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2013年9月20日 (金)

ドイツ語多読本:Max von der Grün: Vorstadtkrokodile - Eine Geschichte vom Aufpassen

ドイツではおそらく有名な児童書。

映画化もされていて、Vorstadtkrokodile(2009年)、Vorstadtkrokodile 2(2010年)、Vorstadtkrokodile 3(2011年)とシリーズになっているようなので、人気もあるのかもしれない。
映画のほうは時代も現代に変え、登場人物の名前なんかも変わっているらしい。


これはそのオリジナル、1976年刊行の原作。

Max von der Grün: Vorstadtkrokodile: Eine Geschichte vom Aufpassen

31000語
Kobo版はここ

レンガ工場の廃屋、その屋根に登っているHannes。町でもちょっと有名な悪ガキ集団、クロコダイル団に入るための、勇気を証明する儀式なのだ。その屋根から降りる途中、Hannesは足を滑らせ、屋根から転落しそうになる。怖くなったクロコダイル団は逃げ出すが、かろうじて紅一点のMariaが消防署に電話、事無きを得る。

Hannesは当然、家で両親に叱られ、罰として、家でおとなしくしていなければならなくなる。そんなときに、車椅子の少年Kurtに出会う。それで、障害があるKurtをクロコダイル団に入れるかどうか、なんて問題が持ち上がっている一方で、町では連続押し入り強盗が新聞を賑わし、手がかりには報奨金も出るという騒ぎ。大人たちは、イタリア人かトルコ人の外国人労働者の仕業だろう、なんて、自分たちの仕事を奪う外国人労働者憎しの感情をむき出しにしたり・・・。

そんな中、Kurtが強盗の現場を望遠鏡で目撃する。その一人はクロコダイル団の一員Frankの兄さんかもしれない・・・? 捜査に乗り出すクロコダイル団。事件の真相は? そして、当然そこから生まれる、Frankと他のクロコダイル団メンバーとの確執・・・。


探偵物は児童書の定番だが、障害者の視点がシリアスに入っているところもある。Kurtがクロコダイル団と車椅子で外に出かけていて、用を足したくなる場面。両脇を抱えて、チャックを開けて出してくれと頼んだり。

あとは、正しいことをしようとすると、それが家族や友人を傷つけてしまうかもしれない、なんて葛藤があったり、ただ犯人、悪者をやっつけておしまい、すっきり、ってだけではない、そんな物語。

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