Kindle Voyage/Paperwhite/無印、Kobo Aura/H2O 比較テスト
ドイツの"c't Magazin"というコンピュータ雑誌の記事から
http://www.heise.de/ct/ausgabe/2014-25-Test-E-Book-Reader-ab-60-Euro-im-Test-2450100.html
Kindle、Kobo、Pocketbook、Tolinoから8台を集めて、ディスプレイのコントラストやライト、ページめくり速度、バッテリーなどをテストしたものだが、その一部が公開されている。すべて知りたければ、雑誌を買えということらしい。
どういうふうにテストしたかは上記ページの動画を見ると少しわかる。
YouTube動画はこちら(上のリンクページと同じもの)
http://youtu.be/9iMLi4Y1v34?t=54s
バッテリー・テストの装置のあたり(たぶん)。30秒に1回タップ、それを何十時間も続けて、バッテリーの持ちを計測する装置のようだ。
◯コントラストとライト
左から、
◆Kontrast bei ausgeschalteter LED(ライト・オフでのコントラスト)
(注:光源1000cd/㎡での反射を測定。5回の平均値。参考:紙の雑誌c'tのコントラストは14.7:1)
◆Kontrast bei eingeschalteter LED(ライト・オンでのコントラスト)
(注:真っ暗な環境でスクリーン50cd/㎡での測定)
◆Leuchtdichteregelung(輝度の最小値と最大値の範囲)
◆Ausleuchtung(照明の均一度)
コントラストはやはりVoyageとH2Oが優れているようだ。同じE Ink CartaのTolino Vision 2の結果がよくない。他はすべてE Ink Pearl。
◯反応速度
◆Umblättern in AZW/EPUB(AZW/EPUB本のページめくり・秒)
◆Umblättern in PDF(PDFのページめくり・秒)
◆Umblättern in TXT(TXTファイルのページめくり・秒)
◆Buch Krieg und Frieden öffnen(書籍『戦争と平和』を開く・秒)
◆Begriff Zauberberg in Suche eintippen("Zauberberg"を検索入力・秒)
今年出た無印KindleとVoyageはほとんど変わらない。Paperwhiteが少し劣る。
Kobo Aura H2Oは、スクリーンがCartaになった以外、たぶん中身は去年のKobo Aura HDと同じだろうから、Kindleの新型に劣っても仕方ないかも。
ただ、Koboはファームウェアによって反応速度がけっこう変わる。また、楽天は日本のユーザーに新しいファームウェアを提供しないので、テストで使われているのは日本とは違うファームだろう。これから日本にも来るH2Oは新しいファームだろうから、表の通りか。
あと、Koboは本を開くのに3秒以上、という結果には疑問。
3秒もかかるとしたら、電源オフ状態から起動した直後の1冊目。これはたしかに時間がかかる。だが、それ以外はそんなに待たされることはない。したがって、このテストは、起動直後の1冊目にしか起こらないものをわざわざ選んだとしか思えない。
フレッシュな状態でテストしようとして起動直後を選んだのかもしれない。だが、2冊目以降、あるいは電源オフではなくスリープで使っていたら、起こりえないケースをもって、Koboの全般的な測定結果とするのはおかしい。
c't Magazinの上記Webページにはバッテリーのことは書かれていないが、このテストを紹介したlesen.netの記事で少し触れられている。
http://www.lesen.net/ereader/ebook-reader-im-ct-labor-kobo-und-amazon-ueberzeugen-16377/
バッテリーはライトを消した場合とつけた場合の2パターンで測定
ライトをつけた場合は、23時間(Kindle Voyage)から33時間(Kobo Aura H2O)だそうだ。(輝度をどの程度にしたのかなどは不明)
ライトを消した場合は、Tolino Vision 2が43時間で、Kindle Paperwhiteの103時間に大きく差をつけられている。(他の端末については言及なし。たぶんその間ということだろう)
と、こんな感じ。
ディスプレイのクオリティはやはりKindle VoyageかKobo Aura H2O。
海外のレビューを見ても、文字をかなり小さくしないかぎり、表示に差は出ないらしいので、どっちを選んでもよさそう。ただ、Voyageは黄ばんだディスプレイが届く可能性があるのが問題。Aura H2Oにそんな話はなく、その点は安心していいだろう。
上のテスト以外で気になる点:リフレッシュ頻度(白黒反転)
Aura H2Oの6ページ単位の全画面リフレッシュは気になる。Voyageの2倍以上の頻度。そういう頻度でリフレッシュしないと、表示がぼやけたり、かすれたりするということでもあるから。ディスプレイがPearlからCartaになって、どの程度改善されているのかが気になるところ。
全画面リフレッシュの少なさなら、6インチKobo Auraがダントツのトップ(章単位)。去年のPaperwhiteもリフレッシュは章単位にまで減るんじゃないかと噂されたが、実現したのはKobo Auraだけだった。
Voyageもリフレッシュ頻度はPaperwhiteから変わらない。ページに画像があればかならずリフレッシュするのも同じ(Kindleについてくるユーザーガイドでも読んでみればいい、あちこちに画像が散りばめられているから)。
6インチAuraはページに画像があろうとリフレッシュしないので、やはり優秀。フラットなデザインだって去年のAuraが先鞭をつけたわけだし、ディスプレイがCartaではなくPearl、コントラストが悪いのが残念でならない。
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