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2015年5月 6日 (水)

ドイツ語多読本: Mein großes Usborne Bildwörterbuch、もう1冊Bildwörterbuchを

以前の「Bildwörterbuch 2冊」に続き、児童向け絵入り辞書をもう1冊

Mein großes Usborne Bildwörterbuch

収録語数は1000語程度

気になるページの中身は、表紙に見える通りの構成。白い背景に色々なもののイラストに単語がつく。
ページ毎に家とか台所とか乗り物といったカテゴリーの単語が並ぶ。

ただ、前に紹介した2冊は見開きで一つの場面を表す大きな絵が描かれ、その中にある物に単語がついている。
今回の辞書はそういう場面全体を描く絵がない。白地に物の絵が羅列されているだけ。絵は親しみやすいが、1ページに40以上もイラストがあったりして、ごちゃごちゃして、ちょっと見ていて息が詰まる感じもする。

好みは前の2冊の形式。
場面全体の絵があると多少なりともドラマがあるし、見ていて飽きが少ない。が、全体像がなく、白地に物の羅列だけだと何やら暗記を強制されているような気持ちになる。1ページあたりの単語数も多いし、見ていてちょっと疲れる。


本を読むというのはけっきょく、その時の場面・状況、コンテクストをどこまで想像できるかにかかっている。
単語の意味は文を見なければわからない(辞書にある意味のどれを選ぶかは文から判断するしかない)し、ひとつひとつの文だって文脈なしには理解不能だ。たとえば「それはすごい」という文にしたって、感嘆しているいるのか、褒めているのか、逆に皮肉でバカにしているのか、文脈なしには理解できない。つまり、単語を理解したかったら文が必要だし、文を理解したかったら文脈が必要。つまり、つねにより大きなコンテクストを想像しないと単語も文も理解できはしない。

だから、単語の意味を一つずつ順番に当てはめていけば外国語はわかるという発想は間違いで、むしろより大きなコンテクストをつねに思い描きながら読まないと、その当てはめすらできないというのが正しい。そして、そういうコンテクストを想像する力はバラバラの単語の暗記では養われない。やはり実際にたくさん文章、つまり本を読むしかない。

で、辞書に話を戻すと、全体の俯瞰図があるほうが個々の単語にコンテクストあるわけで、そこに想像によって何かドラマを補って見ることもできる。つまりは物語を見つけやすいので、飽きずに眺められる。だから前に紹介した2冊の辞書のほうが見やすいし、印象に残りそうだな、という感想になる。


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