Kindle Paperwhite 3: 詳しいレビュー、Voayage、glo HDとの300ppi対決は?
allesebook.deのPaperwhite 3のテスト結果が出た。
ディスプレイは同じ300ppiでも、Paperwhite 3よりもVoyageやglo HDのほうが上だ、というレビューはすでに出ているが、数値で確認できた模様。
その前に、Kindle Paperwhite 3 vs Kindle Voyage、Kindle Paperwhite 3 vs Kobo glo HDの比較レビューも新たに別のサイトで出ているので先に。
◎"Kindle Paperwhite 3 vs Kindle Voyage Comparison Review (Video)"
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/07/02/kindle-paperwhite-3-vs-kindle-voyage-comparison-review-video/
同じ300ppiだが、並べてみるとわずかだが、あきらかにVoyageがすぐれているのがわかる。
・Voyageのほうが背景は白く、テキストは黒く、コントラストが上。
・Voyageはパネルがガラスなので、プラスチックのPW3より文字はわずかだが、クリアでシャープ、黒く見える。また、Voyageのほうが背景は白く、テキストは黒く、したがって、コントラストも上。
・フロントライトはどちらも高クオリティだが、Voayageがわずかに上回っている。わずかだが明るく、したがってコントラストもよい。またライトの均一さ、ディスプレイ下部の影についてもVoyageのわずかにすぐれている。僅差だが、Voyageのほうがフロントライトも上。
◎"Kindle Paperwhite 3 vs Kobo Glo HD Comparison Review (Video)"
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/07/03/kindle-paperwhite-3-vs-kobo-glo-hd-comparison-review-video/
ディスプレイはglo HDがわずかにすぐれている。
・glo HDがわずかだが背景は明るく、文字は黒い。また、フォントはPW3より太めにレンダリングされている。
・この差はPW3が静電容量方式、glo HDが赤外線方式のタッチパネルのせいだろう。もちろんPW3のディスプレイはすぐれているが、並べてみると、Voyageやglo HDのほうが上だとわかる。
・フロントライトは、glo HDのほうが白く、わずかに青みがかっていて、PW3のほうがニュートラルだが、並べてみると、暗めで黄色っぽいのがわかる。スクリーン下部に影。どちらかに軍配をあげなければならないとしたら、glo HDか。
・ページめくりなど動作はglo HDよりPW3が少し速く、安定している。本のロードも速いし、スクロールもスムーズ。
では、allesebook.deのテスト結果
◎"Kindle Paperwhite 3 im ausführlichen Test"
http://allesebook.de/testbericht/kindle-paperwhite-3-im-ausfuehrlichen-test-64885/
◯筐体
・PW2の真っ黒から、つや消し的な感じに。
・前面のロゴは銀色ではなく、黒く光るように。
・背面のロゴは光らなくなった。
◯ディスプレイ
・1448×1072、300ppiのクオリティは高い。表示のシャープさはPW2を凌ぐ。新しいレンダリング・エンジンと新フォントBookerlyで、PW2との違いはあきらか。
・顕微鏡写真と20cmからの写真を見ても、フォントのシャープさはPW2を上回る(以前の記事の通り)
・ライトなしのコントラスト(数値は高いほうがベター)
背景はPW3のほうが少し暗い。フォントの黒さは同じ。結果、PW3のほうがPW2よりもコントラストは少し落ちる。差はわずかだが、並べると肉眼でもわかる。
(ということは、Voyageとの差も目でわかりそう。Voyageのほうがさらにコントラストは上だから。glo HDよりも落ちる)
・ライト最大時のコントラスト(数値は高いほうがベター)
フロントライトをつけると、PW2よりもコントラストは上がる。普通は明るい場所でもライトをつけて使うだろうから、ライトなしの時のコントラストが劣っていても問題ないだろう。
(ここでもグラフを見るかぎり、Voyageより劣るのはあきらかなようだ)
◯ライトのクオリティ
・PW3とglo HDとの比較写真
2台のPW3は色味は異なっているが、ライトは均一で、色のグラデーションはない。glo HDとわずかなに差はあるが、日常の使用では気にならない。(左端のPW3がアマゾンから評価用に送られてきたもの、真ん中のが購入したものだそうだ)
スクリーン下部に影ができるが、テキスト部分に影響はないので、実用上問題ないだろう。
・PW2との比較写真(ライト最大時)
PW3のほうが明るく、ライトの均一さもPW2よりもすぐれている。
PW3の色味の違いはどこのメーカーにでもある個体差だろう。(Voyageのような)色のグラデーションがなければ問題ない。真ん中の通常購入したもののほうが温かく、黄色っぽい色合いになっている。
◯フロントライト最大時の明るさ(数値は大きい方がベター)
glo HDと同じくらいのレベル。明るくできたほうが、周囲が明るい場所でコントラストをあげることができるのでよい。
◯フロントライト最小時の明るさ(数値は小さい方がベター)
(暗い場所でライトが明るすぎることがないように、ライトは暗くできたほうがよい。Kindleは全部同じレベル)
なお、Kindleはライトを完全にオフにすることはできない。
(ついでに言っておくと、電源オフもない。あるのは画面オフだけ。これはKoboと違うところ)
◯タッチパネル
・いつもの静電容量方式。反応は文句ない。
・Voyageのようにフラットではないが、ベゼルとの段差は長所・短所両方あるので、あとは趣味の問題。
以上、簡単にまとめると、
ディスプレイはすぐれていて、文字のシャープさは卓越している。ライトの均一さはPW2より高いレベルにあり、フロントライトの明るさにも問題はない。コントラストは小さな問題はあるとしても、納得できるレベル。
こんな感じ。あとソフトウェアに関するレビューは省略。
--
allesebook.deは直接Voyageと比較するコメントをしていないが、グラフを見るかぎり、Voyageよりクオリティは落ちるという、すでに他のサイトでも言われていた評価は確認された感じだ。
Kobo glo HDも300ppiなのにVoyageより落ちる、という評価だったし、PW3とglo HDは同レベルで、プレミアムモデルには少し及ばない製品ということになるだろう。
Voyageを持っている人にPW3は必要ないだろうが、PW2からの買い替えは微妙? 解像度重視でない人は買い換える必要はないだろう。基本ディスプレイの300ppi化以外は、欧文テキスト表示の改善しか新しいところはないから。そのうちそれもPW3以外にも提供されるだろうし。
PW1からの買い替えなら、おすすめじゃないかな。文字の読みやすさに驚くだろう。文字もかすれにくいし。むずかしいのは、例年の新モデル発表が秋・冬なので、待つべきなのかどうかってところか。
そのうちPW2(2013)は消えるから、これからは300ppiがスタンダードの製品になっていくだろうな。あとは、それ以外の何でアピールしていくかだろう。
| 固定リンク
« ドイツ語多読本:Sabine Wilharm: Kann ich wohl! (Aladin Verlag Bildbücherei) | トップページ | ドイツ語多読本:Andreas H. Schmachtl: Schaf gut, Juli Löwenzahn / Ein Tag mit Juli Löwenzahn »
「Kindle」カテゴリの記事
- Kindle Paperwhite 第11世代を jailbreak して昔のUIを復活させる(2022.04.29)
- Kindle: jailbreakする気なら、5.14.3にアップデートしないこと(2022.04.26)
- Kobo LIbra 2 か Kindle Paperwhiteか? あまり表に出ていない情報も(2021.11.07)
- BooxもカラーE Ink端末発売(2020.04.24)
- ヨーロッパでもカラーE Inkの電子書籍端末販売(2020.04.17)
コメント