ドイツ語多読本:Jutta Bauer: Opas Engel
お見舞いに行くといつもおじいちゃんは話を聞かせてくれる。暗い病室でベッドに横たわるおじいちゃんの話を聞く・・・。
小型絵本
Jutta Baurer: Opas Engel
223語
おじいちゃんの回想・・・
学校に行く途中に広場があって、そこに大きな天使像があったが、あまり気にも止めなかったと、かつての少年のおじいちゃん、何も知らずに天使像の脇を通り過ぎるが、その象から天使が抜けだして・・・。
これが表紙に描かれている場面。
ことあるごとに天使は少年を助ける。バスに引かれそうになったときには、必死にバスを押しとどめる、高い木から飛び降りたり、深い湖に飛び込んだ時にも、天使は助けに走る、などなど。だが、天使の姿は見えない。だから、少年は自分には勇気があるんだ、なんて呑気に信じられる・・・。
少年は大きくなっていき、さらに大人に。
ナチスの腕章をつけた大人をからかい、黄色い星をつけた友だちの不安も理解できず、その友達が突然いなくなっても不思議に思うばかりだったが、戦争が始まり、食糧難、戦後の生活難・・・。つねに天使はそばにいて手を差し伸べる。
結婚し、子供が生まれ、家を建て、やがて孫も生まれる。いつでも見守る天使の姿がそこにある。
そして、晩年「運がよかった」という感慨があるばかり・・・。
なぜなら、天使の姿は本人には見えないから。その姿を見ているのは本の読者だけ。
そして、ラストは病室に戻る。
おじいちゃんは疲れて眠ってしまったと思い、静かに部屋を出る少年。
でも、おじいちゃんの枕元には天使の姿。それは臨終の瞬間。
病院の外、夕暮れの広場はまだ明るく、温かい。いい一日だったと足取りも軽い少年。そして、その後ろをゆらゆらと天使がついていく・・・。
と、そんな印象的な場面で締めくくられる物語。
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