ドイツ語多読本:Gudrun Likar / Sabine Büchner: Prinzessin Fibi und der Drache (Tulipan ABCのB)
Tulipan ABCシリーズのB(7歳以上)から。
7歳以上になると、語数も増えて3000語に近づく。もちろん、同じくらいの語数の、外国人ドイツ語学習者向けの読み物よりむずかしいと思ったほうがいい。そういう、わざと(したがって不自然に)やさしくした教科書的ドイツ語しか知らない人には、児童書でもネイティブ向けの本はむずかしいはず。
先に第3巻を以前紹介したが(「 Prinzessin Fibi und der verliebte Drache. Tulipan ABCのBから」参照)、これがPrinzessin Fibiシリーズのの第1巻。改めて紹介。Fibiとドラゴン初登場の巻。
Gudrun Likar / Sabine Büchner: Prinzessin Fibi und der Drache
2774語
表紙のカジュアルな格好をした女の子がプリンセスFibi。頭の飾りがなければプリンセスだとはわからない。それもそのはず、プリンセスなんか大嫌いと言って、その理由を滔々と語っているのが、この本の冒頭部分。
普通の子供と遊べないし、取っ組み合いなんかもできないし、服を汚してはいけないし、ピンクのドレスなんか嫌だし、王冠もじゃまだし、などなど。ハンマーやペンチなどの道具箱が宝物、工作が大好きという、ちょっと変わったプリンセス。
本のタイトルにあるように、ドラゴンが問題になる。ドラゴンのせいで被害続出。退治しようとドラゴン・スレイヤーたちがやってくるが、全員失敗。解決に乗り出すプリンセス・・・、そんなストーリー。
おもしろいのは、やんちゃで男勝りなプリンセスがドラゴンを退治する、とかそんな話ではないところ。
ドラゴンが暴れ回るのには相応の理由があるはず、まずその理由を聞いてみないことには何も始まらないと、とても理知的なプリンセス。そこが魅力。愛用の道具箱を持ってドラゴンのいる山に出かけていく・・・。
シンプルで愛嬌のある絵柄でイラストも好み。
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