« ドイツ語多読本:Yusuke Yonezu: Wer kann das sein? | トップページ | Kindle Paperwhite 3: 追加情報 »

2015年6月18日 (木)

Kindle Paperwhite 3: ちょっと異例の時期に新モデル発売

Kindle Paperwhiteの3代目。
予想外のこの時期に発売。それにしても、Paperwhiteをまだひっぱるのか・・・。

◎アマゾンの商品ページ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00QJDQM9U/

◎値段
WiFi版キャンペーン情報つき: 14,280円
WiFi版キャンペーン情報なし: 16,280円
3G版キャンペーン情報つき: 19,480円
3G版キャンペーン情報なし: 21,480円

アメリカamazon.comではWiFiのキャンペーン情報つきが$119、キャンペーン情報なしが$139。
これはたぶん従来モデルと同じ値段。値段は据え置きでディスプレイはVoyageと同じ300ppiにアップグレードというのはお得感あり。
でも、日本では値上げだな。

◎Paperwhite従来モデルとの違い
◯ハードウェア
ディスプレイが300ppiにアップグレード(Kindle Voyageと同じに)。
これだけのようだ。大きさや重さも従来モデルと同じなので、ディスプレイのみの変更だろう。
それでも300ppiになるとフォントもきれいで読みやすいのはたしか。Voyageで証明済み。

◯ソフトウェア
・新フォントBookerly採用(欧文フォント)
・文字面の改善。ハイフネーション、カーニングリガチャードロップキャップなどで文字の組み方を改善して読みやすく。

欧文関連の改善なので、和書には関係ないだろう。
新機能の追加などはないようだ。

これらソフトウェアの改善は、たぶんそのうち他のモデルにもアップデートとして提供されるだろうから、ハードウェア上の改良(ディスプレイの300ppi化)が注目点だろう。

ついでに言っておくと、Voyageとの違いは
・ベゼルとディスプレイに段差あり(フラットではない)
・ページめくりのPagePresはない
・ライトの自動調節機能もない
・ボディはマグネシウムではない
・でかい、重い、厚い。サイズ的には今となってはちょっと古臭い

こんなところか。
Voyageには手は出せないが、300ppiのディスプレイは欲しいという人にはいい製品のはず。読書に特化した端末なんだから、文字が読みやすいというのは重要ポイント。


いくつか海外の記事も見てみたが、たいした情報はまだない。他のモデルとの比較レビューなどもこれからだろう(でも、ディスプレイはVoyage、外側はPaperwhiteと同じだろうから、どんなものかは予想がつく)。

予想外のこの時期の発売には、やはりKobo glo HDの存在があったからじゃないか、という声もちらほら。日本では夏発売予定という楽天の発表があっただけだが、海外ではもう発売されているKobo glo HD。Voyageと同じ300ppiでCartaディスプレイ、でも値段はKindle Paperwhite並みに価格を抑えたという製品($129)。

・Amazon Introduces New Kindle Paperwhite with 300 ppi Display
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/06/17/amazon-introduces-new-kindle-paperwhite-with-300-ppi-display/
アマゾンは、唯一Koboだけが低価格の300ppiの端末を持っているというのに我慢できなかったのだろう・・・。そして、Voyageは微妙なポジションに・・・。

・Kindle Paperwhite 3 (2015) mit 300ppi-Display vorgestellt
http://www.lesen.net/ereader/kindle-paperwhite-3-2015-mit-300ppi-display-vorgestellt-21028/
Kindle Paperwhite 3でKobo glo HDに対抗。でも、これで高いVoyageを買う大きな理由もなくなってしまった。

・Amazon stellt neuen Kindle Paperwhite 3 vor, mit Retina Display und Silbentrennung
http://allesebook.de/e-book-reader/amazon-stellt-neuen-kindle-paperwhite-3-vor-mit-retina-display-und-silbentrennung-64653/
アメリカ本国ではKoboは強くないが、世界全体で見たら話は変わる。過去にドイツで低価格のTolino shineが急速にシェアを広げたのは、アマゾンがすぐに対策を打たなかったからだ。(というわけで今回は早めに手を打ったのでは?という推測)

こんな感じ。
たしかに、Kobo glo HDがあったからこそ、アマゾンは低価格で300ppiの製品を出したという気はする。Voyageが高価格モデルである理由の一つをアマゾンがみずから否定することになったわけだし。
これはKoboの功績。

でも、これで楽天はKobo glo HDを日本でどうするつもりなのかねえ。もう低価格300ppiでアピールできなくなってしまった。現時点では新Paperwhite 3のほうが安いわけだし。さっさと日本でも発売してしまえばよかったのに。

気になるのは秋・冬の例年の新モデルラインナップ。
今年は中間価格帯のモデル(Paperwhite)が刷新されると思っていたが、大急ぎでディスプレイだけ取り替えましたみたいな、3代目Paperwhiteの登場で、予想外の展開。


|

« ドイツ語多読本:Yusuke Yonezu: Wer kann das sein? | トップページ | Kindle Paperwhite 3: 追加情報 »

Kindle」カテゴリの記事

コメント

今Kindleがキャンペーン中なので調べている中、たどり着きました。
詳しく書いてあり勉強になりました!ありがとうございます!

投稿: 柴犬 | 2015年7月17日 (金) 19時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Kindle Paperwhite 3: ちょっと異例の時期に新モデル発売:

« ドイツ語多読本:Yusuke Yonezu: Wer kann das sein? | トップページ | Kindle Paperwhite 3: 追加情報 »