追記:
snapshotではないリリース版のjailbreakその他のリンクとインストール方法は
Kindle Paperwhite 新モデル(2013): Jailbreakの手順をまとめ 参照
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Kindle Paperwhiteの新モデル、買ったはいいが、まったく使っていない。それは旧モデルの素敵な辞書機能がごっそり削られてしまって、使う気になれないからだ。フォントもデフォルトじゃ見にくいし。
どうせ使わないし、ということで、Jailbreakしてみた。
目的は、Kindle Paperwhite新モデル(5.4.2)で、欧文フォントの入れ替え。
日本語のフォントは筑紫明朝を入れ替える方法があるようだが、あれでは欧文フォントは変えられない。
mobilereadのKindleの"Font Hack"のスレッドで、"Caecilia Condensed"を好みのフォントに入れ替えられたという開発者自身のコメントがあったので、やってみた。
欧文フォントの入れ替えなんて、必要な人がいるのかどうか不明だが、以下その手順。
その前に注意事項:
・本来の"Fonts Hack"ではフォントの追加もできるはずだが、それはまだできないようだ。
・欧文フォントの入れ替えは、"Caecilia Condensed"を好きなフォントに変えるだけ。
・和文フォントの変更はできないと思う。(まだフォントの追加ができないので)
・Jailbreakで、アマゾンの保証を受けられなくなる可能性あり。
・あくまでも自己責任で。自分のKindleがどうなろうと他人は責められない。
Kindle Paperwhite新モデルは最新の5.4.2までJailbreakされているので、Jailbreakに関しては正式リリース版を使えばいいのかもしれないが、ダウンロードがページがあちこちに分散していて面倒なので、以下のページのsnapshotを使用。(追記:今の段階では、全部snapshotでないとダメらしい。)
http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=225030
snapshotなので、正式リリース前の開発版。安定性は保証しません、バグとか報告してねってやつ。
それでも欧文フォントの入れ替えとスクリーンセーバーの入れ替えはできたので、よしとする。
使ったのは11月30日現在で最新のもの。
インストールが必要なパッケージはたくさんあるが、手順はたいしてむずかしくない。
・必要なパッケージを上記のページからダウンロード
・それを解凍して、その中の必要なファイルをKindleにコピー
・メニューから「Kindleをアップデート」
基本的にこれを繰り返せば、パッケージのインストール自体は終わる。
(詳しいインストール・アンインストール方法はそれぞれのREADME.txtに書いてある。)
Kindleがなにか処理の最中なのに、あせって電源切るとか再起動するとか、そんなバカなことをしないかぎりは、だいじょうぶだろう。
では、開始。
(1)必要なパッケージのダウンロード
フォントとスクリーンセーバー入れ替えに必要なパッケージは、上記のリンク先のページの
・Packages targeting the Kindle 5 (Touch/PW):から(Kindle 2/DX/DXG/3/4用はダメですよ)
1. K5 JailBreak (5.0.x - 5.4.2) : kindle-jailbreak-1.8.N-rxxxx.tar.xz
(rxxxxのxxxxの部分は数字。snapshotのため、revision番号はいつ変わるかわからないので)
3. Python 2.7: kindle-python-0.8.N-rxxxx.tar.xz
3. ScreenSavers Hack : kindle-linkss-0.15.N-rxxxx.tar.xz
4. Fonts Hack: kindle-linkfonts-0.6.N-rxxxx.tar.xz
・KUAL & KUAL extensions:から
5. Mobileread Kindlet Kit All-in-one KUAL prerequisites(名称変更): kindle-kindlet-dev-20130710-rxxxxx.tar.xz
6. KUAL: KUAL-v2.2.53-g46c3929-20131128.tar.xz
以上6つをダウンロード。
(2)パッケージのインストール
1. まずはJailbreak
・kindle-jailbreak-1.8.N-rxxxx.tar.xz を解凍。(linuxなら、tar Jxvf hogehoge.tar.xz でいけるが、windowsの人は自分で調べて)
・JailBreakというフォルダの中に、kindle-5.4-jailbreak.zipがある。これをPCにつないだKindleのルート・フォルダに解凍する。具体的には、
bridge.sh
jb.sh
update_jb_$(cd mnt && cd us && sh jb.sh).bin
以上3つのファイルを、Kindleのルートフォルダ(documentsとか下位のフォルダはダメ)に置く。
・USBケーブルを抜いてKindleをPCからはずしたら、「Kindleをアップデート」。具体的には、
「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」 の順にタップしていく。
・うまくいけば、画面は切り替わらずそのままで(再起動なしで)、数秒後、"**** JAILBREAK ****"の表示が画面下に出る。(表示は一度だけ、画面を切り替えると消えるのでちゃんと確認する)
2. All-in-one KUAL prerequisitesインストール
・kindle-kindlet-dev-20130710-rxxxx.tar.xz を解凍
・DevCertsというフォルダの中に"update_kindlet-dev-20130710-k5-ALL_install.bin"がある。これをPCにつないだKindleのルート・フォルダにコピー
・Kindleをはずしたら「Kindleをアップデート」。「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」 の順にタップ、の手順。今度はちゃんと再起動する。
3. Pythonインストール(フォントとスクリーンセーバーの変更に必要)
・kindle-python-0.8.N-rxxxx.tar.xz を解凍
・Pythonフォルダの中の、"update_python_0.8.N_install_pw2.bin"を、PCにつないだKindleのルート・フォルダにコピー。(Kindle Touch用のと間違えないように)
・ケーブルを抜いて「Kindleをアップデート」。「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」 の順にタップ、の手順。
4. KUALインストール
・KUAL-v2.2.53-g46c3929-20131128.tar.xz を解凍
・KUAL-v2.2.53フォルダの中の"KindleLauncher-2.0.azw2"をKindlleのdocumentsフォルダにコピー。(今回はルート・フォルダではない。普通の本と同じdocumentsフォルダ)
・KindleをPCからはずすと、他の本と並んで、KUALが出現する。
・これをタップすれば、KUALが起動する。が、まだ何もインストールされていないので、「なにもインストールされていない」と表示される。終了するには、quitをタップ。ホームに戻ったりしても終了する。
5. Fonts Hackインストール
・kindle-linkfonts-0.6.N-rxxxx.tar.xzを解凍
・Fontsフォルダに"update_linkfonts_0.6.N_install_pw2.bin"がある。これをKindleのルート・フォルダにコピー
・ケーブルを抜いて「Kindleをアップデート」。「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」 の順にタップ、の手順。
以上で、欧文フォントを入れ替える準備は終了。
◎"Caecilia Condensed"を好みの欧文フォントに入れ替える手順
追記:Font Hack作成者本人による入れ替え手順が出た
http://www.mobileread.com/forums/showpost.php?p=2704859&postcount=63
(リリース版は今週末には出せるかもしれないが、予定は未定、みたいな話も。)
* Put fonts in linkfonts/fonts
* KUAL > Fonts > Fonts Hack Behavior > Update fontconfig cache
* KUAL > Font Overrides > Populate this menu
* KUAL > Font Overrides > condensed > Custom > *click on wanted font*
* KUAL > Fonts > Restart KF8 reader
* Check w/ a KF8 file that it doesn't blow up
* KUAL > Fonts > Restart framework
* Check w/ a Mobi7 file that it doesn't blow up
* KUAL > Fonts > Restart X
* Check UI/Mobi7/KF8 to make sure that it doesn't blow up
* Restart device
というわけで、以下の抹消部分は信用しないで。
1. Kindleのルートに、linkfontsというフォルダができている。その下にさらにfontsというフォルダがある(linkfonts/fonts)。そこに好みのフォントをコピー。(レギュラー・ボールド・イタリック・ボールドイタリックの4つが好ましい)
2. KUAL起動
・Font Overrides -> Rebuild this menu の順にタップしていく。すぐにrebuildは終わる。
・Font Overridesに戻り、-> ** Refresch ** をタップ
以上が済んだら、"Caecilia Condensed"にさっきコピーしたフォントを割り当てる作業
・Font Overrides -> Condensed -> Custom と進むと、目当てのフォントがあるはず。それを選択。
・KUALのFontsに戻り -> Restart the framework これで再起動時に現れる樹の下で読書する人の画像が出現して、処理が行われる。
あとは、本を開いて、「Aa」から"Caecilia Condensed"を選ぶと、好みのフォントになっているはず。
注意事項:
KUALのFont Overridesで現れる、condensed以外のSerif、Sans、monoのフォントは、UIでも使われている。つまりホーム画面とかメニューのフォントに使われている。これを下手に変えると、日本語が表示されなくなるかもしれない。だから、触らないのが無難。ここを参照。
(まだできないが、フォントを追加するには、
・Kindleのlinkfonts/fontsフォルダに好きなフォントをコピー
・KUAL -> Fonts -> Fonts Hack Behavior -> Update fontconfig cache
これで「Aa」メニューに追加したフォントが現れるらしい。)
◎スクリーンセーバーの変更
上記の(1)から(2)の4までインストールが済んでいることが条件。
・kindle-linkss-0.15.N-rxxxx.tar.xz を解凍
・ScreenSaversフォルダの中の、"update_linkss_0.15.N_install_pw2.bin"を、PCにつないだKindleのルート・フォルダにコピー
・ケーブルを抜いて「Kindleをアップデート」。「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「Kindleをアップデート」
・再起動が終わったら、スリープにしてみる。”The ScreenSavers Hack has been successfully
installed!”と書かれた画像が出現すれば、成功。
スクリーンセーバーの画像を変えるには、
・Kindleのルートに"linkss"というフォルダができている。さらにその下にscreensaversというフォルダがある(linkss/screensavers)。そこに好みの画像を入れる。
・ケーブルを抜いてKindleを再起動。「ホーム」画面にする -> 右上の「メニュー」(右上の三本線) -> 「設定」 -> もう一回「メニュー」 -> 「再起動」
これで終了。
画像はpng形式、758x1024のサイズで。
検索すれば、Kindle Paperwhiteのスクリーンセーバー用の画像はいろいろアップされている。
あと、KUALのメニューに、スクリーンセーバーを本の表紙にするなどのオプションもある。(試していない)
以上長かったが説明終了。
まあ、フォントに関しては、そのうちフォントの追加もできるようになるだろうから、それを待つのが賢明だろうな。
どうしても好きな欧文フォントを使いたいとか、Kindleのあのスクリーンセーバーにはどうしても耐えられないという人なら、やってみてもいいかな、という感じ。