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2014年10月11日 (土)

Kobo Aura H2O:海外の詳細なレビュー

Kobo Aura H2Oの詳しいレビュー

◆Kobo Aura H2O, wasserdichter eReader im Test
http://allesebook.de/testbericht/kobo-aura-h2o-wasserdichter-ereader-im-test-55157/(ドイツ語)
4ページにわたる詳しいレビュー。
1ページ目はハードウェア、2ページ目以降はソフトウェア中心の解説
 
ハードウェア面だけ少し紹介。

◯つくり
しっかりしている。Aura HDの背面の波型はやめて、持ちやすくなった。
SDカードやUSBのスロットの上のカバーというかキャップ(防水のため必要)が外しにくいということはない。
唯一の問題は指紋が目立つこと。

◯ディスプレイ
Kindle Paperwhiteを凌いで、現時点では最高という評価。(Kindle Voyageがまだ出ていないので)

サイトの画像をみるかぎり、E-Ink Pearl(写真はOnyx BOOX T68)よりあきらかに明るく、コントラストははっきりしているし、Kindle Paperwhiteよりもスクリーンが白いのは肉眼でもわかる。
ライトのムラもなく、Paperwhiteよりも上だという評価。

グラフだけ引用。
・ライトなしでのコントラスト(数値が高いほうがよい)
H2o_kontrast01

・ライト最大時のコントラスト(数値が高いほうがよい)
H2o_kontrast02
ライトを明るくしてもコントラストはよい(6インチKobo Auraはライトを明るくすると、フォントの色が薄くなる。そういうコントラストの悪化がないということだろう)

・40カンデラ毎平方メートルでの黒トーン(低いほうがよい)
H2o_schwarzton
黒の輝度なので、低いほうがいいのだろう(よくわからない)。

・ライト最大での明るさ(高いほうがよい)
H2o_helligkeit_max
ライトの明るさを最大にすることはないけど。

・ライト最低での明るさ(低いほうがよい)
H2o_helligkeit_min
Kobo Gloはライトを最低にしてもまぶしかったので、最低の明るさも低いほうがいい。

◯ディスプレイの寸法
実際に計ってみたらしく、6,7インチ(17,1cmと17,2cmの間)だったそうだ。さらに、スクリーンショットを取ってみると、上辺11ピクセル分黒くなっている。したがって、実質的には解像度は1418×1080だ、としている。

◯赤外線方式のタッチスクリーン
・タッチの反応はよい。
・静電式のようにプラスチック層を必要としないので、むしろスクリーンは明るく、可読性は高い。
・代わりにディスプレイとベゼルの段差あり。段差による影は出るが、気にはならないだろう。
あと、他社の端末より表面がつるつるしている。指紋が他よりは目立ちそうだが、気になるほどではない。

◯リフレッシュ
6ページで全画面リフレッシュする。E-Ink Cartaだが、Waveform、Regalの技術は使われていない。WaveformとかRegalについてはitmediaの記事など参照。
(これは6インチKobo Auraに劣る部分。中身は旧製品のAura HDそのままってこと)

◯ソフトウェア
FWのヴァージョンには言及されていない。3.7、もしくは3.8か。
すでにKoboを使っている人にはおなじみのもの。Koboを使ったことがない人はホーム画面やさまざまなメニューのスクリーンショットが掲載されているので、参考になるかも。ただしドイツ語。

目立ったところはこんな感じか。
Paperwhiteより、少しだがディスプレイは優れていて表示がきれいなようだから、買って損ということはなさそう。大きなディスプレイ、防水が欲しいなら、たぶんいい製品。


海外のレビューではわからない日本語環境について補足しておくかなあ。
Koboがはじめてで、がっかりする人もいるかもしれないから。

・洋書はフォントサイズ、フォントの種類、行間、余白、フォントの太さなどKindleより柔軟な調節が可能だが、和書は余白と行間の調節ができない。フォントの大きさ、種類しか変更できない。パッチをあてれば、余白はましになる。(ただKindleと違って、フォント追加が自由なところは大きなアドバンテージ)

・テキスト選択(ハイライト、コメント)
 ページをまたいでのハイライトはできないと思ったほうがいい。この点はKindleのほうがずっと上。

・日本語辞書
適切な単語選択ができない。
たとえば、「そろそろ迷宮入りの噂が立ち始めた十日目のこと」の「迷宮」のあたりをタップすると、「迷」か「宮」の一文字でしか辞書を引いてくれない。ファームウェア3.2以降は選択範囲を伸縮するハンドルがついたので、それで範囲を伸ばしてやれば「迷宮」「迷宮入り」で辞書が引ける。
 素人ながら推測するに、欧文なら単語は前後のスペースで区切られているから単語選択は簡単だが、日本語の場合は単語の区切りを辞書に教えてやる必要がある。「そろそろ/迷宮入り/の/噂/が/・・」みたいに。こういう形態素解析とか分かち書きとか言われる機構(MeCabとか)がないと、適切な単語選択ができない。たぶんKoboにはこれがないから、一文字しか選択しない。
Koboには日本人開発者がいないか、日本語を知っている開発者がいないか。あるいは、単にやる気がないか、優先度が低いか。Koboはもともと海外の製品なので、日本語環境がやっつけ仕事だったのは仕方ないとしても、その後何の改善もないというのは・・・・。楽天のやる気も透けて見えてくるというもの。日本語環境もそれなりにまとめてくるアマゾンとは大違い。

 

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