Kobo: フリーの辞書をKoboの辞書に変換
何度か書いているので詳しくは省略するが、Koboの辞書は、辞書ウィンドウ内の単語も辞書で引けるなど(ただし日本語の辞書はダメ。なんとかしてください、楽天さん)、Kindleの辞書より機能的に使いやすいし、Kindleの辞書のバカな仕様に煩わされることもない。
が、Kindleのように辞書を購入して追加することはできないし、収録辞書そのものも貧弱。
そこで、フリーの辞書をKoboの辞書に変換して、少しでも選択肢を増やてみる。
使うのはBabylonの辞書。
Bayblonのソフトはなにやらとても評判が悪いようだ。だが、用があるのは辞書ファイルのみ。
もしPCで辞書を見てみたいなら、Babylonのソフトをインストールしなくても、goldendictなどのBaylonの辞書に対応したフリーのソフトを使えばいいだろう。Windows、Linux、それからAndroid版もあったはず。
以下の説明はLinuxで。
Windowsで変換している人もいるようなので、pythonとMarisaのWindows版をインストールすればできるはず。
◎手順
1. 辞書の入手
2. 変換ツールの準備
3. 辞書の変換
1. 辞書の入手
・Babylonのフリーの辞書
・ドイツ語の辞書
ドイツ語の辞書を例に以下説明。
独和などあるはずがないので、独英を。"Babylon German-English"の「Add this Glossary」をクリックしてダウンロード。
NEW_Babylon_German_English_dictionary.BGLというファイルがダウンロードされる。これが辞書。
(ダウンロードしたのが.exeだったら、実行せずとも7zipなどで解凍できるらしい。だから、windows以外でも解凍できるはず)
2. 変換ツールの準備
1) Pyglossary
https://github.com/ilius/pyglossary
からダウンロード。「download ZIP」から。
これは、Babylonの辞書(.bgl)を、下記のPenelopeがサポートしている辞書形式に変換するためのもの。
解凍するだけで使えたが、必要な依存パッケージがあるのかも。もちろんpythonが必要なのは言うまでもない。
2) Penelope
https://github.com/pettarin/penelope
ダウンロードは「Download ZIP」から。
ダウンロードして解凍するだけ。penelope-masterというディレクトリに解凍される。
さらに、Penelopeを動かすためにMarisaが必要。
2-1) Marisaのダウンロードとビルド
https://code.google.com/p/marisa-trie/
から、marisa-0.2.4.tar.gzをダウンロードして、解凍・ビルド。
$ cd marisa-0.2.4
$ ./configure
$ make
(make installしてもいいが省略した)
2-2) makeしてできたmarisa-buildとmarisa-reverse-lookupのパスを、 penelope.pyに記述。
penelope-master/src/penelope.py をエディタで開いて、MARISA_で始まる次の2行を探す。
MARISA_BUILD_PATH="/xxx/yyy/marisa-0.2.4/tools/marisa-build"
MARISA_REVERSE_LOOKUP_PATH="/xxx/yyy/marisa-0.2.4/tools/marisa-reverse-lookup"
のように、自分の環境に合わせてパスを変更。(/xxx/yyy/の部分変更)
(MarisaのWindow版は
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=2575659&postcount=5 から)
以上で、ツールの準備は終了。
3. 辞書の変換
◯変換その1
PyGlossaryでbgl形式をstardict形式に変換
・pyglossary-master/pyglossary.pyw を起動(操作はGUI)。
Convertタブ選択
Read from fomat: Babylon(bgl) 選択
File Path: NEW_Babylon_German_English_dictionary.BGLを指定
Write to format: StarDict(ifo) 選択
File Path: そのままで可(NEW_Babylon_German_English_dictionary.ifoになっているはず)
そして、「適用」クリック。
http://sourceforge.net/projects/pyglossary/のスナップショット参照。
http://a.fsdn.com/con/app/proj/pyglossary/screenshots/235759.jpg
変換が終わると、
NEW_Babylon_German_English_dictionary.dict.dz
NEW_Babylon_German_English_dictionary.idx
NEW_Babylon_German_English_dictionary.ifo
NEW_Babylon_German_English_dictionary.syn
の4ファイルができあがっているはず。これがstardict形式の辞書。(辞書によっては、.synがないものもある)
これをpenelopeでKobo用の辞書に変換すればよい。
◯変換その2
Penelopeでstardict形式からKoboの辞書に変換
辞書ファイルがあるディレクトリに移動したら、以下のコマンド。
$ python /xxx/yyy/penelope-master/src/penelope.py -p NEW_Babylon_German_English_dictionary -f de -t en --output-kobo
(/xxx/yyyは自分の環境にあわせてパスを)
オプションの解説をすると、
-p 辞書ファイル名(拡張子はつけないこと)
-f de ドイツ語から
-t en 英語へ(独英辞典なので)
--output-kobo Kobo用の辞書に変換
これでdicthtml-de-en.zipができあがる。これがKoboの辞書。
◯あとは、Kobo端末へ持っていくだけ
dicthtml-de-en.zipをKoboの、.kobo/dict/にコピーして、再起動。
辞書のリストの「Deutsch - English」に入る。
うまくいかないようなら、メニューの「設定」 > 「辞書」の「編集」 と進んで、目的の辞書名をタップ。
すると辞書がダウンロードされる(インストール済みのカスタム辞書はKoboのデフォルト辞書に戻されてしまうので注意)その後、自分で作った辞書を.kobo/dictsにコピー・再起動するとよい。
すでにある独英辞典も残したければ、他言語の辞書として登録すればよい。
たとえば、dicthtml-it-en.zipにリネームすれば、「Italiano - English」に登録されるし、dichhtml-it.zipだと「Italiano」に登録されて、辞書の切り替えが可能になる。
(ただし、同期をとるとデフォルトの辞書に戻されてしまうので、いちいちまた辞書をコピーし直さないといけない)
使ったみた感じ。
それなりに語形変化にも対応しているようで、ヒット率は高い。ヒット率はKindleのDudenより上かもしれない。が、フリーの辞書だけに用例や発音はないし、単語を定義しているというよりは、類義語の羅列といった感じ。それでもヒット率がいいので、Koboのデフォルトの辞書より楽だろう。
有料の辞書も変換できれば、Koboで使えるかもしれない。ただし値段は高い。
ドイツ語だと、DudenやLangenscheidt、Ponsの辞書があるようだ。
が、値段もそうだが、Bayblonって評判よくないみたいだし、どうなんだろうな。
Kobo端末利用者で、Babylonの有料の辞書を持っている人がいたら、やってみる価値はあるだろう。
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