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2014年12月22日 (月)

Kindle Voyage:1ヶ月半使ってみた感想

Kindle Voyageを使って1ヶ月以上経過。その感想。

◯表示のクオリティ
フォントはシャープで、Paperwhiteの文字がぼやけて見える。
やはりディスプレイは読書専用端末の心臓部。文字を読むためのものだから。だから、文字のにじみやぼやけはないに越したことはない。気が散らないし、ストレスなく本に集中できる。その意味ではVoyageはこれまでのベスト。

◯ページをめくった時の表示
Paperwhiteはページをめくると、一瞬文字がぼやっと太くなってから細くなる。文字を注視していると気になる。Voyageでは目立たなくなっている。

◯反応速度
反応速度はc't Magazinのテストによると、Paperwhiteより若干速くなった程度。でも、上で言ったように文字の書き換えがスムーズな感じ。

◯ゴースト(前ページの残像)
これは仕方がない。やはり残る。

◯フラットなデザイン
去年の6インチKobo Auraを使った時から、前面はフラットな方がいいと思っていたので、これもよい。
単に見た目がいいだけではなく、ページめくりが楽だから。
とくに洋書は右手親指をフレームからほんの少し滑らせるだけでページがめくれて、タップよりずっと楽(和書はスワイプの方向が逆になるが)。PagePressなくても大丈夫なくらい。これに慣れると、段差はただ邪魔なだけ。

◯軽量化・薄型化・ほんの少し小型化
当然これもよい。Kobo Auraのコンパクトさに慣れて、Paperwhiteのデカさ・重さはないと思っていたので。

◯PagePress
別になくてもいいと思っていたが、使ってみると楽。
指はボタン部分に置いておいても、勝手にページがめくれることもないし、ページめくりにエラーもないようだし、とくに問題ない。プレスの強さは3段階あるので好みで。
ページ戻りボタンの位置は疑問。届かない。下につけたほうが押せる気がする。

◯ボタン押しのフィードバックの振動
ちょっと使ってみたが、今ではオフ。
ボタンを押した時のカチッという感じの代わり、ちゃんと押せたかどうかの確認なんだろうが、PagePressの感覚がつかめれば、とくに必要ない。スクリーンを見てればわかるから。

◯ライトの自動調節
学習すると言われても、最初はどういう仕組みで動いているのかわからず。

とくに照明の真下あたりで、テーブルにKindleを置くと、センサーに垂直に光があたるせいか、輝度がぐんぐん上がる。それで、また手に持つと輝度が元に戻る。その繰り返しがわずらわしかった。だったら、輝度固定にしたほうがすっきりするじゃないか、と。

で、ITmedia eBook USERの記事の「動画と写真で見る Kindle Voyageの自動調光機能」(http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1411/21/news036.html)を読んで理解できた気が。

「直前に指定した任意の明るさレベルを記憶し、たとえ周囲が暗くなったとしてもその明るさ未満にはならないように保つ機能を備えているようだ。(・・・略・・・)また、明るい場所で、もっと画面を暗くしたいというような場合も、自動調光機能をONにしたまま希望の明るさまで下げると、自動調光ではそれ以上に明るくなることはない。」

というわけで、輝度が高すぎ(低すぎ)だと思ったら、その場ですぐに輝度を下げる(上げる)、そうすると、それを記憶する。外がその明るさレベルになると、記憶した輝度になる、そういう理解でいい?

で、外の明るさに合わせて、そのつど手動て調節していれば、学習してくれるので、次第に手動で調節することもなくなる、そういう仕組みのようだ。

最近はあまり手動で直すこともなくなってきたので、学習効果が出てきたのかもしれない。といっても、結果的に輝度はレベルが10前後を行ったり来たりする程度。輝度固定にしても大差ないといえば大差ないんだが。

◯全画面リフレッシュ(白黒反転)
Paperwhiteと同じ14ページ毎。これは改善の余地ありだろう。Kobo Auraは章単位、それから、新型Kindle(無印)は60ページに1度だという情報もある。(無印は解像度が低く、はじめから表示がぼやけ気味だから?)

Voyageというより、ファームウェアについて
◯検索(FW5.6.1)
検索の仕様が変更された。端末内のアイテム、ストア、本の中、辞書、Wikipadiaのすべてを一度に検索するようになった。以前は検索する場所を選んでから検索していたので、その手間が省ける、ということか。エネルギーの無駄遣いの気もするが。

でもやはり気になるのは、検索欄を使って辞書を引く場合の不便さ。これは変わっていない。
言語設定が日本語だと、メニューの検索では日本語の辞書しか引かない。つまり、洋書を開いている時も日本語の辞書を引く。このおバカな仕様に変化なし(外国語辞書をメインで使うなら、言語設定を英語なりドイツ語なりにすれば、それぞれの言語の辞書がデフォルトになる)。

Koboでは洋書を開いている時は、メニューから辞書を呼び出せるし、辞書の選択もできるから、何の問題もない。Kindleの辞書の扱いはちょっとおかしい。あれを普通だと思ってはいけない。

◯辞書
ドイツ語の本を読むので、独英辞典(Oxford German-English Dictionary)が追加されたのはいい。
が、辞書の使い勝手はこれまで通りで、変化なし。

したがってまた、Kindleの辞書の不便な点はそのまま。
Kindleの辞書は検索語がヒットしなかったら、辞書のポップアップ・ウィンドウからそのまま辞書が開けない(ホーム画面に戻って、辞書を探して選択、検索語を入力する、という手間をかけるしかない)。これは本当にどうにかして欲しい。語形変化が少なくとも英語より激しいドイツ語ではヒットしないことが多々あるからだ。だからすぐに辞書を呼び出せる仕組みが欲しい。この不便さも改善の兆しなし。
Koboは上で言ったように、いつでもメニューから辞書を呼び出せる。

また、Koboでは辞書のポップアップ・ウィンドウ内の単語をさらに辞書で調べることができるが(和書を除く)、Kindleではできない。

というわけで、Kindleの辞書の扱いにはちょっと疑問。去年のPaperwhiteでは辞書の切り替えすらできないようにしたし(その後のFWのアップデートで改善された)。単語帳みたいなのはいらないので、まともに辞書を引けるようにして欲しい。辞書を購入して追加できるのはKindleの強みだが、機能的にはベストだとは言えない。

◯フォント
Paperwhiteから変化なし。
解像度が上がったので少しフォントは見やすくなったが、もう少し太めのフォントが欲しい。Koboのようにフォントの太さの調節はおろか、フォントの追加すらできないので、これはなんとかして欲しい。

◯X-Ray(5.4.5.1でも有効)
最近、和書でもX-Rayが有効になっていることに気づいたが、どうやらようやく和書でもX-Rayの機能が提供され始めたようだ。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1412/12/news090.html




ディスプレイの色問題があるが、Voyageが一番ストレスなく読めるし、使いやすいのはまちがいない。
文字を読み、ページをめくる、その繰り返しこそが読書専用端末の本質部分だから、そこにストレスを感じさせないことが一番。当然、スクリーンやフォント表示のクオリティは高いほうがいい。

ただし、これは値段を度外視した評価。コストパフォーマンスも含めた評価をすれば、Paperwhiteがベストだという判断も当然ありだろうと思う。

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