ドイツ語多読本:Gioconda Belli: Die Blume und der Baum Eine Liebesgeschichte
背後から光があたっていて、影絵のようだと思っていたら、実際に影絵芝居を作っている人がイラスト担当。
Gioconda Belli: Die Blume und der Baum: Eine Liebesgeschichte
1327語
副題に「ラブストーリー」。表紙の人は関係なし。タイトル通り、「花と木」のラブストーリー。
背景も薄い茶色で秋っぽい雰囲気で、もみじ?と思ったが、植物に詳しい人にはわかるのだろうか、ブーゲンビリア。木は松。まるで松の木を飾っているかのようなブーゲンビリアだが、松の木の枝の先までツタでからみついている。
風に飛ばされ、松の木の下に落ちて、芽を出したブーゲンビリア。それで松の木にたずねる、「登ってもいいだろうか、高いところから世界を眺めてみたいんだ」と。
松の木の許しを得て、高いところの少しずつ登っていくと、世界の様子が見える。大はしゃぎのブーゲンビリア。ブーゲンビリアが茂って鳥が寄りつかなくなったのが寂しい松の木だが、無邪気に喜ぶブーゲンビリアもまた愛おしかったりで、何も言えない松の木。
赤いブーゲンビリアの茂る松の木は見た目は美しいが、実は松の木はブーゲンビリアのせいで、このままでは枯れて死んでしまう、そんな状態・・・・。
どんなに愛していてもきつく抱きしめたら、息ができなくなってしまう、そんな寓意の物語。
中のイラストは全部、後ろから光があてられていて、人や物は黒いシルエットの影絵で、ブーゲンビリアと松ノ木は手書きっぽい。落ち着いた色合いと光の影のきれいな絵本。
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