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2015年4月12日 (日)

Kobo: フリーの辞書をKoboの辞書に変換

何度か書いているので詳しくは省略するが、Koboの辞書は、辞書ウィンドウ内の単語も辞書で引けるなど(ただし日本語の辞書はダメ。なんとかしてください、楽天さん)、Kindleの辞書より機能的に使いやすいし、Kindleの辞書のバカな仕様に煩わされることもない。

が、Kindleのように辞書を購入して追加することはできないし、収録辞書そのものも貧弱。
そこで、フリーの辞書をKoboの辞書に変換して、少しでも選択肢を増やてみる。

使うのはBabylonの辞書。
Bayblonのソフトはなにやらとても評判が悪いようだ。だが、用があるのは辞書ファイルのみ。

もしPCで辞書を見てみたいなら、Babylonのソフトをインストールしなくても、goldendictなどのBaylonの辞書に対応したフリーのソフトを使えばいいだろう。Windows、Linux、それからAndroid版もあったはず。

以下の説明はLinuxで。
Windowsで変換している人もいるようなので、pythonとMarisaのWindows版をインストールすればできるはず。

◎手順
1. 辞書の入手
2. 変換ツールの準備
3. 辞書の変換

1. 辞書の入手
Babylonのフリーの辞書
ドイツ語の辞書
ドイツ語の辞書を例に以下説明。
独和などあるはずがないので、独英を。"Babylon German-English"の「Add this Glossary」をクリックしてダウンロード。

NEW_Babylon_German_English_dictionary.BGLというファイルがダウンロードされる。これが辞書。
(ダウンロードしたのが.exeだったら、実行せずとも7zipなどで解凍できるらしい。だから、windows以外でも解凍できるはず)

2. 変換ツールの準備
1) Pyglossary
https://github.com/ilius/pyglossary
からダウンロード。「download ZIP」から。
これは、Babylonの辞書(.bgl)を、下記のPenelopeがサポートしている辞書形式に変換するためのもの。

解凍するだけで使えたが、必要な依存パッケージがあるのかも。もちろんpythonが必要なのは言うまでもない。

2) Penelope
https://github.com/pettarin/penelope
ダウンロードは「Download ZIP」から。
ダウンロードして解凍するだけ。penelope-masterというディレクトリに解凍される。

さらに、Penelopeを動かすためにMarisaが必要。
2-1) Marisaのダウンロードとビルド
https://code.google.com/p/marisa-trie/
から、marisa-0.2.4.tar.gzをダウンロードして、解凍・ビルド。

$ tar zxf marisa-0.2.4.tar.gz
$ cd marisa-0.2.4
$ ./configure
$ make

(make installしてもいいが省略した)

2-2) makeしてできたmarisa-buildとmarisa-reverse-lookupのパスを、 penelope.pyに記述。

penelope-master/src/penelope.py をエディタで開いて、MARISA_で始まる次の2行を探す。


MARISA_BUILD_PATH="/xxx/yyy/marisa-0.2.4/tools/marisa-build"
MARISA_REVERSE_LOOKUP_PATH="/xxx/yyy/marisa-0.2.4/tools/marisa-reverse-lookup"

のように、自分の環境に合わせてパスを変更。(/xxx/yyy/の部分変更)

(MarisaのWindow版は
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=2575659&postcount=5 から)

以上で、ツールの準備は終了。

3. 辞書の変換
◯変換その1
PyGlossaryでbgl形式をstardict形式に変換

・pyglossary-master/pyglossary.pyw を起動(操作はGUI)。
 Convertタブ選択
 Read from fomat: Babylon(bgl) 選択
  File Path: NEW_Babylon_German_English_dictionary.BGLを指定
 Write to format: StarDict(ifo) 選択
  File Path: そのままで可(NEW_Babylon_German_English_dictionary.ifoになっているはず)
そして、「適用」クリック。
http://sourceforge.net/projects/pyglossary/のスナップショット参照。
http://a.fsdn.com/con/app/proj/pyglossary/screenshots/235759.jpg

変換が終わると、
NEW_Babylon_German_English_dictionary.dict.dz
NEW_Babylon_German_English_dictionary.idx
NEW_Babylon_German_English_dictionary.ifo
NEW_Babylon_German_English_dictionary.syn
の4ファイルができあがっているはず。これがstardict形式の辞書。(辞書によっては、.synがないものもある)
これをpenelopeでKobo用の辞書に変換すればよい。

◯変換その2
Penelopeでstardict形式からKoboの辞書に変換

辞書ファイルがあるディレクトリに移動したら、以下のコマンド。


$ python /xxx/yyy/penelope-master/src/penelope.py -p NEW_Babylon_German_English_dictionary -f de -t en --output-kobo

(/xxx/yyyは自分の環境にあわせてパスを)

オプションの解説をすると、
 -p 辞書ファイル名(拡張子はつけないこと
 -f de ドイツ語から
 -t en 英語へ(独英辞典なので)
 --output-kobo Kobo用の辞書に変換

これでdicthtml-de-en.zipができあがる。これがKoboの辞書。

◯あとは、Kobo端末へ持っていくだけ
dicthtml-de-en.zipをKoboの、.kobo/dict/にコピーして、再起動。
辞書のリストの「Deutsch - English」に入る。

うまくいかないようなら、メニューの「設定」 > 「辞書」の「編集」 と進んで、目的の辞書名をタップ。
すると辞書がダウンロードされる(インストール済みのカスタム辞書はKoboのデフォルト辞書に戻されてしまうので注意)その後、自分で作った辞書を.kobo/dictsにコピー・再起動するとよい。

すでにある独英辞典も残したければ、他言語の辞書として登録すればよい。
たとえば、dicthtml-it-en.zipにリネームすれば、「Italiano - English」に登録されるし、dichhtml-it.zipだと「Italiano」に登録されて、辞書の切り替えが可能になる。
(ただし、同期をとるとデフォルトの辞書に戻されてしまうので、いちいちまた辞書をコピーし直さないといけない)

使ったみた感じ。
それなりに語形変化にも対応しているようで、ヒット率は高い。ヒット率はKindleのDudenより上かもしれない。が、フリーの辞書だけに用例や発音はないし、単語を定義しているというよりは、類義語の羅列といった感じ。それでもヒット率がいいので、Koboのデフォルトの辞書より楽だろう。

有料の辞書も変換できれば、Koboで使えるかもしれない。ただし値段は高い。
ドイツ語だと、DudenやLangenscheidt、Ponsの辞書があるようだ。
が、値段もそうだが、Bayblonって評判よくないみたいだし、どうなんだろうな。

Kobo端末利用者で、Babylonの有料の辞書を持っている人がいたら、やってみる価値はあるだろう。

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