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2013年9月

2013年9月30日 (月)

ドイツ語多読本:Ulf K.: Der Exlibris(ドイツ語のコミック)

Ulf K.は以前に50語程度のやさしい絵本で紹介したが、作者の名前は知っていたし、まあよかろうと思って買ってみたら、絵本ではなくコミックだった。

日本では買えないようなので、リンクはドイツのアマゾン

Ulf K.: Der Exlibris
Exlibris_s

1474語
出版社のページにいくと、中身も少し見られる。ここ
他にもいろいろコミックがあるので、興味がある人はぜひ。

表紙中央のごつい丸メガネの男がExlibris、犯罪に立ち向かう男。大ヒット小説の登場人物の名前でもある。不思議な本を収集している本屋の秘密結社、そのメンバーが次々に殺されていく。その事件を追うExlibris。

本に取り憑かれた人間たちの話。本欲しさゆえの犯罪。日本語でも「本の虫」というけれども、ドイツ語でも同じ"Bücherwurm"。この「本の虫」が事件に絡む。そして、探偵役のExlibrisもまた事件を本のために利用しているのだった、そんなオチか?

Exlibrisという名前(辞書では「蔵書票」の訳語)も、元のラテン語をドイツ語にすると"aus den Büchern"になるらしいし、本から出てきて、その事件を本にすることで、また本の中に帰っていく、そんな循環になっているのかも。

表紙はカラーだが、中の絵はモノクロ。白と黒のコントラスト(グラデーションはない)でみせる絵柄。

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2013年9月28日 (土)

ドイツ語多読本:Andreas H. Schmachtl: Josefine Meerschwein träumt vom Meer

前に紹介したTilda Apfelkern(その1その2)は何冊も出ているシリーズだが、これは別の本。
今度はネズミの話ではなく、モルモットの絵本。実験動物のイメージがあるが、ふつうに家で飼われている小動物。

Andreas H. Schmachtl: Josefine Meerschwein träumt vom Meer

533語

朝食のエサを食べながら、海を夢見るモルモットのJosefine。
モルモット(ドイツ語ではMeerschweinもしくはMeerschweinchen)はMeer(海)-Schwein(ブタ)なのだから、それも当然だとか、なんか単純。

それで、海の大きさやにおいや、波の速さやら音やら、いろいろ夢見るJosefine。
海は庭より大きいとか、比較の対象がまさに家で飼われている動物らしかったり、海のにおいが乾いた干し草やローズマリー、ラベンダーの香りだとか、ちょっと変な空想もありつつも、さまざまな海の空想を堪能する。

で、気がつくと、朝食を食べていたはずが、もう夜になっているという。最後は月の「静かの海」にまで連想が飛ぶのは予想外。

Tilda Apfelkernシリーズのように他の動物たちとの交流が描かれるわけでもないので、ストーリーは単純、海をめぐる空想が、かわいらしくもおだやかな絵といっしょに描かれていく。


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2013年9月26日 (木)

ドイツ語多読本:Ken Follett: Das Geheimnis der Masken

ケン・フォレットの児童書、そのドイツ語訳。原題は"The Mystery Hideout"
8歳から10歳対象となっている。
これも児童書定番の探偵物になっている。Kindle版。

Ken Follett: Das Geheimnis der Masken

16000語

Mickは新聞配達のアルバイトをしていて、新入りのIzzieに仕事を教えることになり、それがきっかけで仲よくなる。Mickは母親と二人暮らし。ホテル建設のためにアパートを立ち退くように言われていて、お母さんは困っている。Izzieのほうは元々は裕福らしかったが、こちらもホテル建設のせいで、お父さんは勤め先の映画スタジオ閉鎖で失業中。それで、二人とも新聞配達をしているらしい。

Mickはアパート立ち退きを阻止しようと、ホテルの経営者を探ったり、Izzieの手引きで映画スタジオに忍び込んでみたりと、そんな子供らしい冒険がありつつも、さらに連続銀行強盗が新聞を賑わせていたりする。で、ふたたび映画スタジオに忍び込んでみると・・・・。

とまあ、なんかもう先が読めてしまうような展開だが、文章は読みやすいので、多読にはいいかも。

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2013年9月24日 (火)

Sonyも新モデルPRS-T3S投入、楽天はKobo Aura発売するのか?

ソニーのReader向きの人は、

・フロントライトなんかいらない
・和書さえ読めればいい。洋書は読まない
・軽い端末が好き(専用カバーをつけても、Kindle Paperwhite、Koboより軽い)
・画面のリフレッシュ(白黒反転)がいやだ(新モデルは独自技術により4時間はリフレッシュしないらしい)
・物理ボタンが欲しい。画面タッチは反応が悪いし、不正確でいらつく

フロントライトがいらなくて、和書が読めればいいという人には、十分に選択候補に上がってもいいと思うが、


洋書が読めないので、個人的にはソニーのReaderに興味はない。
正確には、AdobeのDRMつきのepubの洋書が読めないから、使えない。

ドイツの電子書籍はamazon以外は、Adobe Digital EditionsのDRM(プロテクト)がかかっているepubが普通。

だから、これに対応してくれないとドイツ語の電子書籍は買っても読めない。もちろん、海外で販売されるソニーのReaderはDRMに対応しているが(ドイツでも売られている)、日本で発売されるものはおそらく対応していない。ソニーのストアにも洋書はないし。

Kindleは独自フォーマットの本で客を囲い込もうとしているので、そもそもepubに対応していない。

楽天のKoboだけがAdobeのDRMに対応しているので、Koboストア以外から買っても、ドイツ語の電子書籍は安心して読める。

なんでDRMつきepub対応にこだわるのかと言ったら、日本のアマゾン、Koboで売られているの書籍の数が少ないからだ。ドイツのアマゾンのKindleショップとドイツ語の本の数を比べてみたらいい。日本で売られていない本は山ほどある。そして、日本からドイツのアマゾンでKindle本は買えない。VPNとか使えばできるのかもしれないが。

でも、epubの本なら、アマゾン以外のネット書店から買えばいい。ebook.deとか。日本では売っていない本も買える。

というわけで、ソニーのReaderには興味なし。

それよりも、Kindle、Sonyが新モデル発売を発表して、楽天Koboがどう出るかが問題。
新モデルのKobo Auraは海外ではすでに出荷が始まっているが、日本での発売については何のアナウンスもない。

じきに発表があるのか、たとえば、Kindle出荷が10月22日だから、それまでに何か動きがあるのか。あるいは、年末商戦に合わせてくるのか?

MobilereadのKoboフォーラムでは、Kobo Auraは日本語の本が文字化けしたので返品した、なんて投稿もあったりして、まだファームウェアに問題があるとか? でも、この投稿だけでは単なる初期不良だったのかもしれず、正確なところはわからない。

これまでのネットの情報を見たところでは、新Kindle Paperwhiteのほうが性能はいい、という結果になりそうだが、それでも楽天にも頑張ってもらわないと・・・。

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2013年9月22日 (日)

ドイツ語多読本:Walko: Die Pappenburger シリーズ

絵がとにかく楽しくて気に入っているシリーズだが、いまのところ残念ながら品切れ状態。

語数的には2500語くらいだが、短い話が10話ほど収録されているので、読むのにはさほど苦労しないはず。

建物や乗り物など、すべてダンボールでできている町、Pappenburg。
そこに住んでいるのは陽気なネズミたち。
ダンボールの街並みが意外とよかったりする。

そこではいつでも、何か事件が起きる。
月ロケットを作ってみたり、潜水艦で宝探しをしたりとか、町に王様がやってくるぞと大騒ぎしてみたり、消防署の式典で火事になったりとか、まあ、いろいろな事件が楽しい絵とともに愉快に描かれる。

どんな感じの話なのか、第1巻の1話目「月旅行」だけ紹介。
「月がチーズでできているかどうか、楽しみだ」
「チーズでできているに決まっているじゃないか、だって黄色なんだから」
なんて、いかにもネズミらしい会話をしながらも、ロケット完成。
「お昼までには戻ってくるのよ」なんておばさんの声を聞きながら、ロケット発射。
もちろん、月に着くはずもなく、どこかの家の庭に落ちる。ところが、その家の人、いやネズミたちも自分たちも、ロケットのすすで真っ黒になっているものだから、互いに宇宙人と勘違い・・・。

とまあ、こんな感じのドタバタが楽しく語られている絵本。


Walko: Die Pappenburger 01. Hoch lebe Pappenburg!

2134語


Walko: Die Pappenburger 02. Neues aus Pappenburg

2445語


Walko: Die Pappenburger 03. Die Pappenburger heben ab

2502語


Walko: Die Pappenburger 04. Ab in den Süden

2724語


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2013年9月20日 (金)

ドイツ語多読本:Max von der Grün: Vorstadtkrokodile - Eine Geschichte vom Aufpassen

ドイツではおそらく有名な児童書。

映画化もされていて、Vorstadtkrokodile(2009年)、Vorstadtkrokodile 2(2010年)、Vorstadtkrokodile 3(2011年)とシリーズになっているようなので、人気もあるのかもしれない。
映画のほうは時代も現代に変え、登場人物の名前なんかも変わっているらしい。


これはそのオリジナル、1976年刊行の原作。

Max von der Grün: Vorstadtkrokodile: Eine Geschichte vom Aufpassen

31000語
Kobo版はここ

レンガ工場の廃屋、その屋根に登っているHannes。町でもちょっと有名な悪ガキ集団、クロコダイル団に入るための、勇気を証明する儀式なのだ。その屋根から降りる途中、Hannesは足を滑らせ、屋根から転落しそうになる。怖くなったクロコダイル団は逃げ出すが、かろうじて紅一点のMariaが消防署に電話、事無きを得る。

Hannesは当然、家で両親に叱られ、罰として、家でおとなしくしていなければならなくなる。そんなときに、車椅子の少年Kurtに出会う。それで、障害があるKurtをクロコダイル団に入れるかどうか、なんて問題が持ち上がっている一方で、町では連続押し入り強盗が新聞を賑わし、手がかりには報奨金も出るという騒ぎ。大人たちは、イタリア人かトルコ人の外国人労働者の仕業だろう、なんて、自分たちの仕事を奪う外国人労働者憎しの感情をむき出しにしたり・・・。

そんな中、Kurtが強盗の現場を望遠鏡で目撃する。その一人はクロコダイル団の一員Frankの兄さんかもしれない・・・? 捜査に乗り出すクロコダイル団。事件の真相は? そして、当然そこから生まれる、Frankと他のクロコダイル団メンバーとの確執・・・。


探偵物は児童書の定番だが、障害者の視点がシリアスに入っているところもある。Kurtがクロコダイル団と車椅子で外に出かけていて、用を足したくなる場面。両脇を抱えて、チャックを開けて出してくれと頼んだり。

あとは、正しいことをしようとすると、それが家族や友人を傷つけてしまうかもしれない、なんて葛藤があったり、ただ犯人、悪者をやっつけておしまい、すっきり、ってだけではない、そんな物語。

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2013年9月18日 (水)

ドイツ語書籍:Christoph Marzi: Die wundersame Geschichte der Faye Archer

Koboストアではファンタジーのカテゴリーにあるが、これは恋愛小説と思うべき。
ファンタジー要素というか、不思議はある。たしかに"wundersam"なんだろうけど、ただその不思議に納得できるかどうかは、また別の問題。
Koboストアではここ

Christoph Marzi: Die wundersame Geschichte der Faye Archer

87000語

ニューヨーク、ブルックリン在住Faye Archer、20代後半。韓国人が経営する本屋で働きながら、音楽活動をしている。

客が店にスケッチブックを忘れていく。客が言った"Geschichten sind wie Melodien"という言葉がなぜか気になって、Fayeはいつもなら絶対しないのに、GoogleからFacebookにたどり着き、忘れ物の連絡をする。そこから、Alex Hobdonとの長いメールのやり取りに発展する。

Alexは広告のデザインなんかの仕事をしているが、本当はコミックの作家になりたいと思っていて、シカゴへの出張のついでに、カポーティの『ティファニーで朝食を』を元にしたコミックを売り込むつもりだなんて話をする。

そしてシカゴからの長い長いメールが届く。

ところが、FayeはシカゴにいるはずのAlexを町で見かけてしまう。そういう時に相談相手になってくれるのが女友達の親友Dana Carter。そんな嘘つきは忘れてしまえ、と。

さらに決定的な場面に遭遇。Alexが別の女といっしょに歩いているところに出くわすFaye。当然、頭に来るが、Alexのほうもどうも怒っているらしい。それはなにやら4年前のことらしい・・・。

4年前はまだ出会ってもいないじゃないか。いや、それとも・・・・? そんな謎を残しつつ、話は進んでいく・・・。

Fayeは音楽をやっているので、いろいろなミュージシャンや曲の名前が出てくる。それらを知っていれば、もっと雰囲気がわかるんだろう。それから、Fayeのライブは、ピアノの弾き語りをしながら、背景にいろいろな古い映画を流す。映画も知っていたら、もっといいんだろう。

結末はちょっとどうかな。
謎がどう解かれるのかを期待して読んでいたので、ちょっとそれはないだろうという感じ。恋愛小説だと思って読めば、それはそれでありなのかもしれないけど。

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2013年9月16日 (月)

ドイツ語多読本:Ingo Siegner: Das große Buch vom kleinen Erdmännchen Gustav

小さなドラゴンKokosnussシリーズが人気のIng Siegnerの別シリーズ。架空のドラゴンではなく、実在する動物が主人公。4歳以上対象。読み聞かせ用。

元は2冊の本を1冊にまとめたもので、ちょっとお得。

Ingo Siegner: Das große Buch vom kleinen Erdmännchen Gustav

1話目 1111語
2話目 1946語

Erdmännchenというのはこういう動物。「ミーアキャット」
Erdmnnchen

このErdmännchenのGustavが主人公。Pauline、Rockyがその仲間。動物園に住んでいる。それはいいんだが、どうも動物園の外へ自由に出ていけるらしく、人間のほうでも動物が町にいても気にしないらしい。でも、互いの言葉がわかるというわけでもない、そんな町。

1話目
夜の川でボートに乗ろう。そんなわけで、モグラに通行料を払ってトンネル経由で、友だちのゾウをさそい、途中で出会った鳥も誘い、その鳥とケンカをしたカバなんかに会いながら、川を進んでいると、大きなミミズクが飛んできて、Rockyをさらっていく・・・。

2話目
雨が降っていて出かけるのが億劫なRockyとPauline。ところが、Gustavだけは雨も楽しい。で、一人町に出かけて、雨の中飛び跳ねていると、自転車の男の子とぶつかって、男の子は腕を、Gustavは足を怪我する。救急車は当然男の子を連れていくが、Gustavにも気づいて、いっしょに病院に連れていく。骨折だ、というので手術を・・・。
手術や病院の様子が比較的詳しく語られるので、子供に病院のことを教える意図があるのかもしれない。

ほのぼの系ののんびりした話。


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2013年9月14日 (土)

ドイツ語書籍:Zoran Drvenkar: Der letzte Engel: Band 1

前に児童書のDie tollkühnen Abenteuer von JanBenMaxDie tollkühnen Abenteuer von JanBenMaxを紹介したことがあるZoran Drvenkarの、今度は14歳以上向けとあるので、ヤングアダルト作品。

サスペンス・ファンタジー(?)といったらいいのか、最後の天使になった少年と、天使をめぐって暗躍する2つの組織の話。

Zoran Drvenkar: Der letzte Engel: Band 1

100,000語

ストーリーのラインは2つ。最後にそれが重なりあう。

1つは、Motte(16歳男子)が、明日目覚めたら君は死んでいる、なんてメールをもらう場面から始まる。
誰かのいたずらだろうと思いつつも、ずっと起きていたら目覚めもしないんだし、死なないじゃないか、なんて冗談半分に思いながら、やっぱり気味が悪いので徹夜を決心。でも、寝てしまう、というお決まりの展開。

で、目覚めると、背中から翼が生えている。えっと思って、親友のLarsを呼ぶ。さらに驚きが待っている。寝室のベッドに自分の死体が横たわっている・・・。

そして、Motteの死体を発見した父親。どこかに電話をして「あと3年あると言ってたじゃないか」なんて、謎なセリフ、そして、どういうわけかガソリンに火をつけて、家を焼く・・・。

天使のMotteは親友のLars以外には、姿が見えない。誰にも気づかれず、父親も行動も見ている。そして、自分の埋葬も。その間に、いろいろな回想が入る。自分の母親の失踪とか、Larsとの友情の話とか、祖父のこととか。で、それらはほとんど何かの伏線になっているので注意。


もう1つのストーリーラインは、Mona(10歳)とEsko(20代後半?)がフェリーを待っている場面から始まる(本当はこっちが本の冒頭部分)。なぜか幽霊の少女たちに道案内され、急かされている様子。

Monaは少女を8人集めた、なにやらいわくありげな施設で暮らしていたが、Monaに人の記憶を読む能力が発現する。Monaが触れた記憶に登場する女王Theiaの存在も気になるが、能力の発現とともに、なぜか施設は傭兵集団に襲われ、Monaと彼女の世話役の2人を残して全員殺される(それが幽霊の少女たちになる)。

施設を運営しているのは「ファミリー」と呼ばれる組織。2人はエジンバラにある組織の「資料館」に向かうが、そこも襲撃される・・・。

その襲撃の際に、MonaはEskoと出会う、というか連れてくるのだが、Eskoの力もあって、そこからも脱出、ベルリンを目指して、フェリーを待っている、というのが、本の冒頭部分。

で、Motteに死の予告メールを送ったのがMona。

天使って何? Motteが「最後の天使」というのはどういうこと? Monaは何者? 「ファミリー」って何? 「ファミリー」を襲撃しているのは何者? なぜ襲撃される? などなど、次々に疑問が湧いてくるのだが、なかなか答えてくれない焦らし展開。

まんまとその焦らしに引っかかれば、先が気になって仕方がないが、ちょっと焦らしが長いので、途中で投げ出したくなる人もいるかもしれない。なので、導入としてもう少しヒントを出しておくと、始まりは19世紀前半、翼の生えた、天使と見られる氷漬けの2体の死体が見つかったこと。その翼には不思議な力があって・・・・。

で、ファミリーはロシア皇帝の後ろ盾も得て、その骨を使って天使の復活をもくろむ。そして、天使復活は人類の危機につながる、と敵対するのが、もうひとつの組織の「兄弟団」。

それからずっと現代にいたるまで兄弟団はファミリーの施設を襲い、やっとすべて片付けたかと思ったところに、Monaのいる施設が見つかる・・・という流れ。

最後にようやくMonaはMotteに会う。えっ、それが終わりの始まりなのか?? というところで、次巻に続く。(ちょっと内容ばらしすぎ?)


YouTubeに上がっているPR動画

作者の書斎。元はKornmühle(製粉所。水車小屋か風車小屋か?)だったそうで、かなり雰囲気がある。

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2013年9月12日 (木)

ドイツ語多読本:Tim Kehoe: Vincent Shadow und seine fabelhaften Erfindungen

これはepub版もKindle版もあって、日本のストアで買えるが、amazonよりKoboのほうが安かったのと、楽天から30%割引のクーポンが送られてきたので、Koboストアで買った。


発明大好き少年の話。

Vincent Shadow und seine fabelhaften Erfindungen

21000語

いきなり発明品のイメージが目の前に迫ってきて、目が見えなくなるという発作にときどき襲われるVincentだが、発明が大好き。部屋のタンスの奥に秘密の実験室もある。そこは死んだお母さんとの思い出の場所でもある。

ところが、お父さんはネットで知り合った女性と結婚し、仕事先もニューヨークからミネアポリスに変えてしまう。で、意地悪な母親とその連れ子3人とニューヨークからミネアポリスに引っ越すことに。

そんなとき、有名なおもちゃ会社主催の発明コンクールの書類審査に通って、コンテストが開かれるニューヨークに戻っていくVincent。当然、そこでいろいろ事件が起こるわけで・・・。
そこをどうやって乗り越えていくのかが読みどころ。

作中に出てくるいろいろな発明、おもちゃは作者自身が作ったものだそうだ。風なしで上がる凧とか。

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2013年9月10日 (火)

ドイツ語多読本:Erhard Dietl: Die Olchis auf Geburtstagsreise

7、8歳向け児童書といっても、語数は15000語から30000語くらいあったりする。今回は語数少なめのを。

ゴミ捨て場に住むOlchiという怪物の話。これはOetinger社から出ているシリーズで、さらに読書入門用にレベル分けされたものなので、語数が少なめ。

電子書籍版のほうが安い(€2,99、付加価値税かからないので、350円しない)ので、ebookで。いつものように日本のアマゾン、Koboストアでは売っていないので、ドイツのネット書店から、Koboで読めるepub版。

Erhard Dietl: Die Olchis auf Geburtstagsreise
Olchis_geburtstagsreise

4300語

紙の本はこちら
Die Olchis auf Geburtstagsreise

ゴミやらガラクタやら廃棄物を食べて生きるOlchiたち。汚いもの、臭いもの、腐ったものが大好き。怪力で、三本の角で音を聞き、口はガラスでも鉄でも石でも砕く。でも、きれいなところ、整理整頓されたところにいると、気分が悪くなる。

思い立ったが吉日、いや、思い立ったが誕生日、きょうが誕生日だと思えば誕生日なのだ、とOlchiおじいちゃん、家族でお祝いの旅行に出かけようということになる。

表紙に見えるOlchiドラゴンの背に乗って出発、まずは城の廃墟。そこには幽霊がいて・・・。
(ドイツの絵本でよく見るが、あちらの幽霊は白いシーツみたいなのを頭からかぶったような姿で、鎖をじゃらじゃら引きずっていたりする。そういうものらしい)

次に向かうはパリ。エッフェル塔で一騒ぎ。塔の鉄材を曲げたり、食べたり、そして・・・。

そして、ピサの斜塔へ。今度は逆に・・・・。
そんなドタバタを愉快に描く物語。

ゴミ捨て場に住む変な生き物だが、ある意味子供にとってはあこがれかも。部屋の掃除しろ、とか言われるのは嫌じゃないですか。


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2013年9月 8日 (日)

ドイツ語多読本:Ulrike Schweikert: Das Reich der Finsternis - Verwunschen: Band 1

コボルトとかノームとかエルフとかが出てくる、タイトルが「闇の国」みたいな感じだから、ちょっと不気味な話。10歳以上対象の児童書。

日本のアマゾン、Koboで買える。どっちが安いかは本によって違うようだが、クーポンの割引きでKoboから買った。Kobo版はここ

Ulrike Schweikert: Das Reich der Finsternis - Verwunschen: Band 1

30000語

生い茂る草むらから顔を出しているノームかなにか、この表紙からして、人間と妖精の心温まる交流みたいな話ではないことは予想できるはず。

休暇をアイルランドのおばあちゃんのところで過ごすためにやってきた、ふたごのPatrickとMona。到着早々から不吉な出来事。ドアを開けると、いきなり、おばあちゃんが怪我をして倒れている。実はドアを開ける前にも、何者かに頭や足を叩かれてたりしていて、妙な気配はあった・・・・。

そこに住んでみるとまた、物が棚から落ちるとか、そこに妙な足跡が残っているとか、妙なことがありつつも、ふたりは、なぜかおばちゃんの家の敷地内で暮らしている女の子のKylahと知り合う。Kylahの家族が何者で、どうしてここにいるのかもよくわからないのだが、それでも仲良くなる。

で、家の中の妙な出来事がひどくなる。怖くなったふたりは、それでもKylahのいたずらだろうなんて合理的な説明に逃れようとするものの、妙な出来事のあとに残されていた手紙のようなものを見ると、Kylahの様子が一変する。これは「目に見えない者たち」からの宣戦布告だ・・・。

「目に見えない者たち」って何なんだってことになって、Kylahは説明する。ノームとかエルフとかは普通の人には見えない。でも、自分には見える。それは地下洞窟の迷宮にある泉の水を飲んだからだ。というわけで、何も悪いことはしていないのに戦争を宣言されるなんて、納得できないし、とにかくエルフたちと話をしてみようということになる。それでKylahの道案内で泉を目指して、地下の洞窟に入っていく・・・。

こんな感じで、謎に引っ張られてどんどん先を読んでいきたくなる。
第1巻ですべての謎が解明されてはいない。次巻に続く。

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2013年9月 6日 (金)

Kindle paperwhite アップデート 5.3.8 辞書さらに使いやすく、フォント追加もOK

前の記事に、新Kindle PaperwhiteのYouTube動画のリンクを追加しておいた。

Kindle Paperwhiteのアップデート 5.3.8
さっそく試してみたい人はアマゾンのページからダウンロード。

変更点は3つ
辞書のLookupのウィンドウ(?)内で、いくつか操作が追加されて、さらに便利になった。

1 本文検索に使ったキーワードがハイライトされるようになりました
これは未確認
--

2 辞書を使用中、同じ単語を別の辞書で調べられるようになりました
単語をタップしてlookup
-
Kindle_dic01_4
-

"Dude Universalwörterbuch"の右脇にある "▶"マークをタップすると、
Kindle_dic02
というふうに、別の辞書が選択できる。
辞書を複数持っている場合にはすぐに切り替えて、別の辞書が見られるし、ドイツ語の本を読んでいて、途中で英語がでてきた、なんてときにも、便利。
--

3 辞書で表示される複数の意味を、さらに調べることができるようになりました
たとえばこんな感じ。例は"Alter"
-
Kindle_dic11
"1/3の表示が見えると思う。これが一つ目の意味。"<"と">"マークで移動。
-
次が2番目の意味
Kindle_dic12
"2/3"になっていますね。
これまでは、1番目の意味しかLookupでは見られなかったので、これもよい。
--

辞書に関しては、Koboに圧倒的な差をつけているKindle。

あと、フォントを追加する例のトリックは、今回のヴァージョンアップでも通用したので安心を。


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2013年9月 4日 (水)

新Kindle Paperwhite日本でも発売:モデル全面刷新ではなく、Paperwhiteの改良版

意外にも、日本でもほぼ同時発売。
Kindle Paperwhite WiFiモデル(ニューモデル)

全面刷新ではなく、Paperwhiteを改良したという感じ。名前もPaperwhiteのままだし。


YouTubeの動画
http://www.youtube.com/watch?v=SjOdSHBHHmE

http://www.youtube.com/watch?v=nC2TXJnmbJ4

http://www.youtube.com/watch?v=wRUHvVO7YCI
新旧のPaperwhiteのページめくりの比較がある。メージめくりは少し速くなり、リフレッシュ(白黒反転)の間隔も大きくなっているのがわかる。

ハードウェア的には、
・プロセッサ速度25%向上
・コントラストがアップして文字がくっきり
・タッチグリッドを19%細かくしたので、タッチがより正確になった
・なぜか日本版はストレージが4G。amazon.comでは2G。
・本体そのものは変わりないようだ。この点はKobo Auraのほうが進んでいる。ただ、カバーとかそのまま使えそう。
・ページのリフレッシュ(白黒反転)が6ページごとから12ページごとになったという話もあり。(http://reviews.cnet.com/e-book-readers/amazon-kindle-paperwhite-special/4505-3508_7-35827154.html
これはKobo Auraのほうが上かも。いや、
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1309/05/news087.htmlによると、
新Paperwhiteは新しい"E Ink Carta"の採用で、リフレッシュをほぼなくした、とある。実物を見てみないと、Kobo Auraとどっちがすぐれているのか、わからないな。
http://www.ebook2forum.com/members/2013/09/e-ink-introduces-next-generation-epaper-technology/
これによると、新E Inkを採用したPaperwhiteのほうが上だ、という。Kobo Auraは前世代のE Inkのまま。

いや、リフレッシュがほぼなくなったというのは大げさのようだ。上にもあげた、新旧のPWの比較動画を参照
http://www.youtube.com/watch?v=wRUHvVO7YCI

これなら、やはりKobo Auraのほうがいいのかも?
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=_RnCKpTq5Lo#t=540
リフレッシュは減少して、章ごとになっているとか、ページをめくるごとにスクリーンがほの暗くなるが、白黒反転はない、とか言っているようだ。(今のところ、Kobo Auraの日本発売について楽天からの発表はないが)


メインはソフトウェアの改良か。
・Kindle Page Flip ページを移動しなくても、章とか目次とか別ページとか見られる。その画像
・Smart Lookup  辞書のLookupのウィンドウにウィキペディアとX-Rayが追加。和書にX-Rayはないが。(amazon.comの画像日本のamzonの場合)。あと、単語バラバラでなく"credit default swap"のようなつながりでもLookupできるらしい。
・脚注がインライン表示。Lookupのウィンドウが現れる。これ和書でも可能?(amazon.comの画像
・Vocabulary Builder 単語帳作成。単語のお勉強したい人向け。
・Kindle Freetime 日本版にはついているのか? ペアレンタルコントロールみたいなものか。
・GoodReadsの統合 日本版にあるのかどうか不明
・日本語フォントに「筑紫明朝」の文字が。これがその画像。ちゃんとチューニングされてるんだろうな? また細くて見にくいとか、やめて欲しい。


値段は、WiFiモデルが9980円。3Gモデルは14980円。
アメリカではWiFiモデル(広告なし)が$139(広告ありは$119)、3Gモデルは$189なので、日本のアマゾンは安くしていると言えそう。といっても、前モデルより2000円値上がり。楽天が出すかもしれない新モデルKobo Auraの値段($149.99)を眺めつつの判断?
ただ今予約すると、1980円分のKindle本クーポンつき。これで値上がり分をカバーしよういうことか。

日本でのKindle新モデルの発売が決まって、楽天はどう出る?
・Kobo Aura発売を見送って、Kobo Gloのまま押し切るか? 値段安いし。でも、その消極性で楽天のやる気のなさをみせつけるのか?
・Kobo Auraを投入するのか。するとしたら、価格設定がむずかしい? 前回のように思い切った値段にして、アマゾンに値下げさせる、なんてことができたら、えらい。がんばれ、楽天。

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2013年9月 3日 (火)

ドイツ語多読本:Dirk Ahner: Laden der Träume - Das Gold der Piraten - Bd.1

人の夢の中を冒険するシリーズ、Laden der Träumeの第1巻。8歳以上対象の児童書。
Magic Tree House的な話のようだ。いろいろな時代、場所へ飛んで冒険。

Kindle版のほうが安いが、クーポンがあったのでKoboストア(ここ)から。


Dirk Ahner: Laden der Träume - Das Gold der Piraten: Band 1

15000語

Nepomuk(8歳)が不良にカツアゲされているところに、姉の友だちBenが助けに来る。隙をついて逃げ出し、途中、姉のLaraに出くわし、3人で逃げ回っているうちに袋小路へ。追いつかれるってんで、ええいっと飛び込んだのが、Lader der Träume(夢の店)。そんなベタな始まり。

そこは魔術の道具なんかを売っている店らしい。「危険、立入禁止」なんてドアに書いてあれば、逆に入ってみたくなる。で、店の主人、魔術師のFilomenus登場。話を聞いているうちに、Nepomukがやらかしてしまう。夢の詰まったガラス瓶を落としてしまい、夢が飛び出してなくなってしまう。あわてて拾おうとするが、「蓋があいたままで触ると・・・」なんて声が聞こえたかと思うと、もうそこは海賊船の上・・・。

海賊船に飛んできたのは3人の他に、店にいたカエル。名前はLeopold。なぜか人語を話し、自分は王子だという(グリム童話なんかを思い出してみるに、カエルといえば王子ってこと?)。話を聞いてみると、ここは誰かの夢の中で、元の世界に戻るには、この夢を見ている本人を探して、夢から目覚めさせなければならない。おまけに3日以内に見つけられないと、永遠に戻れなくなるし、自分が誰だったのかもわからなくなるという・・・・。

さて、どうする? それに、海賊につきものの危険や冒険が待ち受けている(海賊といえば、宝の地図とか)。

まあ当然、最後は元の世界に戻れるわけだが、夢の世界から持ち帰ったアイテムを、お詫びとして魔術師にプレゼント。それは夢のエッセンスで、Nepomukが開けてしまったガラス瓶に収められる。元はいっぱいに入っていたガラス瓶。3人は夢集めに協力を申し出るが、戻ってこれなくなる危険もあるので、はじめは断るFilomenus。だが、「手遅れになったらまずい」なんて、何やら意味深長なことをポロリと漏らしつつ、協力を受け入れることに。

というわけで、第2巻ではエジプトへ。

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2013年9月 1日 (日)

ドイツ語書籍:Ju Hohisch: Das Obsidianherz

ドイツ語の本の紹介はひさしぶりな気もする。
2009年のDeutscher Phantastik Preis、Bestes deutschsprachiges Romandebütを受賞。新人長編部門のベスト。

歴史アクションファンタジーロマンスって感じの本。

いつものように日本のアマゾンやKoboストアにはない。ドイツのネット書店から、Koboで読めるepbub版。DRMはついていないので、mobiに変換すればKindleでも読める。

Ju Hohisch: Das Obsidianherz
Obsidainherz

220,000語

魔術や魔物(吸血鬼やら神話的な怪物やら)が存在するファンタジーな世界だが、実際の19世紀半ばを舞台にしていて、魔物みたいなものの存在はあまり信じられなくなっている。

時は1865年、場所はルードヴィヒ2世が治めるバイエルン王国の首都ミュンヒェン、そのまたNymphenburger Hotelを舞台にした、3日間にわたる、ある文書の争奪戦。

イギリスから姿を消したその文書、何やら世界を支配する力があるらしく、取り戻すべくミュンヒェンに派遣されたのがメインキャラクターの一人Delacroix。バイエルン側はそれに二人の将校をつける。さらに、なぜかルードヴィヒ2世はオペラ歌手(女性)をチームに加える。

争奪戦というからには、文書を狙う勢力は他にもある。
一つはカトリック教会のある教団。異端審問の生き残りみたいなもので、人殺しもいとわないし、魔物みたいな存在は、神の秩序に反すると、排除する。

さらにハプスブルクからの独立を目指すハンガリー人も文書を狙って、吸血鬼に依頼する。そして、壁でもどこでもすり抜けて現れる影の怪物。もう一人いるが、それは本の後半もかなり進まないと、正体がわからない。

そこに絡んでくるというか、巻き込まれていくのが、女性側のメインキャラクターのCorrisande。いい縁談を探して、ミュンヒェンの社交界に食い込もうとしているのだが、実は犯罪組織のボスの娘で、自分でも泥棒できる。ミュンヒェンにも父親の配下の殺し屋がいたりする。でも、そんな世界から離れて、ふつうの結婚をしようとしているのだが、影の怪物に襲われて、文書争奪戦に巻き込まれていいく。一番散々な目に会う。

魔術や戦闘シーンももちろんあるが、舞台がホテルの中だけということもあり、特徴的なのは人間関係の絡みあい。たとえば、Delacroixと将校の一人がオペラ歌手のかつての愛人だったり、Delacroixはいま争っている教団にかつて属していたり。あとは、オペラ歌手と吸血鬼のロマンスやら、将校の一人がCorrisandeに惚れたりと、いろんな脇筋の展開もある。

あとは、章ごとに話の視点が変わるので、いろんな角度から出来事を眺めることになるし、スリリングな展開になる。たとえば、策略を仕掛ける側の人間の視点から語られるかと思うと、仕掛けられる人間の視点から語られる、といった具合。

そんなわけで、紙の本にして800ページと長いが、まあ飽きずに読めるのではないかと思う。

結末はロマンス小説的なのりかなあ(ロマンス小説読んだことないが、想像するに)。

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