ドイツ語多読本:Bernd Perplies: Magierdämmerung 3. In den Abgrund
19世紀末を舞台に、飛行船や軍艦など当時の最新技術、第1巻からお馴染みのノーチラス号や、さらにはニコラ・テスラの想像上の技術に、魔術や「さまよえるオランダ人」の幽霊船などの空想を混ぜあわせ、派手な活劇に仕立てたMagierdämmerung3部作の最終巻。
第1巻 Magierdämmerung 1. Für die Krone
第2巻 Magierdämmerung 2. Gegen die Zeit
アトランティスに眠る魔力の源泉を解放し、強大な力を得て、ロンドンの魔術結社を牛耳ったWellingtonがふたたび目指すのは魔力の源泉。それを使ってイギリスを世界の支配者にするための兵器を作ろうというのだ。すべてはイギリス王室のため、というのがその大義名目。
それを阻止すべく、同じ場所を目指すJonathanやHolmesたち。第2巻で登場したバチカンの対魔術組織のエージェントもドイツの飛行船で目指す場所は同じ。さらにはこの巻ではアメリカから参戦する者もあり、そしていよいよ最終決戦。
Bernd Perplies: Magierdämmerung 3. In den Abgrund
140,000語
前巻でようやくノーチラス号から脱出したHolmesたちは、運良くバチカンの女エージェントが乗る飛行船に拾い上げられる。そこではもちろんイギリス、ドイツ、イタリアと、おそらく対立している国同士の人間がいっしょになるわけで、最初は腹の探り合いがありつつも、なぜかいきなり翼竜に襲われる(魔術の源泉が解放されたための異変の一つ)など事件がありつつも・・・・、という展開。
イギリスに残った反Wellingtonの魔術結社の残党はというと、Wellingtonがすべてはイギリス王室の覇権のために動いているなら、イギリスの王室からそれをやめるように勧告する書状をもらい、Wellingtonに叩きつければいいだろう、という話になる。それでバッキンガム宮殿に向かう。そこでヴィクトリア女王のひ孫にあたるプリンセスが彼ら一行の姿を見て、声をかける。それは彼らが自分と同じような光を発しているからなのだが、プリンセスはそれが魔力の証であることを知らない・・・。
そして、第2巻でストーンヘンジで魔力の源泉を封印するための鍵を生成したJonathanとKendraの一行は、Kendraの祖父が遺した笛を吹いてみると幽霊船が出現。船長は「さまよえるオランダ人」と名乗る。それで、かつてのアトランティス大陸が隆起した島、魔力の源泉が噴き出している島へ向かうことになる。もちろんそこでも事件は発生・・・。
さらにアメリカ。第2巻で魔術の源泉を封印する鍵を生成する時に登場した源泉の番人の一人がメインの筋。彼も魔術の源泉に行こうと、まずはアメリカの東海岸を目指す。そしてアメリカの軍にも魔術関係の特殊部隊があって・・・。
そんな感じでWellington包囲網が作られていき、最終決戦へ・・・という盛り沢山な内容で、楽しませてくれる。
冒険活劇的な展開を楽しむ本。あまり人間的なドラマみたいなものは期待しないほうがいい。たとえば悪の親玉Wellingtonにしたところで、悪のすごみがあるかといえば、たいしてない。ただ「イギリスのため」という行動原理があるだけで、そこにいたるまでの経緯が語られるわけでもない。対するJonathanにしても、たまたま魔術の源泉を封印するのに必要な指輪を渡されただけの人間にすぎないが、何の葛藤もなく「人類のため」という名目だけで行動できてしまう。単純そのものとしか言いようがない。ストーリーを動かすための人形みたいな感じは残る。深く考えず楽しめばよいエンターテインメント小説。
| 固定リンク
« Kindle 新フォント:Bookerly Paperwhite/Voyageにもぜひ | トップページ | ドイツ語多読本:Barbara Wersba / Donna Diamond: Ein Weihnachtsgeschenk für Walter »
「ドイツ語書籍」カテゴリの記事
- ドイツ語多読本: Andreas Brandhorst: Omni(2017.12.31)
- ドイツ語多読本: Dirk van den Boom: Die Welten der Skiir 3: Patronat(2017.12.10)
- ドイツ語多読本: Dirk van den Boom: Die Welten der Skiir 2: Protektorat(2017.11.12)
- ドイツ語多読本: Dirk van den Boom: Die Welten der Skiir 1: Prinzipat(2017.08.20)
- ドイツ語多読本: Michael K. Iwoleit: Das Netz des Geächteten(2017.05.28)
「ドイツ語多読」カテゴリの記事
「ファンタジー」カテゴリの記事
- ドイツ語多読本: Kai Meyer: Die Sturmkönige 2 - Wunschkrieg(2016.03.17)
- ドイツ語多読本: Kai Meyer: Die Sturmkönige 1 - Dschinnland(2015.12.18)
- ドイツ語多読本:Bernd Perplies: Magierdämmerung 3. In den Abgrund(2015.01.27)
- ドイツ語多読本:Bernd Perplies: Magierdämmerung 2. Gegen die Zeit(2014.12.29)
- ドイツ語多読本:Ann-Kathrin Karschnick: Phoenix - Tochter der Asche(2014.11.09)
コメント