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2015年1月

2015年1月29日 (木)

ドイツ語多読本:Barbara Wersba / Donna Diamond: Ein Weihnachtsgeschenk für Walter

表紙だけ見ると絵本かと思うが、絵本ではないし、とくに子供向けの本でもない、なぜか本が読める年老いたネズミに、こちらも老いた児童書作家の話。

日本のアマゾンにはKindle版がないので、Koboのepub版。

Barbara Wersba / Donna Diamond: Ein Weihnachtsgeschenk für Walter
Weihnachtsgeschenk_fuer_walter

10000語

とうぜん値段は高いが、ハードカバー版はアマゾンにもある: Ein Weihnachtsgeschenk für Walter

ネズミといっても、RatteとMaus(ラットとマウス)の違いがあって、この本のネズミはラットのほう。つまりはドブネズミなど、不潔で病気を運んでくると思われて、人間に嫌われている方のネズミ。マウスはハツカネズミみたいにペットにもなるようなネズミ。

母親が巣作りのために持ち込んだページの切れ端を目にしたら、なぜか読めてしまったというネズミのWalter。フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』の一節だったという。自分の名前もウォルター・スコットにあやかって、自分でつけた。皮の装丁の立派な本だったから。ただ皮そのものはかじって食べてしまったが・・。

そんな高尚な文学まで読むWalterが今住んでいるのは児童書作家の女性の家。本がたくさんあるから、Walterにはうってつけ。この作家は人付き合いが嫌いな、偏屈者のようで、部屋の掃除はしないし、庭も荒れ放題。ただ、Walterとの共通点があって、どちらも年をとっていて、一人ぼっち・・・。

で、Walterは家の図書室で彼女の著書を見つける。なんとネズミを主人公にした話。007みたいな秘密エージェントのネズミが活躍する。だが、それはマウスの話。ラットの方が知性もあるのに、やはりラットは人間に嫌われている・・・。その上、本のカバーの著者紹介には、趣味は料理とガーデニングなんて書いてあって、二つとも嘘じゃないか!!

苦情を言おうと思うが、いきなり姿を表すと、叫び声を上げられたり、ネズミ殺しの薬を買いに走りだしたりするかもしれないので、手紙にする。が、いろいろ文面を考えてもいいものが浮かばず、けっきょく、
「Walterといいます
ここに住んでいます」
の2行だけの手紙になる。ところが、驚いたことに返事がある。
「知っている」

こんな素っ気ない手紙のやり取りから、Walterは姿を見せないまま、つかず離れずの関係で手紙のやり取りが始まり・・・、そんな感じの話。

マウスばかりでラットの話がないじゃないか、というWalterの問いかけに、いやラットの話だっていくつもある、といつになく多弁になるのは、やはりネズミの話を書く作家らしいし、もう歳だから読めない本をたくさん残して死んでしまうんだ、というWalterの嘆きには、私だって歳だけど・・・と言葉を返すあたり、人間嫌いで気難しい作家の方も心を開いてきているような・・・・。そしてクリスマスが近づき、Walterはプレゼントを用意する。そして、作家の方もWalterにプレゼントを用意していた・・・。

クリスマス・ストーリーなので温かい話だが、ベタベタしすぎず、何も言わずそっと寄り添うだけのラストもしみじみ。

イラストはどれもいいが、でもやはり本のページをのぞきこんでいるネズミの姿が一番チャーミング。


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2015年1月27日 (火)

ドイツ語多読本:Bernd Perplies: Magierdämmerung 3. In den Abgrund

19世紀末を舞台に、飛行船や軍艦など当時の最新技術、第1巻からお馴染みのノーチラス号や、さらにはニコラ・テスラの想像上の技術に、魔術や「さまよえるオランダ人」の幽霊船などの空想を混ぜあわせ、派手な活劇に仕立てたMagierdämmerung3部作の最終巻。

第1巻 Magierdämmerung 1. Für die Krone
第2巻 Magierdämmerung 2. Gegen die Zeit

アトランティスに眠る魔力の源泉を解放し、強大な力を得て、ロンドンの魔術結社を牛耳ったWellingtonがふたたび目指すのは魔力の源泉。それを使ってイギリスを世界の支配者にするための兵器を作ろうというのだ。すべてはイギリス王室のため、というのがその大義名目。

それを阻止すべく、同じ場所を目指すJonathanやHolmesたち。第2巻で登場したバチカンの対魔術組織のエージェントもドイツの飛行船で目指す場所は同じ。さらにはこの巻ではアメリカから参戦する者もあり、そしていよいよ最終決戦。

Bernd Perplies: Magierdämmerung 3. In den Abgrund
Magierdaemmerung3

140,000語

前巻でようやくノーチラス号から脱出したHolmesたちは、運良くバチカンの女エージェントが乗る飛行船に拾い上げられる。そこではもちろんイギリス、ドイツ、イタリアと、おそらく対立している国同士の人間がいっしょになるわけで、最初は腹の探り合いがありつつも、なぜかいきなり翼竜に襲われる(魔術の源泉が解放されたための異変の一つ)など事件がありつつも・・・・、という展開。

イギリスに残った反Wellingtonの魔術結社の残党はというと、Wellingtonがすべてはイギリス王室の覇権のために動いているなら、イギリスの王室からそれをやめるように勧告する書状をもらい、Wellingtonに叩きつければいいだろう、という話になる。それでバッキンガム宮殿に向かう。そこでヴィクトリア女王のひ孫にあたるプリンセスが彼ら一行の姿を見て、声をかける。それは彼らが自分と同じような光を発しているからなのだが、プリンセスはそれが魔力の証であることを知らない・・・。

そして、第2巻でストーンヘンジで魔力の源泉を封印するための鍵を生成したJonathanとKendraの一行は、Kendraの祖父が遺した笛を吹いてみると幽霊船が出現。船長は「さまよえるオランダ人」と名乗る。それで、かつてのアトランティス大陸が隆起した島、魔力の源泉が噴き出している島へ向かうことになる。もちろんそこでも事件は発生・・・。

さらにアメリカ。第2巻で魔術の源泉を封印する鍵を生成する時に登場した源泉の番人の一人がメインの筋。彼も魔術の源泉に行こうと、まずはアメリカの東海岸を目指す。そしてアメリカの軍にも魔術関係の特殊部隊があって・・・。

そんな感じでWellington包囲網が作られていき、最終決戦へ・・・という盛り沢山な内容で、楽しませてくれる。

冒険活劇的な展開を楽しむ本。あまり人間的なドラマみたいなものは期待しないほうがいい。たとえば悪の親玉Wellingtonにしたところで、悪のすごみがあるかといえば、たいしてない。ただ「イギリスのため」という行動原理があるだけで、そこにいたるまでの経緯が語られるわけでもない。対するJonathanにしても、たまたま魔術の源泉を封印するのに必要な指輪を渡されただけの人間にすぎないが、何の葛藤もなく「人類のため」という名目だけで行動できてしまう。単純そのものとしか言いようがない。ストーリーを動かすための人形みたいな感じは残る。深く考えず楽しめばよいエンターテインメント小説。

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2015年1月22日 (木)

Kindle 新フォント:Bookerly Paperwhite/Voyageにもぜひ

日本のアマゾンもKindle for PCをようやくリリースしたようだが、PCで本は読む気にならないので、あまり興味なし。

それより、Kindle Fireには新しいフォント(欧文)が配布されているらしく、こっちのほうが気になる。Bookerlyとかいう。

Bookerly: Neuer Kindle-Font, “optimiert für E-Reading”
(新Kindleフォント、「E-Readingに最適化」)
http://www.lesen.net/ebook-news/bookerly-neuer-kindle-font-optimiert-fuer-e-reading-17677/ より

lesen.toが引用している元の記事:Bookerly: Amazon's new Kindle font
http://www.onemanandhisblog.com/archives/2015/01/bookerly_amazons_new_kindle_font.html

Caeciliaとの違いは、こっちのポストの拡大写真を見たほうがいい。
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=3022562&postcount=18
左がBookerly、右がCaecilia
大きさ・太さは同じくらいだが、Caeciliaより字間が詰まっている感じ。

Paperwhite/Voyageでどう見えるかわからないが、線が細すぎて使えないBaskerville、Platinoより、見やすそう。

amazon.comのカスタマーのフォーラムを見ると、去年の12月から配布が始まっているようだ。
http://www.amazon.com/gp/help/customer/forums/kindleqna/ref=cs_hc_k_tv?ie=UTF8&forumID=Fx1FI6JDSFEQQ7V&cdThread=Tx40OJWQUG8FYQ

VoyageというかFW5.6.xはjailbreakの見通しが立っていないようで、欧文フォントの入れ替えはできない状態。それだけに、タブレットだけでなく専用端末のVoyage/Paperwhiteにも新フォントを提供してくれないものか。

Kindleはフォントの調節が不自由なので、ちょうどいいサイズにならない可能性もあるが(Koboの最新FWではフォントサイズはたしか40段階に調節可能。Kindleは8段階)、Koboのようにフォントの追加が自由にできないだけに、フォントにはもっと注意を払って欲しいところだ。

上のlesen.toの記事にあるように、おもに紙に印刷するために作られたフォントを搭載しておしまい、というのではちょっと困る。
文字が読みやすいか、読みにくいかは読書専用端末の根幹に関わる問題のはず。

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2015年1月20日 (火)

ドイツ語多読本:Gabrielle Vincent: Weihnachten bei Ernest und Celestine

水彩の絵もストーリーも優しく温かいErnest und Celestineシリーズから。オリジナルはフランス語。

クマとネズミの組み合わせ。何やらせがんだり、だだをこねたりするCelestine(ネズミ)と、けっきょくは折れてCelestineの希望をかなえるべく、がんばってしまうErnest(クマ)の話。

季節外れだがクリスマスの話。

Gabrielle Vincent: Weihnachten bei Ernest und Celestine

424語

雪と風が強い町の中を傘をさして歩くErnestとCelestine。もうすぐクリスマス。
パーティを開いて友だちを呼んでお祝いするって約束したよね、というCelestineに、お金がないんだ・・・と言うばかりのErnest。

お金がなくたってパーティはできるよ、とErnestの首にぶら下がったり、膝に抱きついたりと懸命な説得を続けるCelestine。最後はもうふてくされてベッドにうつ伏せ。そうなるとErnestも言うとおりにするしかない・・・。

それで、森にクリスマスツリーの木を探しに行ったり、布や食器を探しに行ったり、手作りの飾りやプレゼントを用意したり、ドレスやサンタの服を縫ってみたりと、そういう準備自体もやり出したら楽しかったりする。

そしてパーティが始まり、みんなで歌ったり踊ったり、Ernestにお話をしてもらったりと、賑やかなパーティ。サンタに扮したErnestに気づかず、サンタが来たよとErnestを探しに行くCelestineが可愛らしかったり・・・。

騒いで、疲れて、眠くなる、大満足のクリスマス、そんなしあわせなストーリー。

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2015年1月18日 (日)

使っている人は少ないと思うが、Kindle Keyboard、アップデート3.4.1

昔はKindle 3といわれていたKindle Keyboard、もう販売されていないがファームウェアのアップデートがあったようだ。
http://blog.the-ebook-reader.com/2015/01/17/kindle-keyboard-firmware-update-fixes-web-browser-issues/ より

ダウンロード:
http://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?nodeId=200529700

ウエブブラウザのセキュリティ関連の修正らしい。

日本ではKindle Paperwhite(2012)が最初のKindleだが、それより古いKindle KeyboardはInternational版(?)という形でamazon.comで、日本からも買えた。
知らない人はWikipediaのKindleの記事でも。「第3世代」のところ。

日本語フォントはあったが、横書きのみで、そもそも和書のKindle本なんかない時代。洋書目当てで買った人がほとんどだと思うが、縦書きで日本語を読みたければ、フォント埋め込みのpdfを作るしかなく、そのために青キンなんてフォントがあったりしたわけで。

スクリーンはタッチ式ではなく、すべてボタン操作。ボタンを何度も押してカーソルを移動させて、辞書を引いたり、ハイライトしたりと面倒だったが、その代わり、文字単位で選択範囲が指定できた(タッチ式になってからはそれはできなくなっている)。

当時はまだオーディオ機能もついていて、audibleやmp3の再生ができたし、英語なら読み上げ機能もついていた。タブレットのKindle Fireが出てきてから、音声機能はカットされた。

あと、日本のアマゾンで売っているKindleの3Gは日本でしか使えないが、Kindle Keyboardの3Gは海外でも使える。それから、3Gでもウエブブラウザが使用可能。以後の機種ではブラウザはWiFiでなければ使えなくなっている。

たぶん充電すれば今でも使えるはずだが、もう使うことはないだろうなあ。新モデルを買う時に古いモデルの買取をするとか、そういうサービスしてくれないかな、アマゾン。

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2015年1月15日 (木)

ドイツ語多読本:Marian De Smet / Marja Meijer: Abgeschlossen (Mnimax)

ソフトカバーの絵本で値段も安めのBelz & GelbergのMinimaxから。

表紙を見れば一目瞭然、トイレの鍵が開かなくなって・・・。

Marian De Smet / Marja Meijer: Abgeschlossen

700語

アマゾンは品切れ状態なので、まだ扱っている紀伊国屋のリンク:
Abgeschlossen (Minimax)

ママと図書館へ行くAnna。
Annaはすぐに本を決められるのに、なかなか決められないたちのママ。本選びに没頭していて、トイレに行ってくるよ、と言ってもうわの空で聞いていない。

仕方がないのでそのままトイレに。ママからは「鍵は閉めちゃダメ」と言われているが、敷居をまたいで鍵をカチカチさせて、「使用中」のプレートが赤くなったり白くなったりするのを確かめてみたり。(やはり子供にはこういうのはおもしろいんだろうな)

ところが、ドアを閉めてやってみようとしたのが運の尽き。ドアが開かなくなってしまう・・・。

表紙のように、ドアの下の隙間から出られないか、頭を突っ込んでみたり、頭がだめならと、足の方から出ようとしてみたり、それで靴が片方脱げてしまったり。すると、男の子がドアの下の隙間から顔を出す・・・。

最後は、「鍵は閉めちゃダメって知っているでしょ、ママったらもう」、そんな立場逆転で笑いを取ってくれる。


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2015年1月13日 (火)

ドイツ語多読本:Daniel Napp: Dr. Brumm versteht das nicht

愉快なクマ、Dr. Brummシリーズ

なぜDr.(ドクター)なのか、いまひとつわからないが、クマの表情もひょうきんで、コミカルなストーリー。

アマゾンには高いハードカバーしかないが、
Daniel Napp: Dr. Brumm versteht das nicht

382語

紀伊国屋にずっと安いソフトカバーの小型絵本、Maxi-Pixi版があった。
Drbrumm01
こちらは340円程度

表紙を見てわかる通り、テレビのコンセントを見て、「なんだ、これ?」みたいな顔のDr.Brumm。それがタイトルの"Dr.Brumm versteht das nicht"

毎週土曜日の楽しみ、テレビでサッカー観戦をしていると、プチンとテレビの電源が落ちる。なんてこったと調べてみると、テレビからケーブルが出ている。ええ、サッカー場がこんなケーブルを通ってこれるの?

ケーブルを引っ張ってみると、ケーブルは壁をつたって屋根に抜けている。「わけわからん」(Dr. Brumm versteht das nicht.)。

こうして、Dr.Brummの探求が始まる。
Dr.Brummは屋根に登り(屋根から落ち、)、ケーブルが屋根から木につながっているのを発見。そこでまた「わけわからん」。そしてケーブルは何本もの木をつたって、遠くへ続いている。自転車に乗って、ケーブルの向かう先を目指すDr.Brumm。そこには・・・・。

そんな、テレビがまた映るようになるまでの、おかしな楽しい探求の物語。体のサイズにあわない小さな自転車(それも補助輪つき)に乗るDr.Brummの姿がおかしくもかわいらしい。


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2015年1月11日 (日)

Kindle Voyageのjailbreakの見通し、Koboのハック

Kindle Voyage(FW5.6.x)のjailbreakはまだ見通し立たず?
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?p=3023198#post3023198

やはり欧文フォントを入れ替えたいし、Calibreでコレクション管理したいんだが、いまところ、Kindleを物理的に開けて、シリアル接続するしか方法がないらしい。

で、なんでKoboもいっしょに話題にしたかというと、いつもお世話になっている、Kindleのjailbreakその他のパッケージを作成している人が、mobilereadのKoboのほうに顔を出すようになったから。
なにやらフランスではVoyageが発売されていなくて、Kobo aura H2Oを買ったのだとか。

それでKobo用のいろんなツールをアップしている。
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=254214

ダウンロード・リンク、なんか古いヴァージョンのままなんだよなあ・・・。

自分では開発できないので、これらのツールで誰かが何か便利なものを作ってくれるのを待つしかないわけだが。

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2015年1月 8日 (木)

ドイツ語多読本:Martin Baltscheit / Christine Schwarz: Ich bin für mich (Minimax)

ソフトカバーの絵本で値段も安めのBelz & GelbergのMinimaxから。

タイトルの"Ich bin für mich"に出てくる"für"だが、gegenの反対語。
gegenが「反対」、fürは「賛成」ということ。この絵本は選挙の話なので、「自分に一票」って感じか。

Martin Baltscheit / christine Schwarz: Ich bin für mich

709語

4年に1度の、王様を選ぶ選挙。その選挙が大好きなライオン。みんながかならずライオンに投票するからだ。だから、投票後にはにこやかにビールとソーセージをふるまったりする。

ところが、ネズミがやってきて、対立候補がいないと「選ぶ」なんてできないから、選挙の意味がない、自分も立候補するぞ、と宣言。ライオンに負けないポスターなんか作ったりする。

それで他の動物たちも、じゃあ自分の立候補するぞ、と大騒ぎ。
ネズミは「ネコはネズミを食べてはならない、わたしたちこそネコを食べるのだ」なんて演説して、ネズミたちから大喝采。とうぜんネコも立候補していて、「ネズミはネコの主食だ、朝、昼、晩三食ネズミを食卓に」なんて演説・・・・。

もうおわかりだろうが、動物たちがてんで勝手な主張をし出すわけ。さあ、アリは、ヒツジは、ガチョウは、ウシはどんな公約をする?

そんな演説の後、投票。
結果はライオン以外は自分に投票。それぞれが王様になって好き勝手なことをし始める・・・。

もう動物社会は収拾がつかない状態。そこでこの混乱のきっかけとなったネズミが、唯一自分に投票せず王でなくなったライオンのところへ行く。さあどうしようか、と。

それでライオンは・・・という話だが、このラストはどういう意味なんだろう?
(言っておくと、ライオンが復位するわけではない)

動物たちが色彩豊か、表情豊かに描かれていて、絵も楽しい絵本。


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2015年1月 6日 (火)

ドイツ語電子書籍を借りる(無料): onleihe 電子図書館

海外では電子書籍の貸出があって、OverDriveというのが有名? 日本にも来る、なんて記事(「電子図書館プラットフォームOverDriveが日本へ」)もあるが、どうなるんだろう。

貸出というのは、各図書館が所有する電子書籍を貸し出すもののようで、利用する図書館のIDが必要。自国以外にもIDを発行してくれる図書館もあるようだが、手続きは面倒そう。epubだけでなく、kindle本も借りられるようだが。

ドイツにはonleiheというのがあって、インターネットで図書館の電子書籍が借りられる。どうせドイツ国内でしか使えないんだろうと思って、注意をしていなかったのだが、日本でもonleiheのサービスを行なっているところがあった。

東京Goethe-Institut ドイツ文化センター
「ゲーテ・インスティトゥート東アジア・オンラインライブラリー」
http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/bib/onl.html
ここから申し込みができる。

オンラインライブラリーはこっち
http://www2.onleihe.de/goethe-institut/frontend/welcome,6a61-0-0-100-0-0-1-0-0-0-0.html

電子書籍だけでなく、オーディオやビデオも貸し出されているので、多読をしている人にはかなりありがたいはず。

もちろんDRMがかかっているので、専用のアプリ・プログラムを使う必要がある。PCやタブレット、電子書籍専用端末で利用できる。ただし電子書籍はAdobe DRM付きのepubなので、Kindleでは利用できない(タブレットなら可能かもしれない)。Koboの端末はAdobe DRMをサポートしているので、もちろん利用可能。

借りられるのは10タイトルまで。
貸出期間は、本は2週間、雑誌・新聞は1日とか2時間とかに決まっている。期間を過ぎると、読めなくなる仕組み。期間が過ぎて読めなくなったら、本を削除するだけ。


本を借りてKoboで読めるところまで、手順を。

◎登録手続き
1.上の「ゲーテ・インスティトゥート東アジア・オンラインライブラリー」の「オンライン登録手続き」のリンクから申し込みをする(ドイツ語になっていたら日本の旗をクリックして日本語に)
申し込みフォーム:http://www.goethe.de/ins/jp/ja/tok/bib/onl/onf.html

2.メールで「登録コード」(9桁の数字)と、以降の手順が説明されたpdfが送られてくる
「登録コード」は、次の「mein Goethe.de/マイ・ゲーテ」の登録に必要
後は添付のpdfを見ながら作業すればいい

3.「mein Goethe.de/マイ・ゲーテ」の登録
この「マイゲーテ」のページの、右側の「登録」へ
https://login.goethe.de/cas/login?service=https%3A%2F%2Fmy.goethe.de%2Fkdf%2Fj_spring_cas_security_check&ort=tokdeJP&locale=jp
(ドイツ語になっていたら、ページ右上のドロップダウンリストから日本語に変更を)
メールアドレスやパスワード等入力

4.確認メールがくる
メールに記されたURLをクリックすると、ログイン可能になる
登録したメールアドレスとパスワードでログイン

5.ログインしたら、「マイオンラインライブラリー」をクリックして、最初のメールにあった「登録コード」(9桁の数字)を入力

これで本を借りられる状態になった。


◎借りた本をPCで読むまでの手順
解説のpdf参照:
http://cms.onleihe.de/opencms/opencms/divibib-customer/common/ja/Nutzung_eines_E-Book-Readers.pdf

1.Adobe Digital Editionsのインストール
PCではこれを使って本が読める。また、Kobo等の電子書籍端末に本を転送するときにも必要。
ダウンロード:
4.0.2: http://www.adobe.com/jp/solutions/ebook/digital-editions/download.html
3.0/2.0.1: http://www.adobe.com/support/digitaleditions/downloads.html

Adobeのページの「インストール手順」参照(古いがこっちのほうがわかりやすいかも)
http://helpx.adobe.com/jp/digital-editions/kb/8409.html

2.インストール後、手順の説明にしたがって、
・Adobe IDを取得
・「コンピュータを承認」
の二つを行なうこと

これでPCでは借りた本が読める状態になった。

◎本を借りる(これは説明しなくてもわかりそう)
・オンラインライブラリーで好きな本を探す
・「図書館貸出カゴに入れる」をクリック
・「図書館貸出カゴ」のページから、「今貸し出し」をクリック
 これでダウンロードできるようになる
・ダウンロードされるのは「URLLink.acsm」というファイルで、これをAdobe Digital Editionsに読み込ませる(関連付けされていればAdobe Digital Editionsが起動する。あるいはドラッグ・ドロップで)。それで本そのものがAdobe Digital Editions内にダウンロードされる。

PCは以上で説明終了。

◎借りた本をKobo端末で読むまでの手順
本をただKoboにコピーしても読めない。Adobe Digital Editions経由でKoboに転送すること。

1.Kobo端末にAdobe IDの権限を与える
・PCにKoboをつないで、Adobe Digital Editionsを起動する
・「デバイスを承認」するかどうか聞かれるので、承認をクリック
Adobeのサーバーにつながって、Kobo端末が承認される

2.本を端末に転送
Adobe Digital Editionsの左側に「KOBOEreader」というようなアイコンができているので、そこに借りた本をドラッグ・ドロップ。

これでKoboでも読めるようになった。
Kindleでは利用できないから、Kobo持っていてよかった。

さっと見たところ、日本では入手できない(日本のアマゾン、楽天Koboで扱っていない)出版社の本もあるので、ちょっとよさそう。買わずに済む本も増えそうだし。
オーディオ、ビデオについてはそのうち借りてみるつもり。

iOSについては、「Onleihe アプリ利用ガイド – ステップ・バイ・ステップ」というpdfの説明が用意されているので、そちらを参照。

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