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2015年3月31日 (火)

ドイツ語多読本:Paul Maar: Robert und Trebor

Robertはよくある名前だが、Treborというのは・・・?

Robertを逆から読んだもの。主人公Robertの分身的存在だが、そういう架空の存在を必要とするというのは、現実世界では何かうまくいっていない証拠でもあって・・・。
7歳以上対象、絵本というよりイラスト入りの児童書。

Paul Maar: Robert und Trebor

3800語

親の都合で引っ越してきた新しい町。まだ友だちもいない。前の家のほうがずっとよかったのに・・・と不満でいっぱいのRobert。児童書によくあるシチュエーション。壁紙すら、何か気持ち悪く見える。ツタのようなものがうねうねしていて、黄色い斑点みたいがものがいっぱい。

友だちもいないし、宿題でもやるしかない。が、その宿題もつまらない算数の問題で、いらいらするばかり。壁紙の黄色い斑点も自分をじっと見つめているような気がする。すると、その中に黄色ではなく茶色の点を見つけるRobert。それを鉛筆で黒く塗って、さらに壁に映った自分の影にあわせて輪郭を描いていくと・・・。

Treborが壁紙から現れてくる。
TreborもRobertと同じように退屈していて、じゃあ役割を交換しようということに。Robertは壁紙の背後のジャングルの中へ入っていって思う存分遊びまわり、Treborは宿題をする・・・。

とまあ、都合のいい話だが、Robertの現実に対する不満が呼び出した架空の存在なのだろうから、仕方ない。それに、それで現実が変わるわけでもない。

つまり、新しい学校に転校して直面する問題から逃れられるわけではない。どうやって友だちを作るか?
Simoneといういい感じの女の子がいるが、どうもいじめっ子のFrankと友だちらしい。ちょっとSimoneと話していたら、Frankがやってきて邪魔をするし、Robertをいじめの標的にする・・・。

いろいろあって、最後はSimoneと仲よくなるという、まあ予想を裏切らないラスト。
そして、壁紙に描いたTreborの輪郭線を消すRobert。

これは架空の友だちを創り出さなくても、ちゃんと現実でやっていけるようになったことを示すRobertの象徴的な行為なんだろうが、ちょっとどうなのだろうかとも思う。

たしかにTreborは本当に都合のいい友だちで、Robertの思い通りに行動してくれる。そんな友だちは現実にはありえない。だから、いつかは決別して現実に立ち向かうべき。でも、現実で友だちができたから、もう用済み、みたいな扱いって。

それに、そういう架空、空想の存在がまったく必要なくなるのかというと・・・?
誰でも本を読んだり、映画を見たりする。それらはただの作り話、人が都合よく考えだした空想の産物。人は大人になっても、やはりそういうものを求める。だから、そう簡単にTrebor的なものと決別できるとも思えない・・・。

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