ドイツ語多読本:E.T.A. Hoffmann: Der Sandmann (Einfache Sprache)
ホフマン『砂男』のretold版、要するにオリジナルを平易な文章に書き直したもの。
電子書籍で最近出たので紹介。英語ならそういう本は山ほどあるが、ドイツ語ではあまりない。
Kindle版
E.T.A. Hoffmann: Der Sandmann (Einfache Sprache)
9000語
Koboの方が安かったのと、DRMフリーのepub版だったので、こちらを購入。
Der Sandmann (Einfache Sprache)[電子書籍版]
今のところ
Kindle: 426円
Kobo: 399円
専用端末やアプリからダウンロードすると、たぶんKoboのDRMがついたkepub版になるが、購入後http://rakuten.kobobooks.com/の「マイライブラリ」からDRMフリーのepub版がダウンロードできる。
DRMはついていないので、kindlegenやcalibreで変換すれば、Kindleでも読めるようになる。アマゾンは出版社がDRMフリーの書籍を出しても、アマゾンのDRMをつけるらしい。
岩波文庫にあるような古典みたいなのを読んでみたい人にはいいだろう。文章はオリジナルより、短く平易な表現に変えてあるので、かなり読みやすい。語数は9,000語以上、オリジナルが12,000語程度なので、大きな省略ななさそう。
どれほど読みやすくなっているかは、アマゾンからサンプルとオリジナルをダウンロードしてみればいい。オリジナルはもちろん無料。
Der Sandmann(1817年)
12500語
話は怪奇・幻想物語
目にまつわる強迫観念に取り憑かれた主人公Nathanの物語。
眠くなるとまぶたが重くなり、砂が入ったみたいに目をこすったりするが、Sandmannは目に砂をまいて人を眠らせる魔物、睡魔。なかなか寝ようとしない子供に「Sandmannが来るぞ」と脅してベットに入らせたりする。
で、子供のNathanは、ある老婆から、「Sandmannは砂で子供の目を取って、自分の子供に食べさせるのさ」なんて怖い話を聞いたりするが、このSandmannが実在するんじゃないかと思い込む。というのも、毎晩父親の部屋に入っていく何者かの足音を聞くからだ。そして、そいつの正体をあばこうと父親の部屋に隠れるNathan。すると、Sandmannの正体は、時々家にやってくる気持ちの悪い弁護士のCoppeliusだった!! Coppeliusが火の中から何を取り出すと、目のない人間の顔がいくつも出現、「目をよこせ!」というCoppelius。そこでNathanは叫び声を上げてしまい、見つかってしまう・・・。
そんな怖い体験の元凶であるCoppeliusと父親はその後、そんな秘密の実験(錬金術か何か?)で事故を起こし、父親は死に、Coppeliusは失踪。
そして、大学生になり、故郷を離れたNathan。恐ろしいことが起こったんだと、親友のLotharに手紙を書く。その手紙が小説の冒頭部分。あのCoppeliusが晴雨計売り(気圧計のことだが天気の予想に使う)のCoppolaとなって出現したのだ!!
Nathanは一度帰郷して、Lotharや、その妹で婚約者のClaraと過ごす。何やら暗い想念に取り憑かれているようだが、落ち着きを取り戻し、また大学に戻る。だが、またもやCoppolaが現れる・・・。
そんな感じのストーリー。あとは、いつも窓辺に座って身動きもしない、美しいけれども死んだ目をした女性Olimpiaの登場、Coppolaから買った望遠鏡でOlimpiaを覗いてみると、とたんに恋に落ちるNathan・・・。あとは読んでのお楽しみ。
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