる気がするような、しないような・・・。
実際の小さな子供が「大きい」と「高い」の区別ができないものなのかどうかはわからないけれども。

ともあれ、多読用絵本としてはシンプルで明瞭なイラストに、簡単な文章がついている絵本なので、読みやすいだろうと思う。

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2015年11月 9日 (月)

ドイツ語多読本:Max Velthuijs: Frosch ist verliebt (minimax)

以前にも紹介したカエルのシリーズ。
このシリーズ、悩みがテーマなのか、今回もカエルは悩んでいる。

Max Velthuijs: Frosch ist verliebt

691語

変な気分。楽しいのか悲しいのかわからない、夢の中を歩いているみたい・・・。
出会ったブタに相談してみる。笑いたくもあり泣きたくもあるような、何か胸がドキドキするんだ、と。
ブタが言うには、風邪かもしれないよ。

そこで、前作でも頼りになったウサギのところへ行ってみる。
それは恋だよ、とウサギ。

カエルは「恋をしているんだ」と大きくジャンプしながら、ブタのところへ。素敵な気分だ、恋しているんだ、と。
で、相手は誰だって話になり、アヒルだと答えるカエル。
カエルがアヒルに恋するなんておかしいよ、とブタ。でも、恋するカエルにそんなことを聞く耳はない。

そして、アヒルの家に、自分で描いた絵や花束を持っていたりするが、声をかけることができない。それで食事も喉を通らなくなる。どうすれば自分の気持ちをアヒルに伝えられるだろう?

と、ここで恋する者に特有の狂気が発動したのか、なぜか誰にもできないことをしなくちゃいけないと思い、ジャンプの世界記録を破らないとダメだ、なんて考えるカエル。それでひたすらジャンプの練習・・・。

それでケガをして、助けに駆けつけたアヒルに介抱されて‥・。


はじめて経験する感情だから、自分ではそれが何なのか名付けられない。恋だと誰かに教えてもらうほかはない。それが本や映画の場合もあるだろう。だから、物語は現実を模倣して作られるだけでなく、人の生きる現実のほうも物語を模倣して作られていく、と言えなくもない。

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2015年11月 6日 (金)

ドイツ語多読本:Sebastian Meschenmoser: Gordon und Tapir

共同生活となると、いろいろと性格の違いから衝突があったりして・・・。

Sebastian Meschenmoser: Gordon und Tapir

287語

ペンギンとバクの共同生活。
新聞を小脇に抱えてトイレのドアを開ける。新聞を広げて読みふける。そのまま新聞から目を離さず、トイレットペーパーに手を伸ばすと・・・ない! これが表紙の裏からタイトルページまでのイラスト。
これだけでもおかしみを誘う状況だが、それが人ではなくペンギンだから、さらにおかしい。

誰の仕業だ?と、トイレットペーパーをたどっていくと、隣のバクの部屋。
そこはトイレットペーパーのジャングル。バク本人はトイレットペーパーのハンモックに、トイレットペーパーのターバン。床には果物が落ちていてベタベタ、鳥がうるさく騒ぎ、イスやテーブルからは草が生えている・・・。

それでくどくどと文句を言っていると、バクもカチンときて、君はきれい好きすぎるんだよ、それに・・・と不満を爆発させる。それで大喧嘩。
それで次の日、ペンギンは何も言わず、出て行ってしまう・・・。

最後は仲直りするのだが、ペンギンは別に部屋を借り、バクの所に遊びに行くという形の決着のようで、いくら仲がよくても、共同生活ができるかどうかは別って話なのか? 最後はバクの部屋でどんちゃん騒ぎで大満足。

ともあれ、ペンギンとバクの表情や仕草、動作が妙に人間的で、それぞれの性格、喜怒哀楽が克明にわかってしまう独特の絵が楽しめる。

それから、動物の話なのに、トイレを始め部屋もそうだが、生活空間は人間と同じで、外に出かけるときは帽子をかぶり(でも服は着ない)、勤め先もある(でも動物園)という、妙なハイブリッド感がおかしさを醸し出している。

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2015年11月 2日 (月)

Kindle: FW5.6.5 jailbreakリリース、無期延期のようだ

Kindle FW5.6.5のjailbreakはリリース取りやめ。

http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=265675

10/31リリースを予告していたが、直前アマゾンから連絡があって、リリースを延期することにしたらしい。期限は定めないとのこと。

アマゾンとどういう話をしたのかわからないが、残念。

というわけで、「Kindle: FW5.6以降のjailbreak / そのKindleはjailbreak可能?」で書いたのと状況は変わらず。

Voyageもすでにシリアル接続してjailbreakしているのでいいんだが、でもやはり、利用者が増えないとますます停滞していくだろうな、Kindleのjailbreak環境。

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