ドイツ語多読本:Axel Scheffler / Phyllis Root: Sam und das Meer (Mnimax)
ソフトカバーの絵本で値段も安めのBelz & GelbergのMinimaxから。
川辺に住んでいると自然に、川の流れ着く先はどこなのか、そこへ行ってみたいと思うものなのか、海を夢見るネズミの話。
Axel Scheffler / Phyllis Root: Sam und das Meer
744語
周囲に何も見えない大海原に乗り出したネズミ。これが物語のラスト・シーン。
毎日、海のことを考えているネズミのSam。昼間仕事をしている時は船乗りの歌を口ずさみ、夜、ポプラが風に揺れる音を波音に重ねる・・・。
そんなある時、帆船の図面の広告が新聞に。さっさく手に入れて、船を作り始める。
その工程がていねいに描かれていく。竜骨を削り、肋材をつけ、板を張り・・・。もちろん船がすぐに出来上がるわけはなく、夏になり、秋が過ぎ、冬が来て、と季節が過ぎていく中、Samは淡々と船を少しずつ作っていく。
と同時に、ご近所の動物たちの様子も物語られる。となりのおじいさんは、「そんなことより家の手入れとか、もっと大切なことがあるだろう」と言うし、近所のおばさんは「ネズミは海の動物じゃないんだから」なんて言いながらも、少しずつ船が出来上がっていくと、だんだんと心配になってくる・・・。
そんな、海に出るまでの経過を淡々と、でも、ていねいに温かく描いているところが気持ちのよい絵本。
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